マンションのAI査定とは?査定の仕組みと活用時の注意点

2024.02.26

マンションのAI査定とは、Web上で部屋に関する簡単な情報を入力するだけで、人工知能(AI)が過去の取引事例をもとに査定額を算定してくれるシステムです。不動産会社のホームページから申し込む一般的な査定方法に比べると、以下のような特徴があります。

  • 過去のデータをもとに自動で査定できる
  • 24時間365日、いつでも査定できる

上記の特徴から、気軽にマンションの資産価値を知りたい人にはAI査定がおすすめできますが、サービスの種類や査定目的には一定の注意を払ったほうが良いでしょう。ここでは、AI査定の特徴や注意点について解説します。

マンションのAI査定とは

マンションのAI査定とは、その名の通り、AIがマンションの価格を査定するサービスです。Web上で利用者が入力した情報を基に、類似物件の取引事例から、AIが対象物件の価格を算出します。

一般的なAI査定で入力を必要とする情報は、以下の通りです。

  • マンションの所在地またはマンション名
  • 間取り
  • 専有面積
  • 築年数
  • 階数
  • 方角

AI査定の特徴は、不動産会社とのやりとりが不要かつ自動で、短時間で査定できる点です。

家を売りたいと考える人の多くは、不動産取引の実績がある会社を探し、その会社の担当者に査定を依頼してから検討し始めます。しかし、売却するかどうか検討しているタイミングで、担当者に対応してもらうのは、気が重く感じられる方もいるでしょう。

AI査定であれば、そういった人の手を介さず、簡単な物件情報のみで売却相場がわかります。売却に向けて行動する前から気軽に利用できるサービスだと言えるでしょう。

マンションをAI査定する4つのメリット

マンション査定時の4つのメリット

マンションをAI査定するメリットは、何といっても「目的やタイミングを問わない気軽さ」と「即時性」にあります。対象物件がマンションである場合ならではの利点として、戸建てに比べて査定価格の精度が高い傾向にある点もあげられます。

AI査定のメリットを詳しく確認していきましょう。

いつでも査定額がすぐにわかる

マンションの価格査定にAI査定を用いる1つめのメリットは、いつでも依頼でき、回答もほぼ即時である点です。AI査定による査定結果の回答は、数分から1時間程度と短時間です。加えて営業時間の概念がなく、24時間365日いつでも利用できます。

同じくインターネットを通じて依頼できる簡易査定や一括査定サイトでは、人間の査定担当者が査定を行うため、早くても2〜3日程度はかかってしまいます。査定は不動産会社の営業時間内しか行われないため、休日をまたぐと1週間ほどかかるかもしれません。

AI査定を利用するタイミングとしては、実家相続の発生などの急を要する状況から、なんとなく資産価値が気になったときまで、幅広く考えられます。

匿名で査定できることが多い

マンションの価格査定にAI査定を用いる2つめのメリットは、物件所有者の氏名や電話番号などを入力せずに査定できるサービスが多い傾向です。匿名での不動産査定が可能であり、個人情報を知られたり、営業電話がかかってきたりする心配がありません。

AI査定は「まだ売却するか決めていないが、ざっくりとした価値は知っておきたい人」にぴったりだといえます。

ただし、さまざまなAI査定サービスの中には、事前にメールアドレスなどの登録を求めてくるものもあります。すべてのAI査定サービスが匿名査定ではなく、利用するサービスによっては依頼を勧誘するメールなどが届く可能性がある点に要注意です。

査定内容をもとに資金計画を立てやすい

マンションの価格査定にAI査定を用いる3つめのメリットは、査定結果と実際の売却価格の差が比較的小さい点です。

前提として、AI査定の精度は、特殊事情のない取引事例の数に応じて高くなります。この点、中古マンション市場の取引成立数は戸建てより豊富であり、土地・建物に関する固有の事情を抱えるケースもそれほどありません。必然的に、AI査定の対象物件がマンションであれば、より正確な査定が期待できるのです。

加えて、不動産会社によっては、AI査定がそのまま買取価格となる「WEB買取」も実施しているところもあります。上記のようなサービスを利用する場合、ごく短期間で、ともすると査定したその日から資金計画作りに着手できるようになります。

売却目的でない利用も可能

マンションの価格査定にAI査定を用いる4つめのメリットは、売却目的でない利用も可能である点です。AI査定であれば、目的を問わずに査定ができます。

具体的に売却目的でない利用の状況として、下記のような場合があげられます。

  • 離婚時、マンションを含め財産分与しようとする場合
  • マンションを相続し、相続人で遺産分割協議をする場合
  • マンションがあるエリアの相場を確認したい場合
  • 融資の申込みのため、マンションの担保価値を確認したいとき

AIではなく不動産会社の担当者が行うタイプの査定では、同じ会社にマンション売却まで依頼することが前提になってしまいます。一方で、AI査定は利用目的を問わず、オーナーの情報が知られてしまうことも基本的にはありません。活用できる範囲が広いサービスだと言えます。

AI査定に向いているマンションの特徴

マンションの価格査定にAI査定を用いるメリットの1つは、あくまでも参考とはいえ査定結果に一定の精度があり、資金計画が立てやすい点です。AI査定に向いているのは、中古マンションの中でも十分な取引事例があり、外観や専有部分の大きな改変がない物件です。

具体的には、以下のような物件が当てはまります。

  • 築年数10年超のマンション
  • 戸数の多いマンション
  • 新築以降リフォームしていないマンション

築年数や戸数は、査定するAIが参考とする取引事例の数に影響します。

注意したいのは、査定対象とするマンションのリフォームの有無です。AI査定は新築時の専有部分に基づいて査定するため、新しい設備による価値の上昇などは考慮しません。リフォーム経歴があるマンションの場合、AI査定の結果は参考価格と割り切り、不動産会社による査定に進んだほうがよいでしょう。

マンションのAI査定を活用する際の注意点

分譲マンション・中古マンションでAI査定を活用する際には、査定額の考え方や、サービスの範囲に注意しましょう。連絡先情報の提供を求められることもあるため、利用方法の確認も要チェックです。

会員登録が必要なサービスもある

マンションの価値を知るためにAI査定を利用するときは、会員登録を必要とするサイトでないか確認しましょう。登録のためメールアドレスや電話番号を入力すれば、連絡先を提供したことになり、サービス提供元から繰り返し営業メールや電話がくる可能性があります

「個人情報を提供したくない」「営業のメールや電話は困る」といった場合は、登録不要のAI査定サービスを探して利用したほうが良いでしょう。

もし、会員登録してでもAI査定を利用したいのであれば、登録した情報がどのように利用されるのか確認するのがベターです。あわせて、登録時に「メールを配信しない」といった選択ができるのか、確かめておくと良いでしょう。

査定額は入力した情報しか反映されない

AI査定の価格算出に反映されるのは、自身で入力した情報だけです。マンション査定では精度が高くなるといっても、あくまでも参考価格であることは念頭におきましょう

入力を省けることが多い下記のような要素は、AI査定では考慮されません。

  • マンション周辺の施設(商業施設や学校など)
  • マンション周辺の環境(治安や騒音など)
  • 日当たりや眺望(景観や自然光など)
  • 室内や設備の状態(水回りや収納など)

中古マンションを実際に取引しようとすると、上記の要素は売却価格に大きく影響することがあります。実際にマンションの売却を進めるときは、改めて不動産会社に査定を依頼し、人の目で価値を見極めてもらう必要があります。

一方で、AI査定で出た価格に基づき、そのままネットで買取価格を決定できるサービスも登場しています。こういったサービスを提供する会社では、高い精度のAIを採用し、価格算出=最終価格となります。そこで確かめた価格が折り合えば即時買取となるため、精確な価格を把握し、手間なく売りたい方にはおすすめです。

複数の不動産会社の比較目的での活用は難しい

マンションなどに利用できるAI査定サービスは、提供元が作った仕組みによる、おおまかな査定価格の算出に特化したサービスです。不動産会社を探したり、比較検討したり、複数の会社に一括査定を依頼したりする機能はありません

AI査定を利用したあと、売却に進むための方法は2つです。サービス提供元の不動産会社にそのまま相談・売却依頼を申し込むか、自分で他に不動産会社を探して比較検討するかです。

公的な価格の査定はできない

AI査定は、マンション売却を目的としない場合も利用できますが、評価額を公的に証明する手段にはなりません。公的な価格とは、マンションに課税されるときの評価額や、裁判や調停でマンションの価値を評価するときの価格を指します。

公的な評価額が必要な次のような場合には、それぞれ次のような方法で価格を調べましょう。

▼課税時の評価額を調べたいとき
固定資産税納税通知書を確認するか、市区町村役場で固定資産税課税台帳を閲覧する

▼相続や遺産分割、離婚時の財産分与が発生するとき
不動産鑑定士に依頼し、鑑定基準に沿って査定してもらう(有料での依頼)

AI査定を活用してマンションの売却を考えよう

マンションのAI査定は、Webから即時で結果が分かり、人の手を介さず、連絡先情報の提供も基本的に求められることはないのが特徴です。

一方で、物件の細かい情報が価格に反映されず、売却に進むときの不動産会社探しの手段としては活用できない点には注意したいところです。

東京ガスのマンション簡易査定申込サービスは、短時間で査定でき、一定の条件下で査定価格での買取が可能です。自社買取のため、売却を進める場合は最短7日で完了します。査定は無料でできるので、マンション売却を考えている方は是非検討してみてください。

遠藤 秋乃

執筆者

遠藤 秋乃
司法書士/行政書士/ライター

大学卒業後、メガバンクの融資部門での勤務2年を経て不動産会社へ転職。
転職後、2015年~2016年にかけて、司法書士試験・行政書士試験に合格。
2017年に退社後フリーライターへ転身し、現在も活動中。
培ってきた知識や相続準備に悩む顧客の相談に200件以上対応した経験をもとに、原稿執筆を行う。

SNS:https://twitter.com/akino_endo

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