• トップ
  • お金の記事
  • 家族信託で兄弟間のトラブルを避けるためには?対策について詳しく解説

家族信託で兄弟間のトラブルを避けるためには?対策について詳しく解説

2024.04.30

家族信託は、委託者の大切な財産の運用・管理を受託者に託す制度であり、多くの場合には委託者(親)のお子様が受託者となります。親族以外の方に依頼することも可能ですが、委託者と受託者の間に強い信頼関係が必要になるでしょう。

ただし、親族や兄弟間で信託を組んだとしても、契約時の情報共有や内容の不備があると、将来的に予想もしなかったトラブルへ発展する恐れがあります。

この記事では、家族信託を巡って兄弟トラブルが発生してしまうケースと、トラブルを避けるための対策を解説します。

家族信託で兄弟トラブルが発生するケース

家族信託の契約時は、家族間で十分なすり合わせをしておかないと、委託者や受託者といった当事者に対して親族から反感を買いやすくなります。ここでは、家族信託における兄弟トラブルが発生するケースをご紹介します。

家族間での情報共有が十分にできていない

家族信託はその制度上、委託者と受託者との二者の合意で成立します。法律上は他の家族の同意が必要ないため、当事者だけで手続きを進めても問題はありません。

しかし、当事者でない親族の立場からすれば、財産管理について勝手に決められてしまうことで、不満を抱くかもしれません。たとえ受託者が計画的に財産管理を行なっていたとしても、ほかのご家族にとっては内情を知ることができず、不信感からトラブルにつながりやすくなります。

特定の人に権限が集中してしまうことを快く思わない

家族信託の契約では、受託者に多くの権限が集中します。資産の管理・運用はもちろんのこと、契約内容で定められていれば不動産などの売却・処分も可能です。こうした権限を所有者本人(=委託者)でない受託者が行使することで、親族から「不公平な扱いを受けている」と捉えられるケースもあるでしょう。

また、受託者が権利を乱用してしまい、本来の役割を果たさない可能性も考えられます。契約締結にあたって委託者の指図権をあらかじめ設定するなどして、受託者の権限をある程度まで制限することも検討する必要があります。

【監修者からひとこと】
指図権とは「必要に応じ、委託者が受託者に管理方法などについて指示できる権限」です。信託財産の管理・運用などについて経験の浅い方を受託者にする場合などに、管理者を段階的に移行する方法として設定されます。

自分で契約書の作成をしたが不備があった

家族信託の手続きは、インターネットなどで配布されている契約書の書式を活用して、自力で行うことも可能です。ただし、信託法や契約上の権利義務に関する専門的な知識が必要になるため、知識が不十分のまま作成した結果、将来的にトラブルへと発展する場合があるでしょう。

適切に手続きできなかったことで、兄弟や親族間に限らず、第三者とのあいだで家族信託を巡るトラブルにつながる事態も想定されます。

あるいは、適切な資産管理が目的だったにも関わらず、本来支払う必要のなかった税金が課されてしまい、家族信託のメリットを十分に感じられない結果にもなりかねません。

以下のページで後悔につながったケースを解説していますので、後悔がないよう家族信託を進めたい方はチェックしてみてください。

家族信託において兄弟間のトラブルを避けるための対策

家族信託における兄弟姉妹間のトラブルを防ぐには、専門家に相談するほか専用のサービスを活用するという選択肢があります。その際も、当事者とほかの親族のあいだで認識の齟齬が生まれないよう、事前にきちんと話し合い契約内容をすり合わせておくことが大切です。

ここからは、家族信託における兄弟間のトラブルを避けるための対策を確認していきましょう。

家族信託に詳しい専門家への相談・サービスの活用

家族信託の契約にあたっては、民法・信託法・税法など専門的な知識が必要になります。とくに、信託財産が多いときや複数の資産を扱おうとする場合は、手続きが煩雑になりがちです。

当事者のみで信託契約を進めても法律上の問題はありませんが、手続きの負担と後々のトラブルを避けるためには、専門家への依頼や専用サービスの活用も検討してみましょう。

東京ガスと提携している家族信託サービス「ファミトラ」では、弁護士が監修した独自の信託組成システムを活用し、家族信託の支援を行なっております。費用負担を抑えて家族信託を行うサービスを提供しています。

家族信託をどこに相談すべきか迷っている方は、こちらのページも参考にしてみてください。

親族間できちんと話し合う

家族信託の契約は、委託者と受託者の二者間のみでも締結できますが、信託財産に関係がある親族の方々ときちんと連携をとっておくことが重要です。委託者から見て将来の相続人となる人(受託者など)だけでなく、生活や介護に関わる方とも契約に関する共通認識を持ち、全員が納得できる状況にしておきましょう。

受託者が1人の場合、その方に財産管理・運用の権限が集中します。不平不満を生じさせないためにも話し合いをし、関係がある親族全員から家族信託の目的や進め方について理解と承諾を得ておくのがベターです。

話し合いが難航しそうな場合は、信頼のできる専門家などにサポートを依頼できないか相談してみるのも選択肢の一つです。

信託監督人・受益者代理人を設置する

家族信託では、信託監督人や受益者代理人を設定できます。信託事務が目的に沿った形で行われているか監督をする立場となるのが信託監督人であり、受益者に健康不安が出た場合などの備えとして設定するのが受益者代理人です。

ご家族や親族の方を信託監督人として設定するほか、弁護士や司法書士などにこれらの役割を任せることで、より専門性を高めて公平性を保ちやすくなります。ただし、未成年や家族信託の受託者は、信託監督人に設定できません。

信託監督人と受益者代理人のいずれも、受託者が適切に財産を管理・運用しているかをチェックしてくれるため、トラブルの発生を防ぐ効果が期待できるでしょう。

【監修者からひとこと】
弁護士や司法書士などの資格を持つ第三者が、監督人などとして続けて契約をサポートする場合、報酬が継続的に発生するのが一般的です。継続的に士業から支援を受けたいときは、費用もしっかりチェックしましょう。

第二受託者を設定する

信託財産を管理する受託者は必ずしも1人に絞る必要はなく、第二受託者も設定できます

複数の受託者を設定したうえで、同時に信託事務を担ってもらう契約とすれば、財産管理の責任や運用の負担を減らせるでしょう。一方で、仕組みが煩雑になったり、意思決定の判断が遅くなったりなどのデメリットには注意が必要です。

複数の受託者が共同で家族信託に取り組むことを想定する場合、どちらかを第二受託者として契約内容に盛り込むと良いでしょう。

第二受託者は通常、第一受託者が亡くなり信託業務の遂行が困難になったケースなどにおいて、信託受託権が引き継がれる立場です。契約締結後は受託者の相談相手として、受託者が亡くなった場合などは引き継ぎ役として、お互いの意思を尊重しながらスムーズに信託事務を進める手段になります。

家族信託は専門家に相談してトラブルを防ごう

家族信託の契約では、委託者である親御様と信頼関係のあるお子様を受託者とするのが一般的です。しかし、権限が集中することで不平不満が生まれて兄弟間でのトラブルに発展してしまう可能性があります。親族のあいだでの情報共有不足や、契約内容の不備がトラブルの主な原因です。

家族信託を円満に進めるためには、当事者以外の親族も含めて十分に話し合い、将来的な懸念事項にも対策を講じておく必要があるでしょう。このとき、専門家のサポートを受けることで話し合いがスムーズに進みやすくなるほか、契約内容の不備も防ぐことが可能です。

東京ガスと提携している家族信託支援サービス「ファミトラ」では、弁護士や司法書士をはじめとした専門家がチームとなり、家族信託のご利用から契約締結後までをサポートしています。家族信託を行うにあたって不安がある方は、以下のページをチェックしてみてください。

遠藤 秋乃

執筆者

遠藤 秋乃
司法書士/行政書士/ライター

大学卒業後、メガバンクの融資部門での勤務2年を経て不動産会社へ転職。
転職後、2015年~2016年にかけて、司法書士試験・行政書士試験に合格。
2017年に退社後フリーライターへ転身し、現在も活動中。
培ってきた知識や相続準備に悩む顧客の相談に200件以上対応した経験をもとに、原稿執筆を行う。

SNS:https://twitter.com/akino_endo

  • この記事をシェアする
  • Facebookアイコン
  • LINEアイコン
  • Twitterアイコン
マンション無料買取査定!

東京ガスなら提携の買取会社から
最短1日でお電話で 査定価格を
ご連絡します。

今すぐ査定を申し込む
買取サービスについて詳しく見る

関連記事を読む