あなたのマンションが売れない理由は?必要な対策とともに紹介

2023.08.14

保有するマンションを売りに出したのに、買い手がつかないと不安が募るもの。「いつ売れるのだろう」と待つ時間は長く感じられるうえ、不動産は所有しているだけでお金がかかります。

長期間売れない場合、単純に価格を下げれば売れる可能性は上がりそうですが、それでは将来の資金計画に大きな影響が出てしまいます。

価格を下げる以外に対策はあるのか、冷静に状況を分析することで打開できる道も見えてきます。本記事では、仲介で売り出し中のマンションがなかなか売却できない要因とその対策について解説します。

あなたのマンションが売れない要因7つ

中古マンションが売れない要因には、さまざまなものがあります。まずはあなたのマンションがなぜ売れないのかを推測し、対策を考えてみましょう。

一般的な売れない要因としては、次の7つがあげられます。

1.価格が適正ではない
2.築年数が古い
3.立地条件が悪い
4.管理費や修繕積立金が割高
5.内見時の対応者の印象が良くなかった
6.市場のタイミングが良くない
7.売却を依頼している不動産会社に問題がある

以下で上記の中古マンションが売れない7つの要因と対策についてくわしく解説します。

1.価格が適正ではない

価格が適正ではない

マンションが売れない最初の要因として考えられるのは、「売出し価格が適正ではない」ことです。一般的に、マンションを含む不動産は、周辺相場に比べて価格が低いほうが売れやすくなります。

売却する側にもその後の資金計画があり、希望する売却価格を設定するのは当然のことです。しかし、この希望額が不動産価値とかけ離れていると、マンションが売れない大きな要因になります。

一般的に売出し開始から3ケ月ほど経って問い合わせがないようなら、価格設定が適切でない可能性が高いと考えられます。

価格が適正でない場合の対策

まずはあなたのマンションの売却相場を調べ、現在設定している価格と大きな乖離がないかを調べることが重要です。

たとえば、近隣の不動産会社のチラシ、ウェブサイトに掲載されている販売物件で、似た物件の価格を確認することでも大まかな相場は把握できます。また、不動産流通機構が運営・管理している不動産取引情報提供サイト「REINS Market Information」で実際の売却価格の動向を確認することも可能です。

ただし、売却価格を変更する場合には、その後の資金計画についても再検討が必要です。将来の生活設計にも影響が出る可能性があるため、慎重に判断しましょう。

2.築年数が古い

築年数が古い

築年数が古いマンションは、新築物件に比べて売れにくいという傾向は否めません。とくに古い物件で気になるのは、耐震基準です。1981年以前に建てられた物件は、新耐震基準を満たしていないため、中古市場では買い手がつきにくい傾向にあります。

古いマンションは設備面の古さも課題です。配管や配電設備の老朽化を原因とする機能面の問題は、一個人では対応が難しいのが現状です。また、以前よりも家庭で消費される電力量は増加しており、契約電力量を増やしたくても古い物件では対応できないケースもあります。

東日本不動産流通機構の調査によれば、2022年に成約にいたった中古マンションの平均築年数は23.33年で、10年連続で平均値は伸びています。これは、ある程度築年数の経過したマンションでも市場で売買されることが増えてきていることを示しています。

築年数が古い場合の対策

マンションの築年数や設備の老朽化に対して、個々の住人が対策を打つことは困難です。しかしもっとも大切なのは、その状況を売主がしっかりと把握して、それを買主に伝えることで納得して物件を購入してもらえるようにすることです。

たとえば、築年数の古さを加味した適正な価格設定を行うことももちろんですが、修繕履歴や今後の長期修繕計画を提示したり、場合によってはホームインスペクション(住宅診断)を実施したりすることも視野に入れると良いでしょう。

3.立地条件が悪い

立地条件が悪い

マンションの価値は「立地」によって大きく左右されます。一般的に立地とは、次の要素で評価されます。

交通アクセス
周辺施設
環境・治安の善し悪し
風水害リスクのあるエリアにあるかどうか
近隣に競合物件が多いかどうか

まず、交通アクセスについてですが、最寄り駅までの距離、最寄り駅の利便性、主要幹線道路へのアクセスなどが考慮されます。同じ駅近物件でも、駅の利便性(特急・急行の停車駅であるかなど)で差がつきます。

次に周辺施設ですが、学校や病院といった公共施設までの距離、商業施設の有無などがポイントです。

環境や治安に関しては、近くに騒音源がある、景観が悪い、繁華街に近すぎるなど、環境が悪いとされるケースも注意が必要です。購入したときとは環境が変化している可能性もあります。

そして、「風水害リスクのあるエリアかどうか」も重要な要素です。いまでは多くの自治体がハザードマップを公開しています。ハザードマップで災害の危険エリアに該当する場合は、物件の価値に影響します。

最後が「競合物件が多いかどうか」です。似た条件の売り物件が多いと、どうしても売れにくくなります。

立地条件が悪い場合の対策

マンションの立地は変更することができない要素です。周辺環境を確認し、類似物件の相場などを調査して価格設定を行うことが重要になります。とくに競合物件が多い場合は、自物件の優位な点をしっかりとアピールしていくことが大切です。

立地条件に恵まれていないマンションの売却は、時間を要することを覚悟しなければなりません。しかし、住み替えなどの事情もあり、限られた期間でマンションを処分したいケースもあります。そのような場合は、不動産買取業者の直接買取を利用することも検討してみましょう。

4.管理費や修繕積立金が割高

管理費や修繕積立金が割高

買主にとって、マンション購入後の管理費や修繕積立金は、ランニングコストとして大きな負担になります。管理費や修繕積立金が近隣の同等の物件と比較して高額な場合、候補から外れてしまう可能性があります。

管理費や修繕積立金は、マンションの維持・管理のために必要な費用です。物件ごとに規模や共用施設が異なるため、金額に差が生じるのは当然のことだといえます。

また、管理規約に定められていることもあり、一個人の住民が独自に変更することはできません。

管理費や修繕積立金が割高な場合の対策

大事なのは、管理費や修繕積立金額が適正水準であるかどうかです。参考になるのは、国土交通省が公表している『マンションの修繕積立金に関するガイドライン』です。

ガイドラインによれば、たとえば20階建て以下のマンションで総床面積が5,000~10,000平方メートルの物件の場合、1平方メートルあたり170~320円の修繕積立金が目安になるとされています。

その妥当性は、長期修繕計画とセットで検討されるべきものです。適切な管理状態にあり、長期修繕計画が策定され、実行されていることは、マンションの価値を高めてくれます。

管理費や修繕積立金が周辺の物件と比べて高額な場合は、現在の修繕積立金額や修繕履歴、修繕計画などを購入検討者に伝え、管理状況の良さをアピールすると良いでしょう。

5.内見時の印象が良くなかった

内見時の印象が良くなかった

物件の条件が悪くないにも関わらず、なぜか購入希望者の内見後に成約しないケースでありがちなのが、内見時の印象が良くなかったというケースです。主に内見時の「整理整頓・掃除」「売主の対応」が不十分であった場合などが影響してそのような印象を持たれてしまっていることがあります。

買主側にとって内見は、今後の生活をより良いものにするための判断をする大切な時間。決断には大きなお金と労力もかかります。普段は気にならないようなちょっとした部屋の汚れや、そっけないと感じる売主の対応などが気になってしまうこともあります。

内見時の印象が良くなかった場合の対策

整理整頓や掃除ができていなかった場合の対策として、内見が始まる前にハウスクリーニングを入れることなどが考えられます。どうしても室内の古さが目立つ場合は、リフォームをする方法もあります。しかし、最近では買主が購入後に自分好みにリフォームするニーズもあるので、不動産会社に事前に相談してみましょう。

また、内見者を迎え入れるホストとして、親切かつ丁寧な対応を意識することも大切です。想定される質問にスムーズに答えられるよう、事前に想定問答を練習しておくといった対策も有効です。

6.市場のタイミングが良くない

市場のタイミングがよくない

売却の成否を左右する要素の一つが市場のタイミングです。賃貸物件の取引に季節性があることは広く知られていますが、マンションの売買でも、売却件数が多い時期と少ない時期があります。

購入者のライフスタイルや需要の波も視野に入れて売り出すタイミングを見極めなければ、希望する期間内に買い手がつかない可能性があります。

タイミングがよくない場合の対策

不動産取引が多いのは、賃貸物件と同様、3月や10、11月の転勤シーズンです。しかし、マンションの売買物件は検討期間が長く、たとえば2月に売り出して3月に成約に至るとは限りません。

多くの方は、年度が変わるまでに引越しを済ませたいと考えています。3月中に物件の引き渡しを行うためには、2月までには売買契約を締結したいところです。そこから逆算すると、年始までには売り出しができる体制を整えておくことが大切です。

GWやお盆、年末年始など、多くの人が長期休暇を取る時期は、不動産市場も一時的に動きが鈍くなりますので、このような期間は、売り出したり、値下げしたりするのに良いタイミングとはいえません。

7.売却を依頼している不動産会社に問題がある

売却を依頼している不動産会社に問題がある

限られた期間でマンションを売却できるかどうかは、不動産会社や担当者の力量にも左右されることがあります。不動産会社によって得意とするエリアや物件の種別が異なるほか、営業力やネットワーク、価格設定力にも違いがあります。

自分に合う会社や担当者と巡り会えるかどうかも、マンション売却を成功させるうえで大切なポイントなのです。

売却を依頼している会社に問題がある場合の対策

マンションがなかなか売れない要因はたくさんあり、複雑に絡み合っているものです。そうした悩みにも真摯に向き合い、アドバイスや提案をしてくれる会社・担当者であれば、一緒に対策を講じていけるでしょう。

しかし、思うように買主が現れない場合、不動産会社に相談しても納得がいく説明や対策をしてくれない場合は、思い切って別の不動産会社への切り替えを検討しても良いでしょう。

あなたのマンションが売れない要因を考え、適切な対策を講じましょう

マンションの売却に関しては、売れない期間が長引けば長引くほど、売主にとって不利な状況になっていきます。マンション売却にはさまざまな要因が絡むため、どうしてもうまく行かない場合は「セカンドオピニオン」として専門家の意見を聞くことも大切です。本記事で取り上げた一般的な例を参考に、対策をしてみましょう。

中田 敏之

監修者

中田 敏之
不動産鑑定士/宅地建物取引士

三菱電機情報ネットワーク株式会社(現在の三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社)でエンジニアとして勤務し、その後一般財団法人日本不動産研究所で不動産鑑定・研究の職務に従事。その後、千葉市で株式会社中田不動産鑑定を開業し、代表取締役に就任。主に首都圏を中心に不動産鑑定・研究業務に従事しています。

会社ホームページ:https://nakata-kantei.net/

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