マンション査定のポイントは?売却額に関わる要素をご紹介

2024.02.19

マンションは査定だけでも依頼することができますが、どのような項目がチェックされるのでしょうか。チェックされる項目を知っておくことで、査定額の信憑性を判断しやすくなり、損をしない売却につながります。

この記事では、マンション査定(訪問査定)で確認されるポイントを紹介します。査定に関する注意点についても取り上げているので、ぜひチェックしてみてください。

■この記事でわかること

  • マンション査定で見られるポイントがわかる
  • マンションの査定に関する注意点がわかる
  • 売却前にリフォームをすべきかどうかがわかる

マンションの査定で見られるポイント

マンション査定の基準は公益財団法人 不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」です。多くの不動産会社が、このマニュアルに基づいて査定を行っています。

査定で確認する主要なポイントは以下のとおりです。

  • 立地・周辺環境
  • 築年数
  • 広さ・間取り
  • 住戸位置
  • 内装・設備
  • 駐車場
  • 共有部分
  • 耐震性能・構造
  • 維持管理状況
  • 管理費・修繕積立金
  • 施工・販売会社

それぞれ見ていきましょう。

立地・周辺環境

マンション査定で最も重要な要素は「立地・周辺環境」です。駅の近さや商業施設、公園の有無などが査定額に大きく影響します。また、これらは売り手の努力で変えられない性質のものです。

交通の利便性

マンションの査定では、交通の利便性が価格に大きく影響します。特に最寄り駅までの距離やバス停の有無が重要です。通勤や通学、買い物などの日常生活の利便性を考慮すると、交通の便が良い場所のメリットが大きいためです。

価格査定マニュアルによると、駅近の物件は価格が高くなります。駅から徒歩10分を標準とし、それより近いほどプラス評価に、遠いほどマイナス評価になります。査定を受ける際は、立地や交通の利便性をアピールすることが重要です。

周辺の環境|生活の利便性

マンション査定では、周辺の生活利便性が価格を大きく左右します。周辺に生活必需施設が充実している地域の物件は、価格が高くなる傾向です

スーパーやコンビニ、学校、病院などは、徒歩10分圏内にあると査定価格が上がります。一方で、墓地やゴミ焼却場などの嫌悪施設や、治安や騒音の不安がある繁華街が近いと、価格が下がることもあります。

周辺の環境|景観や騒音

周辺の景観や騒音はマンションの価格に大きく影響します。良好な景観や静かな環境は、住民の生活の質を高め、価格を上昇させる要因となります

例えば、自然に囲まれた高地にあるマンションは、査定価格が上がる傾向があります。反対に、高速道路や新幹線の近くで騒音が気になる場合、価格は下がることが多いでしょう。

築年数

参照元:中古住宅流通、リフォーム市場の現状|国土交通省

築年数が新しい物件は高評価を受けやすく、古い物件は低評価となります

国土交通省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、マンションは購入後1年で価値が急落し、築10年の時点で70〜80%、築25年の時点で約半分の価値を保持します。

築5年のマンションは購入価格のまま価格を維持しやすく、築15年のものは3割減となることが多いです。このように、築年数は査定価格に大きな影響を与えるため、売却タイミングの考慮も必要です。

広さ・間取り

専有面積が広い物件は評価が上がりますが、1平方メートル単価は大きくなるほど低くなることが多いです。

間取りでは、LD(リビング・ダイニングルーム)の広さや収納量が特に評価されます。これらが豊富なマンションは査定価格が上がりやすいです。しかし、専有面積は広くてもLDが狭く、収納が少ない場合は、査定価格が低くなることが一般的です。

住戸位置(階数・方角)

参照元:価格査定マニュアルによる中古マンションの査定 |公益財団法人 不動産流通推進センター

住戸位置は、部屋の階数、窓の向き、そして日当たりを反映するものです。高層階や日当たりの良い方角の部屋は、景観、プライバシー、通風の良さから評価が高くなります。

特に、3階以上の高い部屋、南向き、角部屋は査定価格が上がる傾向があります。階数や方角、日当たりを考慮し、その特長を理解することが、適切な査定価格を得る鍵です。

内装・設備

良好な内装や設備は、(売却後)次の買取主が管理するうえで新しい方が入居しやすく、修繕費用を抑えられるため、査定価格を高める要因になります。特に、使用頻度の高いキッチンやお風呂場の状態は査定に影響します。キッチンのディスポーザーのような後付けが難しい設備も高評価につながります。

ただし、リフォーム前提の売却の場合、少しの汚れや破損は査定に大きな影響を与えません。

駐車場

価格査定マニュアルにおいて、駐車場の有無は査定価格に直接影響を与えるものではありません。しかし、実際には住民の利便性を大きく向上させるため、査定の際の加点要素となることが多いです。

マンションの住戸数に対して十分な駐車場が確保されていると、高い評価を受けやすくなるでしょう。また、公共交通の便が少ない地域では、駐車場の有無が査定価格に与える影響も大きなものになります。

共有部分

マンションの共用部分の状態や設備は、マンションの印象を決め、住民の生活の質や安全につながるため、価格にも影響します。エントランスの清潔さ、デザイン、セキュリティの充実、共用施設の存在は、物件の価値を高めます

例えば、広いエントランスや24時間監視カメラ、二重鍵のセキュリティが整っているマンションは、安全性が高いと評価されるでしょう。ジムや集会室などの共用施設がある場合も、査定価格が上がることが期待されます。

耐震性能・構造

参照元:価格査定マニュアルによる中古マンションの査定 |公益財団法人 不動産流通推進センター

マンションの耐震性能や構造は、安全性や耐久性の指標として査定価格に影響します。日本は地震多発国で、耐震性能はマンションの安全を保障する要素として重要です。1981年以降のマンションは新耐震基準で建築されることが多く、安全性が向上しています

マンションの構造によっても耐震性や耐久性は異なり、特に鉄筋コンクリート造は強度から高評価を受けることが多いです。

維持管理状況(管理形態や清掃状態など)

マンションの維持管理状況は、物件の品質や将来性を示す指標となります。良好な維持管理は、住民の生活を快適にし、物件価値を長期的に保つ要因です。

「管理員の勤務形態」「保守・清掃の状態」「修繕・管理」は、査定時に特に注目される項目です。

24時間管理員が常駐するマンションは、セキュリティが高く評価されます。共用部分が清潔に保たれているマンションは、住民の生活品質を向上させ、査定価格にもプラスとなります。

管理費・修繕積立金

管理費や修繕積立金は、マンションの維持・管理費用をカバーするもので、これらの金額は居住者の経済的負担を示す指標です。高い管理費や修繕積立金は、購入希望者にとってネガティブな要因となり得ます

月々の管理費が低く、修繕積立金が適切なマンションは、購入者から高評価を受けやすくなるでしょう。しかし、管理費が高かったり、修繕積立金が不足していたりすると、将来の大規模修繕の負担が懸念され、査定に影響します。

施工・販売会社

マンションの査定では、施工や販売を行った会社の背景が重要です。業界での知名度や信頼性が高い大手企業が関与していると、マンションの価値は高く評価されることが一般的です

逆に、過去に施工トラブルがあった企業は査定にネガティブな影響を及ぼすことがあります。売主や施工会社の実績や信頼性も、査定価格を形成する要因の一つです。

マンション査定をするときに気をつけたいポイント

マンションの査定額は、築年数や位置、施工企業、管理状況など多くの要因に影響されます。売却時には、これらのポイントを理解し、査定の背景を把握することが重要です。

ここでは、マンションの査定を受ける際に気を付けたいことを3つお伝えします。

リフォームはせずとも修繕は行う

マンションの査定額を適切に受けるためには、大がかりなリフォームより、査定に影響する明確な箇所の修繕がおすすめです。

壁紙の汚れやドアの不具合など目立つ問題は、査定者の印象を悪くし、査定額を下げる原因となります。これらは低コストで修繕可能なので、費用対効果が高いです。壁紙の臭いや壊れた給湯器の修繕も査定額の向上が期待できます。

一方、全面リフォームは必要ない場合が多いです。多くの購入者は自分の好みでリフォームを考えるため、過度なリフォームは避け、基本的な修繕に焦点を当てることを意識しましょう。

なお、事業者が直接買取する場合は、事業者が適切に判断して対応するため、修繕の対応は不要になります。

査定額は景気などの影響も受ける

マンションの査定額は、売却時の景気や周辺物件の価格などの外的要因で変動します。不動産市場は経済の動向、地域の開発、金利の変動などに影響を受けます。そのため、物件の価値だけでなく、これらの要因も査定に影響します。例えば、マンション周辺で駅や商業施設の開発計画が発表されれば、エリアの物件価格は上昇する傾向があります。

複数の不動産業者に査定を依頼する

正確なマンションの査定額を知るには、複数の不動産業者に依頼することが推奨されます。1社の査定だけでは、相場を把握しにくく、価格判断が難しいためです。複数業者の査定を比較することで、適正価格を判断することができます。

事業者によっては、得意とする不動産の分野があります。その場合、高額査定が期待できることもあるため、査定額とその理由をしっかりと比較することが重要です。

なお、大まかな概算を知りたいという場合、詳細情報を提供せずに査定額を得られる匿名査定がおすすめです。詳細は、こちらのページで解説しています。

ポイントを押さえてマンションの査定を進めよう

マンションの査定額は、立地・周辺環境、築年数、広さ・間取りなど、様々な要因で変動します。

査定を依頼する際には、複数の不動産業者からの査定を比較することで、適正価格を判断できます。ざっくりとした価格を知りたい方は、簡易査定を試すことをおすすめします。


東京ガスでは、マンションの簡易査定を行っています。最短1日での査定価格のご連絡が可能です。マンションの現在の価値を知りたい方は、当サイトをぜひご利用ください。

松元 健太郎

執筆者

松元 健太郎
宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/ライター

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・ファイナンシャルプランナー2級を保有。
不動産会社に勤務し、退職後、不動産ライターとして独立。
法人で不動産賃貸経営も行い、不動産の現場で得た経験・知識を活かし、ライターとして活動中。

ホームページ:https://xn--lsv228akxb.com/

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