マンションに売り時はあるの?高く売れるタイミングを解説

2023.06.20

住み替えなどでマンションの売却を考えるとき、なるべく高く売りたいとは思うものの、具体的にはどうすればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。マンションを高く売るにはいくつかのポイントがあり、その一つが売り時の見極めです。

売り時を知っておけば、安く売りすぎて損をすることを防ぎ、いつまでも売れずに残ってしまうリスクを軽減できます。マンションが高く売れるタイミングとはどんなときなのか、詳しく見ていきましょう。

マンションの売り時はどう決まる?

マンションの売り時はどう決まる?
マンションの売り時を判断するには、マンション自体が持つ条件や周辺の環境、さらに社会の状況なども考慮する必要があります。また、1年の中の時期も、売り時に関係します。売り時を見極めるには、さまざまな観点から多角的に見ていく必要があります。

マンション自体の条件

マンション自体の条件
では、マンション自体の条件から判断できる売り時はいつなのか、具体的に見ていきましょう。

大規模修繕が行われたとき

マンションはある程度の築年数が経つと、大規模修繕が行われることがあります。これは、月々の修繕積立金を充当して行われ、マンション全体の外壁や共用部分の階段、廊下などを新しくしたり、設備の不具合を修繕したりするものです。

大規模修繕により、マンション全体の外観や共用部分が改善され、物件の価値が上昇するほか、見た目が新しくなり、購入希望者の印象もアップします。築年数が多少古くても、マイナス面がある程度解消されたタイミングとなるので、売却を検討するタイミングの一つと言えるでしょう。

競合する物件が出ていないとき

周囲に競合する物件が売りに出ていないときも売り時の一つです。同じマンション内から売却物件が出ているケースでは、立地や築年数といった条件が同様であるため購入希望者の選択肢が限られ、値下げ合戦のようなことになりかねません。できるだけ価格競争を避け、スムーズに売却したいなら、同じマンションから売りに出ている物件がなく、自分の物件に注目が集まりやすいときを狙いましょう。

売り出し状況をこまめにチェックしておくことをおすすめします。

周辺環境が便利になったとき

マンションの周辺環境に生活面で便利になるような変化があったときも売り時として有利な要素です。たとえば、生活に便利な大型商業施設が近くにオープンしたり、駅の新設や近くにバス停ができて交通アクセスの便が拡充されたりする場合などがあげられます。こうした変化が需要を高め、マンションの価値を上昇させる可能性があります。

購入後5年経過して税率が下がったとき

売り時には税金も深く関わってきます。マンションを売却して利益が出た場合には、譲渡所得税が発生しますが、この税率は物件を所有した期間によって変わってきます

購入後5年経過して税率が下がったとき

注…他に所得税額×2.1%=復興特別所得税がかかります
注…10年超所有軽減税率については、こちらをご確認ください

5年を超えると、税率が約半分近く下がっているのがわかります。つまり利益が見込めるマンションの場合、購入後5年が経過しているものは、売却を検討するタイミングの一つと考えてよいでしょう。

また、自宅の売却においては特例があり、居住期間が連続して5年以上で、売却後に別の自宅を購入する予定がある場合には売却益を最大3,000万円まで控除できる制度が利用できます。なお、所有期間がたとえ5年未満であっても一定の条件下で税金がかからない可能性もありますので、マンション売却に関する税金については、税理士などの専門家に相談しましょう。

築年数が10年未満のとき

マンションの築年数は、売り時を判断するうえで大きなポイントです。買主の心理からすれば、なるべくきれいで新しい物件を購入したいと思うのは当然でしょう。とくに築5年未満の物件は人気が高く、中古マンション価格も上昇しているため、新築物件とさほど差のない価格で売却できる場合もあります。マンションを高く売却したいのなら、築年数が浅いうちがよいでしょう。

ただし、住宅ローンは通常、長期間(たとえば20年から35年程度)にわたって返済されるため、所有期間が短ければローン返済の残高が多く残っている場合もあるので注意しましょう。

築10年未満のものは、経年による劣化もまだ少ないうえに価格も比較的手頃なため、買主側の需要は高くなっています。所有期間が5年を過ぎたものは売却時の譲渡取得税が軽減されますから、売る側にとっても売りやすくなる時期と言えるでしょう。

1年の中の時期

1年の中の時期
マンションの売り時には、1年の中の時期も関係します。マンション取引が活発になる時期は一般的には2〜3月と言われています。これは、進学や転勤を機に住み替えを検討する人が増えるためで、あくまで一般的な傾向ですがマンションの需要が高まる時期と言えるでしょう。

反対にマンション売買が比較的落ち着いている時期は、一般的に8月頃です。この時期は、休暇を取得したり、お盆を挟み家族で旅行や帰省をしたりする方も多いため、内覧や引越しを控える方が増え、売買取引は停滞しがちです。あくまで一般的な傾向ではありますが、覚えておいてください。

社会の状況

社会の状況
マンションの相場は、世の中の経済状況に大きく左右されます。それはつまり、社会的な出来事の影響を受けやすいということです。

たとえば現在は世界的なインフレや新型コロナウイルスの影響による工場の稼働停止、輸送コストの増加などにより建築資材が高騰しているほか、都市部を中心に土地価格が上昇し、マンション素地の取得費用が高まっています。さらには低金利を背景とした富裕層による需要増などにより、新築マンションの価格が値上がりしているのです。同時に、住宅ローンの金利は低い水準を保ったままなので、一定の購入層は確保され、中古マンションは売れやすくなっています

しかし今後、金利の引き上げが実施されれば、住宅ローンの金利も上がる可能性が出てきます。仮にローン金利が上昇すると、返済額が増加し、購入者の負担が大きくなります。そうなると、今まで通りの価格ではマンションは売れなくなってしまう可能性もあるでしょう。
マンションの売り時を知るためには、こうした相場の状況をこまめにチェックしておくことが必要です。

売り時を逃したときの対処法

売り時を逃したときの対処法
こうした社会の状況にうまく乗り切れず、売り時を逃してしまったときはどうすればいいのでしょうか。あるいは需要の少ないエリアやアクセスが不便な立地だったり、すでに築年数がかなり経っていたりする場合の対処法も知っておきたいですよね。

売り時を逃してしまったマンションは、買い手がつくまでに時間がかかります。仲介業者を介した一般的なマンションの販売期間は、物件の立地、条件、市場状況などによって大きく変わりますが、だいたい5か月が平均とされています。ただ、なかなか売れない場合には、さらに数か月単位で時間がかかることも珍しくありません。先の予定が決まっていて早く売却してしまいたくても、どれだけの期間がかかるかわからない状況でじっと待つのは大変です。

「買取」という選択肢

そんなときは、買取を検討してみてはいかがでしょうか。買取では、買取業者が直接マンションを買い取るため、スピーディーに売却を完了できます。さらに買取は、業者が自らリフォームやリノベーションをして再販売するので、一般的に不人気な物件でも買い取ってもらえる可能性があります

買取のメリット・デメリットについては以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。

最後に

最後に
マンションの売り時を判断するには、社会の状況やマンション自体の条件を複合的に考え合わせる必要があります。マンションの売却は人生のなかで何度も経験することではありませんが、大きな金額が動きます。また、実際の売却の際にはさまざまな制限が関わってくることもあります。

これまでご紹介してきたポイントを参考にしながら売り時を考えて、納得のいくマンション売却を実現してください。

中田 敏之

監修者

中田 敏之
不動産鑑定士/宅地建物取引士

三菱電機情報ネットワーク株式会社(現在の三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社)でエンジニアとして勤務し、その後一般財団法人日本不動産研究所で不動産鑑定・研究の職務に従事。その後、千葉市で株式会社中田不動産鑑定を開業し、代表取締役に就任。主に首都圏を中心に不動産鑑定・研究業務に従事しています。

会社ホームページ:https://nakata-kantei.net/

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