マンション売却に必要な書類と準備しておいたほうが良い書類について解説

2024.06.03

マンション売却には、媒介契約、売買契約、引き渡しなど、さまざまな場面で多くの書類が必要になります。そのため、初めてマンションを売却する方にとっては、難しく感じられる点も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、マンション売却に必要な書類の種類と、各書類の役割について解説したうえで、必要書類を揃えるためのポイントも紹介しています。

なお、不動産の査定(マンションを含む)時に必要な書類に関しては、以下の記事で詳細をご紹介するので、あわせてご参照ください。

マンション売却に必要な書類

マンション売却をスムーズに進めるためには、用意するべき書類を事前に確認しておくことが重要です。必要書類がないと、売却が遅れたり、最悪の場合、売却自体ができないこともあります。

下表は、マンション売却に必要な書類や、利用タイミングなどをまとめたものです。

書類名 概要 利用タイミング 入手方法
身分証明書 売主の身分を証明するもの(運転免許証・マイナンバーカード) ・媒介
・売買契約締結時
・引き渡し時
登記識別通知書・登記済証 不動産の所有者であることを証明する書類 ・媒介
・売買契約時
・引き渡し時
所持済み(現在のマンションを購入した際に交付済み)
住宅ローン返済予定書/残高証明書 住宅ローン残高がいくらあるのかを確認する書類 ・媒介契約時
・引き渡し時
ローン契約時に金融機関から提供される・窓口で再発行も可能
マンションの管理規約 マンションの管理規約について解説する書類 ・媒介契約時 ・マンション購入時に受取済み
※紛失時は再発行の申請
重要事項調査報告書 マンションに関するさまざまな状態についての報告書 ・媒介契約時 ・管理会社から発行してもらう
実印・印鑑証明書 重要な契約を結ぶ際に必要な印鑑
また、それが本物の印鑑なのか証明する書類
・売買契約時 印鑑証明書:役所、コンビニで発行
実印:実印規格に合わせたものを作成
付帯設備表・物件状況報告書 マンションの中の設備の状態について記載した書類 ・売買契約時 ・不動産会社が用意し、売主が記入
固定資産税評価証明書・
固定資産税/都市計画税納税通知書
マンションを起因とする納税額について記載した書類 ・売買契約時
・引き渡し時
4月~6月頃に自宅まで郵送される
役所で有料で入手可能
不動産会社に委託することもできる
住民票 住民に関する記録 ・引き渡し時 ・役所・コンビニなどで発行
抵当権抹消用の書類・登記簿謄本 抵当権を抹消するための手続きに必要になる
登記簿謄本は抵当権の抹消の確認のために必要
・引き渡し時
(登記簿謄本)
・銀行・法務局で用意
預金通帳のコピー 買主に対して振込先を提示するために必要 ・引き渡し時 ・口座情報がわかる面をコピーする

身分証

マンション売却には身分証による本人確認が必須です。身分証として使用できる書類としては以下のようなものが挙げられます。

  • 運転免許証
  • 健康保険証
  • マイナンバーカード
  • パスポート など

身分証は、媒介契約や売買契約時に、不動産会社に提示します。また、引き渡しの際には、司法書士にも提示しなければなりませんする必要があります。

登記識別情報通知書・登記済証

登記識別情報や登記済証は、所有者が物件の正当な権利を持っていることを証明する書類です。媒介契約、売買契約、そして引き渡し時に、所有者確認のため必要です。なお、2005年以降、従来の紙の権利書は12桁の登記識別情報に変わりました。

登記識別情報や登記済証は、紛失した場合は再発行できません。その場合は、司法書士などが作成する「本人確認情報」によって所有権の証明が求められます。ただし費用がかかるため、紛失しないよう、しっかりと保管することが大切です。

住宅ローン返済予定書/残高証明書

マンション売却時、住宅ローン残債がある場合は、銀行から提供される住宅ローン返済予定書や残高証明書が必須となります。

返済予定書にはローンの返済計画が、残高証明書には基準日の口座残高が記載されております。売却におけるローンの残債務を明らかにし、抵当権がないことを示すために必要です。売却の初期段階である媒介契約時のほか、引き渡し時にも提出を求められることがあります。

ローンの残債が売却価格を上回る恐れがある場合、これらの書類が金融機関の売却承認の鍵を握るため、早めに準備しておくことが賢明です。

マンション管理規約

マンション管理規約は、マンションを円滑に使用するためのルールが記された書類です。不動産会社や購入希望者がマンションについて理解するために必要です。

マンション管理規約は一般的に、マンション購入時に売主や管理会社から提供されます。紛失した場合は、管理会社に連絡して再発行を依頼することが可能です。

重要事項調査報告書

重要事項調査報告書は、購入希望者にとって不可欠な情報を提供する書類です。具体的には、物件の詳細な情報、管理費や修繕積立金の額、共有設備の使用方法、部屋の規則などが記載されています。

管理会社から入手し、媒介契約を結ぶ際に不動産会社に提出しましょう。この書類があることで、購入者希望者は安心して取引に進むことができます。

実印・印鑑証明書

実印は売買契約の際に、印鑑証明書は所有権移転登記の際に、それぞれ必要です。なお、印鑑証明書は引き渡しから3ヶ月以内に発行されたものでなければいけません。

印鑑証明書は役所や一部コンビニで発行可能です。発行には手数料のほか、印鑑登録証またはマイナンバーカードが必要です。

また、マンションが共有名義の場合、全名義人の実印と印鑑証明が必要となるため、事前に揃えておくようにしましょう。

付帯設備表・物件状況報告書

付帯設備表と物件状況報告書は、設備や物件の状態について記した書類で、売買契約の際に必要な書類です。これらの書類は不動産会社が用意し、売主が内容を記載します。

付帯設備表には、マンション内にある各種設備の有無や、不具合などについて記載したものです。たとえばエアコンや便座など、売却時に残される設備についての詳細が記されます。

物件状況報告書は、物件自体やその周辺環境の具体的な状況や問題点を記録したものです。書類(書式)は不動産会社が用意してくれますが、記載は売り主が対応します。

【監修者からひとこと】
物件状況確認書は、マンションの欠陥(物件状況)を記載した書面で、物件の売買契約時に必要になります。雨漏りや建物の瑕疵、給排水の漏水などを確認し、引渡し後のトラブルを防ぎます。

固定資産税評価証明書・固定資産税/都市計画税納税通知書

固定資産税評価証明書と固定資産税/都市計画税納税通知書は、マンションの固定資産税と都市計画税の額を通知し、売却価格の設定に必要な評価額を示す書類です。売却において財務面の透明性を保証する役割を持ち、売買契約時や引き渡しの際には、買主や司法書士に提出する必要があります。

これらの書類は、毎年4月~6月頃に、マンションの所有者に届けられます。また、役所で数百円の手数料を支払って入手することも可能です。委任状があれば、不動産会社を通じての代行入手もできます。

住民票

住民票は、マンションの所有権移転登記において現住所を証明するために必須の書類です。引き渡し時に必要となり、登記簿上の住所と現住所が異なる場合の住所変更証明に用いられます。住民票の取得は、役所の窓口、郵送、またはコンビニでの発行が可能で、約300円の手数料が必要です。

また、複数回の引越し歴がある場合、戸籍附票(引越し履歴を含む)の提出が求められます。戸籍附票も住民票と同様の方法で入手でき、住所変更の全履歴を確認することが可能です。

抵当権抹消用の書類・登記簿謄本

マンションを売却するためには、売却予定のマンションにかけられていた抵当権を抹消する必要があります。抵当権抹消の手続きは、関連する書類を集めたうえで自分で行うことも可能ですが、司法書士に一任することも可能です。

抵当権の抹消が済んだら、それを証明するための登記簿謄本を取得しましょう。登記簿謄本は取引の最終段階である引き渡し時に提出する必要があります。

【監修者からひとこと】
登記簿謄本を紛失してしまった場合、法務局で再発行できます。しかし、必ずしもご自身で取得する必要はありません。多くの場合、不動産会社も謄本を取得できますので、まずは不動産会社にご相談ください。

預金通帳のコピー

預金通帳のコピーは、買主に振込先を伝えるために必要です。銀行名、口座番号、口座名義人が記載されているものを用意しましょう。

マンション売却時に準備しておいた方がよい書類

ここまで、マンションの売却に必須の書類を紹介してきました。しかし、必須の書類以外にも、売却を成功させるためには用意しておいたほうが良い書類があります。ここでは、用意しておいた方が良い書類について、以下の2つに分けて紹介していきます。

  • マンションの状態に関する書類
  • 既存住宅売買瑕疵保険の証明書

それぞれ見ていきましょう。

マンションの状態に関する書類

買主に対して物件の魅力と実態を正確に伝えるため、マンションの状態に関する書類を用意しておくといいでしょう。以下の書類は、買主募集資料の作成や媒介契約時、および引き渡し時の有効な情報源となります。

概要 役割 入手方法
マンション分譲時のパンフレット 間取り図を作成する際に参考となる マンション購入時に入手済み
※紛失市た場合には管理会社に発行してもらう
長期修繕計画書・理事会の議事録 マンションのルールについて管理規約より補訴求する書類 マンション購入時に入手済み
※紛失した場合には管理会社に発行してもらう
リフォーム状況がわかる資料 リフォームを行っている場合にはその状態を表せる資料があるとよい リフォーム時に入手済み
※紛失した場合には管理会社に発行してもらう
建物状況調査書 マンションの建物の劣化情報に関する書類で住宅に関する調査結果が記載されている 調査を実施している場合には入手済み
耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書 耐震性能、アスベスト使用に関する調査書類(管理会社からもらった場合に限られる) 管理会社から発行済み
【監修者からひとこと】
長期修繕計画表は、将来の修繕工事内容や費用を予測する上で重要な資料です。長期修繕計画表に基づき、修繕工事時期や費用を把握することで、適切な売却タイミングや価格設定が可能となります。

既存住宅売買瑕疵保険の証明書

既存住宅売買瑕疵保険の証明書は、売却後に隠れた物件の不具合が発覚した際、修繕費用をカバーするための保険です。この書類を用意することで売却価格の向上につながり、買主にとっても安心材料となります。

マンション売却時の必要書類を揃える際のポイント

ここでは、マンション売却に必要な書類を集める際のポイントを2点紹介します。

なるべく多くの書類を用意する

必須書類はもちろん、それ以外の書類もできるだけ多く用意しておくと、より良い条件での売却に繋がりやすくなります。

購入希望者は、たくさんの情報を参考にして、購入する物件を選定します。多くの書類を用意できていれば、買主募集の段階から提供できる情報量も増え、売却プロセスを有利に進めやすくなるでしょう。

不動産会社と連携しながら進める

マンション売却は、不動産会社と密に連携を取りながら進めることが重要です。

書類を揃える際にも、不動産会社は、必要な書類の取得タイミングや取り扱い方、物件ごとに追加で用意するべき書類などについて、有用なアドバイスを提供してくるでしょう。

必要な書類を準備してマンション売却を進めよう

マンションの売却の際に用意するべき書類は多岐にわたります。

また、マンション売却には書類の準備だけではなく、買主募集や物件の清掃、内覧対応、各種手続きなど、多くの手間を必要とするため、負担に感じてしまうことも少なくありません。

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松元 健太郎

執筆者

松元 健太郎
宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/ライター

宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・ファイナンシャルプランナー2級を保有。 不動産会社に勤務し、退職後、不動産ライターとして独立。 法人で不動産賃貸経営も行い、不動産の現場で得た経験・知識を活かし、ライターとして活動中。

ホームページ:https://xn--lsv228akxb.com/

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