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持ち家の住み替えで起こりがちな失敗事例と対応策!後悔のない住み替えのためにすべきこと

2023.09.28

今まで住んでいた持ち家を手放し、新たに購入した家に住み替える際、不動産の売却・購入をほとんど同じタイミングで行うため、資金計画や売買のタイミングの調整などが難しく、失敗のリスクが高まります。後悔のない住み替えをするためには、必要な知識を持ち、適切に準備する必要があります。

本記事では、住み替えの前に知っておきたい、よくある失敗事例とその対応策を紹介します。

住み替えの失敗事例1.想定した金額で売れず、資金繰りに困った


住み替えで多い失敗事例の1つに、今の住まいが想定していた価格で売れないケースがあります。売却して得たお金を新居の購入や住み替えの諸費用に充てようと考えていた場合、住み替え計画全体の見直しを余儀なくされる恐れもあるでしょう。

対応策1:想定価格の精度を上げる

「想定した金額で売れなかった」という失敗をしてしまう要因の一つに、想定していた売却価格の精度の低さがあげられます。「今の住まいがいくらで売れるか」は、新居の予算や住み替えの可否にも関わってくる重要な要素です。想定価格の精度を上げるためには、複数の不動産会社に査定依頼をして、相場をしっかりと把握することが大切です。

対応策2:「売り先行」での住み替えを検討する

住み替えの手順は、次の2つに大別されます。

  • 売り先行:今の住まいを売却してから新居を購入する
  • 買い先行:新居を購入してから今の住まいを売却する

買い先行の住み替えでは、今の住まいがいくらで売れるかわからない中で新居を購入するため、今の住まいが想定した金額で売れなかった場合に、新居の予算を下げるといった対応策が取りにくくなってしまいます。

一方、売り先行の住み替えは、今の住まいを売却してから新居を購入するため、資金計画どおりの住み替えがしやすくなります。

ただし、今の住まいを売ってから新居を購入するまでの間に仮の住まいを用意する必要があるなどデメリットもあります。買い先行と売り先行のそれぞれのメリット・デメリットは、以下の記事で詳しく解説しているので、確認してみてください。

対応策3:住まいの価値をしっかり伝える

購入希望者が安心して購入できるよう、きちんと住まいの価値を伝えることも、対応策の一つです。具体的な対応策としては、次のようなものが考えられます。

  • インスペクションを実施する
  • 第三者機関による建物検査で、物件の状況を希望者に開示し、安心して購入してもらえるようにする

  • 既存住宅売買瑕疵(かし)保険に加入する
  • 売買後に瑕疵(=欠陥)が見つかった場合に加入事業者に対して保険金が支払われる瑕疵保険へ加入し、安心して購入してもらえるようにする。保険の対象は基礎や壁など構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分など。保険加入には売買前の検査が必要なため、売主の同意が求められる

  • ハウスクリーニングする
  • 掃除のプロに家中あるいは水まわりなどの清掃を依頼し、状態を確認しやすくする

  • ホームステージングする
  • 室内を家具、照明、小物などを活用してモデルルームのように演出し、良いイメージを持ってもらう

ただし、これらの対応には一定の費用がかかります。買い手のニーズ以上の投資をしてしまうと、かけた費用が無駄となってしまう可能性もあるため、売却を依頼する不動産会社に相談しながら対策を講じていきましょう。

住み替えの失敗事例2.売買のタイミングが合わず負担が大きくなった

先に記載したとおり、住み替えの手段は「売り先行」「買い先行」に大別されますが、いずれも意図するタイミングで売却や購入ができるとは限りません。売却と購入のタイミングが合わせられないことで、以下のような事態が生じてしまう可能性があります。

新居の購入を先行し、旧居の売却活動を始めたがなかなか成約にいたらない。ローン返済や管理費・修繕積立金、固定資産税などが2軒分かかる期間が長引き、家計を圧迫した。
買い先行で住み替えを進めようと思っていたが、新居がなかなか決まらない。そんななか、今の住まいが先に売れてしまい、意図せず仮住まいへの転居を余儀なくされた。
売り先行で住み替えを進めていたが、住み替え先が一向に決まらない。仮住まいの期間が長期化し、家賃の負担や不便な生活のストレスから新居選びに妥協せざるを得なくなってしまった。

対応策1:購入と売却のタイミングを合わせるための調整をする

上記のような失敗は「購入」と「売却」という2つの不動産取引のタイミングのズレが要因です。下に書いてあるようなコツを押さえて、新居の購入と今の住まいの引き渡しをできる限り同じタイミングに近づけることができれば、一時的な費用負担や仮住まいによる精神的負担を軽減できます。

状況に合わせて片方の取引の速度を速めるため、業者に直接買い取ってもらう売却方法「不動産買取」を活用することも有効です。

<売買のタイミングを合わせるコツ>

買い先行

  • 反響を見ながら徐々に売り出し価格を落としていく
  • 売却をスピーディに行うために「不動産買取」による売却を検討する

 

売り先行

  • 購入したい物件の条件・優先順位をあらかじめ決めておき検討期間を短くする
  • 新居探しの内覧など購入に向けた手続きを売却前から進めておく

対応策2:買取保証・つなぎ融資など、タイミングを合わせられなかった場合の資金計画を考えておく

不動産売買は相手がいる取引であるため、タイミングが合わせられなかったときの対応策を考えておくことも大切です。

2つのタイミングの差を埋めるためには、次のような保証や融資を受けるのも有効です。

  • 買取保証
  • つなぎ融資

買取保証とは、一定期間内に売却できなかった場合に限り、不動産会社が買い取ってくれる保証です。期間は、不動産会社と相談して決めることになります。一定期間をおいて確実に売却できることから、買い先行の住み替えでも資金計画が立てやすくなるでしょう。

一方、つなぎ融資は、新居の購入と今の住まいの売却のタイムラグを埋めるための融資です。たとえば、新居を購入した2か月後に、今の住まいを売却するとすれば、その間の2か月だけつなぎ融資を受けます。

後悔のない住み替えのためにできる5つの事前準備


これまであげたような失敗事例を避けるには、事前準備が不可欠です。後悔のない住み替えとなるよう、次のような準備をしたうえで臨みましょう。

1.住み替えをする目的と優先順位を明確にする

子どもが独立してダウンサイジングを検討したり、老後の生活を考えて利便性の高い地域への住み替えを検討したり、住み替えの目的は人それぞれです。

それぞれの目的や個々人の価値観、資産状況によって、優先順位は変わってきます。満足のいく住み替えをするには、今の住まいの査定額やローン残債、自己資金などの状況、かけられる労力を把握したうえで、住み替えの目的や優先順位を家族で話し合っておくことが大切です。

2.自分に合った住み替え方法を選択する

目的や優先順位が明確になったら、続いて住み替えの手段を考えてみましょう。

たとえば、今の住まいの売却時期や売却価格次第で新居の条件が変わってくる状況にあるのであれば、売却に時間をかけられる売り先行で検討してみましょう。一方、資金的に余裕があり、新居に求めることが多い場合は、買い先行でゆっくりと新居を探すのもひとつの選択肢です。

自らの状況を加味したうえで、どの方法が自分に最適なのかを考えて選択しましょう。

3.資金計画を入念に立てる

住み替え時には、売却と購入の2つの大きな金額を扱う取引をほぼ同時に進行させなければならないため、入念な資金計画が不可欠です。

とくに、新居の購入費用は今の住まいを売却した費用で賄うのか、新たにローンを組む必要があるのかなど、自身の経済状況を把握したうえで計画を立てる必要があります。新たにローンを組む際は、売買時点の状況だけでなく、長期に渡り無理なく返済が続けていけるかシミュレーションしたうえで借入額を決めるようにしましょう。

また、住み替えでは「売り先行」「買い先行」のどちらにするかによって、かかる費用が変わってきます。不動産売買で共通してかかる費用のほか、想定しておくべき費用には次のものがあります。

売り先行の場合

  • 仮住まい期間の家賃
  • 仮住まい先への引越し費用
  • 仮住まい先に入らない家具や家電の一時預かりサービス使用料金

買い先行の場合

  • 今の住まいが売れるまでのローン返済
  • 今の住まいが売れるまでの維持・管理にかかる費用

4.予定通りにいかなかったときの対応について考えておく

住み替え計画を立てる際には、ローン審査に通らなかったり、売却がうまく進まなかったりすることも想定しておく必要があります。

たとえば、希望する金融機関のローンの審査が通らなかった場合に備え、別の金融機関によるローンもチェックしておくと安心です。また、今の住まいの買主が見つからなかった場合に備え、不動産買取についても調べておくと良いでしょう。

5.信頼できる専門家や業者に相談する

住み替えには大きなお金が動くだけでなく、手続きや売却・購入活動など対応すべきことも多いもの。加えて専門的な知識も必要であり、人生のうちにそう何度も経験することではないため、状況に応じて専門家や業者を頼ることも大切です。

不動産会社の助けが不可欠なのはもちろんのこと、場合によってはファイナンシャルプランナーや税理士、不動産鑑定士、司法書士など、それぞれの分野に精通した専門家にも相談し、満足のいく住み替えを目指しましょう。

失敗事例とその対応策を知って納得のいく住み替えを

住み替えの失敗は、事前の知識や準備が足りなかったり、想定通りにことが進まなかったりすることで起きてしまう場合がよくあります。

このような失敗を回避するには、あらかじめ複数の住み替え方法や売り方があることを知っておき、状況に合わせて柔軟な判断をしていく必要があります。

今回あげた失敗事例も参考にしたうえで、複数のシナリオを想定し、備えることが納得のいく住み替えをするポイントとなるでしょう。

中田 敏之

監修者

中田 敏之
不動産鑑定士/宅地建物取引士

三菱電機情報ネットワーク株式会社(現在の三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社)でエンジニアとして勤務し、その後一般財団法人日本不動産研究所で不動産鑑定・研究の職務に従事。その後、千葉市で株式会社中田不動産鑑定を開業し、代表取締役に就任。主に首都圏を中心に不動産鑑定・研究業務に従事しています。

会社ホームページ:https://nakata-kantei.net/

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