ローン残債があってもマンションは売れる?対処法や税金について解説

2023.06.20

マンションの売却時に、住宅ローン残債があるケースも少なくありません。ローンが残っていても、マンションを売ることは可能です。ただし、ローン残債が売却見込み額を上回っているかどうかで、売り方は変わってきます。

ここでは、状況に応じたマンションの売却方法と多くの方が気になる税金について解説します。

ローンの残債によって売却方法が変わる

電卓のとなりに小銭が置かれた写真

マンションの売却方法は、ローン残債と売却見込み額の差分によって異なります。

「アンダーローン」と「オーバーローン」

ローン残債が売却見込み額を下回っている状態を「アンダーローン」といいます。たとえば、ローン残債が2,500万円あるのに対し、売却見込み額が3,000万円といったケースです。

逆に、ローン残債が3,000万円あるのに2,500万円でしか売れそうにないといったローン残債が売却見込み額を下回っている状態を「オーバーローン」といいます。オーバーローンのマンションは、売却した対価だけでローンを完済することはできません。

アンダーローンの場合

電卓の隣にお札が置かれた写真
アンダーローンのマンションは、売却による対価で住宅ローンが完済できます。売却金額を全額受領できるのは、一般的に売買契約から1〜2か月後に行われる残代金決済および物件引き渡しの日です。

売却金額を受領して住宅ローンを完済するとともに、抵当権抹消および所有権移転の登記も、同日に行われます。

オーバーローンの場合

電卓をたたく女性

マンションは、基本的に住宅ローンを完済しなければ売却できません。それは、ローンが残っているマンションに「抵当権」が設定されているからです。

抵当権とは、住宅ローンを融資している金融機関が持つ権利のことです。貸出先(債務者)のローン返済が滞ったときには、この抵当権を行使し、マンションを差し押さえ競売にかけて債権を回収できます。

厳密にいえば、抵当権がついていても売却自体は可能ですが、いつ差し押さえられるともわからない抵当権付きのマンションを購入する人はいないでしょう。そのため、次の3つのいずれかの方法でマンションを売る必要があります。

手持ち資金で返済

抵当権抹消の条件は、ローンの完済です。オーバーローンであっても、売却時に手持ち資金を充当し、ローンを完済できるのであればマンションは売却できます。

たとえば、ローン残債が3,000万円あるマンションが2,500万円でしか売れなかった場合にも、手持ち資金500万円を充当してローンを完済すれば抵当権が抹消できます。手持ち資金を充当する以外は、アンダーローンのマンションと同じ方法で売却可能です。

住み替えローン

「住み替えローン」という住宅ローンの一種を使うことも、オーバーローンのマンションを売却する方法の一つです。

住み替えローンとは、住み替え前の家のローン残債と新居のローンをまとめられるローンを指します。たとえば、ローン残債が3,000万円あるマンションが2,500万円でしか売れない場合、原則的には差分である500万円を手持ち資金から充当しなければ、マンションは売却できません。

しかし、住み替えローンなら、残った債務500万円と新居のローンをまとめられます。たとえば、新居の金額が2,000万円だとすれば、残った債務500万円と合わせて2,500万円を融資してもらえるということです。抵当権がつくのは、新居に対してのみ。住み替え前の住まいの抵当権は抹消されるため、売却が可能となるのです。

ただし、住み替えローンを提供している金融機関は限定的であり、融資審査や金利などの条件も一般的な住宅ローンと比較して厳しい傾向にあり、必ず利用できるという保証はありません。また、一般的に住み替え前の家の売却と新居の購入を同日に合わせる必要もあるので、注意しましょう。

任意売却

下記のような状況でマンションを売却する手段は「任意売却」に限られます。

  • ローン残債と売却金額の差分を充当するための手持ち資金がない
  • 住み替え先を購入しない
  • 住み替えローンの審査が通らない
  • 住宅ローンを滞納して、強制的に売却をする「競売」にかけられることになってしまった

任意売却とは、不動産を売却してもローンの残債を完済できないときに、金融機関の合意を得て売却することです。

原則的にローンを完済しなければ抵当権は抹消されませんが、任意売却ではローンの完済なしに抵当権を抹消してもらえます。

任意売却であれば、金融機関との交渉のうえ無理のない返済計画を立てることができます。ただ、金融機関の理解や協力が不可欠であり、売却を担当する不動産会社や担当者にも、任意売却の経験やスキルも必要です。

税金の計算方法 負担が軽減されることも

建物とお札
住宅ローン残債があるオーバーローンの自宅マンションを売却し、損失が生じた場合、損益通算および繰越控除が受けられる可能性があります。この特例を「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」といいます。

損益通算および繰越控除とは?

損益通算とは、利益と損失の相殺を指します。同特例の場合、マンションの売却で生じた損失と売却した年の給与所得や事業所得を相殺できます。さらに、損益通算で控除しきれなかった分については、翌年以後3年間にわたって繰り越して控除が可能です。

計算例

たとえば、マンションの売却で500万円の損失が出たとしましょう。その年の給与所得が300万円であれば、所得はゼロとみなされ税金が戻ってきます。さらに、その年だけで控除しきれない200万円は、翌年の給与所得から控除できます。

適用要件

この特例が受けられる条件は以下の通りです。

  • 自分が住んでいるマイホームを住まなくなった日から3年後の年末までに売却
  • 売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えている
  • 売却したマンションの売買契約日の前日において償還期間10年以上の住宅ローン残高がある
  • 売却金額が住宅ローン残高を下回っている

ローン残債がある場合はしっかり考えて売却を

青空の下の高層ビル
住宅ローンが残っているとマンション売却は難しいのではと感じるかもしれませんが、これまで紹介してきた方法であれば、ローン残債があるマンションも売却できる可能性が高まります。

しかし、基本的には、住宅ローンの完済がマンション売却の条件です。また、マンションの売却にあたっては、不動産会社へ払う仲介手数料といった諸費用も必要になることがあります。まずは、今の自身の状況がオーバーローンなのかアンダーローンなのかを確認し、かかる諸費用も踏まえて適切な方法で売却するようにしましょう。

草野 芳史

監修者

草野 芳史
ファイナンシャルプランナーCFP(R)/住宅ローンアドバイザー/宅地建物取引士/金城学院大学非常勤講師

建設業界歴20年以上の、建築に精通した住宅専門ファイナンシャルプランナー。住宅購入者の味方として、資金計画・住宅ローン、物件・住宅会社選びや建物検査、さらに入居後のライフプランまで一貫して、マイホーム購入を成功に導く専門家。「本当の意味で住宅購入者の味方でありたい」との想いから、住宅や保険、ローンなどの商品を売らないファイナンシャルプランナーとして名古屋駅前に家計とマイホーム相談室を設立。「安心してお得に理想の家が実現した」と喜びの声が多数寄せられる。売り手主導で“クレーム産業”と呼ばれる住宅・不動産業界の体質を変え、買い手主導の家づくりを世に広めるべく、奮闘中。

会社ホームページ:https://my-home-fp.com/

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