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給湯器は、長年使用していると故障のサインがあらわれることがあります。給湯器が故障すると、予期せぬタイミングでお湯が使えなくなるなどの不便が発生します。そのため、給湯器の異常にいち早く気づき、適切に対処することが重要です。
ここでは、給湯器の故障を確かめる方法と、よく見られる症状、およびその主な原因について解説します。給湯器に異変を感じている方や、故障の予防法を知りたい方は、ぜひご覧ください。

給湯器の故障を確かめる方法
給湯器の故障の有無を確かめる際には、以下の3つの項目をチェックしてみましょう。
- エラーコードが表示されていないか
- ほかのガス機器は使用できるか
- すべての蛇口でお湯が出るか
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
【チェック1】エラーコードが表示されていないか
最初に、リモコンにエラーコードが表示されていないかを確認しましょう。
エラーコードとは、給湯器に何らかの異常が発生していることを示すサインです。エラーコードの内容を確認し、適切な対応を行ってください。
それぞれのエラーコードが示す症状や対処法は、お使いの給湯器の取扱説明書や、メーカーのホームページで確認できます。
【チェック2】ほかのガス機器は使用できるか
次に、給湯器以外のガス機器が問題なく使用できるかどうかを確認します。たとえば、ガスコンロなど、ほかのガス機器を試してみましょう。
もし、給湯器以外のガス機器が問題なく使えるようであれば、給湯器の異常の可能性が高いです。一方、給湯器以外のガス機器も使えないようであれば、ガスの供給自体に異常が発生しています。
とくに、ガス臭さを感じる場合は、ガス漏れが起こっている危険性があるため、すぐにガス事業者に連絡しましょう。
【チェック3】すべての蛇口でお湯が出るか
最後に、家中のすべての蛇口からお湯が出るかどうかを確かめましょう。
もし、特定の場所だけお湯が出ないようであれば、その蛇口自体に問題がある可能性が考えられます。その場合は、蛇口の修理だけで改善される可能性があります。
一方、すべての蛇口からお湯が出ない場合は、給湯器の異常が疑われるでしょう。
また、給湯器の電源が入っているかどうかも確認しましょう。停電後や何かの拍子で給湯器の電源が切れていると、お湯が出ないことがあります。電源が入っていなければ、再度入れ直してから、お湯が出るかどうかをチェックしてください。
給湯器の故障でよく見られる症状
給湯器が故障した状態で使用すると、火災や一酸化炭素中毒などの事故につながります。以下のような故障のサインが見られる際には、できるだけ早く、東京ガスをはじめとした専門家に相談することをおすすめします。
- お湯にならない・ぬるい・温度が不安定
- 水漏れしている
- 異音がする
それぞれの呼称のサインについて、詳しく見ていきましょう。
お湯にならない・ぬるい・温度が不安定
「お湯にならない」「お湯の温度がぬるい」「温度が上下して不安定」といった症状がすべての蛇口でみられる場合は、給湯器の故障が疑われます。これらは給湯器の故障として比較的よく見られるものです。
ただし、次のようなケースでは、故障ではない可能性があります。
原因 | 詳細 | 対策 |
---|---|---|
給湯器の能力が合っていない | キッチンとシャワーのように、複数の場所でお湯を使用しているときに症状がみられる | 同時に複数の場所でお湯を使用しない。または使い方に見合った能力の給湯器に交換する |
フィルターの詰まり | 水抜き栓のフィルター、循環フィルター(浴槽)が詰まっている | 取扱説明書を参考に掃除をして、症状が改善されるかを確認する |
ガスが遮断されている | 地震やガス漏れ、機器の長時間の使用などがあると、安全装置が作動してガスが遮断される | ガスメーターで復旧作業を行い、給湯器からお湯が出るか確認する。ただしガス臭い場合はガス漏れの可能性があるので、復旧作業せずにガス事業者に連絡する |
これまで問題なく使用できていたにもかかわらず「お湯にならない」「お湯の温度がぬるい」「温度が上下して不安定」といった症状が発生し、なおかつ上表のいずれにも当てはまらない場合は、専門業者への連絡をおすすめします。
水漏れしている
給湯器からポタポタと水が漏れている場合、故障の可能性が考えられます。水漏れ箇所によっては、早めの対処を必要とする場合もあるため、専門業者に相談しましょう。
ただし、水抜き栓から水が出る現象は、故障でないケースもあります。水抜き栓は、給湯器内部の圧力を下げるために備わっている機能なので、水抜き栓からの水の排出は正常な動作です。とはいえ、頻繁に水が排出されている場合や、水の量が明らかに多い場合は、不具合の可能性が高いでしょう。
水抜き栓の位置は取扱説明書に記載されているため、確認してみてください。
異音がする
給湯器から、これまでに聞いたことのない音がする場合や、稼働音の大きさや頻度が明らかに増した場合は、故障の疑いがあります。
たとえば、「ピー」「ポー」「ボン」「シュー」「カタカタ(ガタガタ)」などの音がする場合は注意が必要です。これらの異音は、ファンモーターの異常や内部劣化、不完全燃焼やガス漏れなどによって起きている可能性があります。
異音を放っておくと、火災などの重大な事故につながる恐れがあるため、早めに専門家の点検・修理を受けることが賢明です。

給湯器が故障する主な原因
給湯器の故障は、突然発生する場合もあれば、日常的な使い方や環境によって引き起こされることもあります。ここでは、給湯器が故障する主な原因を4つ紹介します。
- 経年劣化
- 誤った使い方
- 凍結
- 給湯器の性能を超えた使い方
それぞれの原因を理解したうえで、日頃から適切な使い方を心がけることが、故障の予防につながります。
経年劣化
給湯器を長期間使用していると、経年劣化による不具合が起こりやすくなります。とくに、10年前後使用している給湯器に異常が出た場合は、経年劣化が原因の故障を疑いましょう。
経年劣化による故障を防ぐには、適切に給湯器を使用しつつ、10年を目安に交換を検討する事が重要です。適切なメンテナンスを行うことで、安心して使用できます。
誤った使い方
給湯器の誤った使い方も、故障の原因となります。たとえば、以下のような使い方は、不完全燃焼や火災による故障を招く恐れがあります。
- 給湯器の排気口をふさぐ
- 排気口周辺に燃えやすいものを置く
- 電源プラグにホコリがついたまま使用する
- 水漏れを放置して使用する
凍結
冬場は、給水・給湯配管が凍結することにより、配管内の水が膨張し、破裂することがあります。破裂した箇所から水漏れが発生すると、給湯器が故障する可能性があります。
凍結を防ぐためには、使用しない際には水抜き処理を行うなど、寒冷地における適切な対策を取ることが重要です。詳しい対策方法については、取扱説明書やメーカーのホームページを参照してみましょう。
給湯器の性能を超えた使い方
給湯器は、その号数によってお湯を出す能力が異なります。この性能を超えた使い方をすると、給湯器に負担がかかり、故障の原因となるのです。
たとえば、2人家族での使用が目安となる20号の給湯器を、4人家族で使用すると、過度な負担がかかりやすくなるでしょう。家族の人数や使用頻度に合わせて適切な号数の給湯器を選び、無理な使い方を避けることで、長期間安心して使用できます。
給湯器の故障を疑ったら
給湯器の故障を疑ったら、どこに相談し、どのように対応するべきでしょうか。ここでは、相談先の選び方や、修理か交換かの見極め方について解説します。
どこに相談する?
給湯器の故障を疑ったら、まずは保証期間内かどうかを確認してください。保証期間内であれば、メーカーや設置業者に相談することで、修理にかかるコストを抑えられる可能性があります。保証期間が過ぎている場合は、費用やサービス内容などを比較・検討し、相談先を選びましょう。
持ち家ではなく賃貸住宅にお住まいの場合は、まずは大家さんや管理会社に相談しましょう。賃貸住宅の修理代は貸主が負担することが一般的ですが、大家さんや管理会社に相談せずに業者に直接依頼をすると、費用の負担が必要になるケースもあります。
また、入居者の使い方が原因で故障した場合や、故障を疑いながらも使用し続けた場合は、入居者の負担となる可能性もあるので、注意が必要です。
修理 or 交換?
給湯器の故障が確認された場合、修理するのか、交換するのかを判断する必要があります。
故障が頻発するようであれば、修理を繰り返すよりも買い換えたほうが安く済む可能性があります。
とくに、給湯器を10年以上使用している場合は、経年劣化により故障しやすくなっているため、交換を検討するのがおすすめです。
新しい給湯器に交換することで、省エネ性が向上し、光熱費の削減につながる可能性もあります。

まとめ
ここでは、給湯器の故障を確かめる方法と、よく見られる症状、主な原因について解説しました。
給湯器に異常を感じたら、適切に行動することで、故障の悪化を防ぎ、修理費用を抑えることができます。普段から給湯器の状態に注意を払い、異常を感じたらすぐに専門家に相談することが重要です。
給湯器の修理や交換が必要な際は、東京ガスにご相談ください。豊富な経験と知識をもつプロフェッショナルが、お客さまの給湯器のトラブルに対応いたします。お客さまの給湯器を安全に、そして長く使っていただけるように東京ガスがサポートします。
