マンションの買取相場の調べ方|首都圏の相場も紹介

2023.06.27

不動産の売却には、仲介業者が物件の売主と買主をつなぎ、売買契約を成立させる「仲介」と、買取業者が直接物件を買い取る「買取」があります。

買取は一般の希望者の中から買主を探す手間がかからず、速やかに売却できる点が最大のメリットです。そんな買取の検討を進める場合、あらかじめ買取価格の相場を把握しておきたいですよね。ここでは、買取相場を調べる方法や首都圏の中古マンションの相場について紹介します。

買取価格は仲介による売却価格の7~8割程度

買取価格は仲介による売却価格の7〜8割程度

買取の場合、買取業者は買い取ったマンションに、リフォームなどを行ってから利益を確保して再販するため、買取で売主が得られる金額は、仲介を通した売却で得られる金額よりもやや低くなります。業者によって価格設定に差がありますが、仲介による売却価格の7~8割程度になるケースが多いようです。

不動産の物件情報サイトなどで一般的に示されている売却価格の相場は仲介の金額であり、買取の場合にはそれより低くなることに注意しましょう。

マンションの買取相場は調べられる?

マンションの買取相場は調べられる?

マンションの買取価格を自分で調べることはできるのでしょうか?
マンションの買取価格はエリアや築年数、経済状況、依頼する業者によって変動するので、買取価格そのものを調べることは難しいです。ただし、相場を把握することは可能です。

ここからは、マンションの一般的な買取相場を調べる方法について説明します。

不動産ポータルサイトを閲覧する

マンションの買取価格を知りたいときは、さまざまな不動産の情報がWeb上に公開されている不動産ポータルサイトで類似物件を調べるのが最も手軽な方法です。ただ、不動産ポータルサイトに掲載されている物件は、買取ではなく仲介を前提として売り出しをしている価格となります。また、あくまで売主の希望価格であり、実際にマンションが売れたときの成約価格と乖離するケースも少なくありません。
より正確に取引価格を把握するには、国土交通省が発表しているデータを参考にすることができます。

「土地総合情報システム」を活用する

マンションの市場価格を詳しく知りたい時、国土交通省のデータベースである「土地総合情報システム」を使うことができます。
土地総合情報システムという名前ですが、全国の土地(地価公示、都道府県地価調査)だけではなく中古マンションの四半期ごと取引価格を調べられます。
売却したいマンションの周辺エリアで抽出し、面積などの条件が類似している物件の取引事例を調べれば、相場価格のおおよその目安がわかるでしょう。

しかし、土地総合情報システムから得られる取引事例の情報からは、仲介か買取かの取引方法の区別がつかないという難点があります。
そのため、現状公開されているシステムで買取相場を正確に把握するのは難しいのが実状です。

仲介による売却価格の相場はこれまで説明したシステムで把握し、買取金額はその7~8割程度と考えましょう。より正確に価格を知りたい場合は、信頼できるマンション買取業者に相談するのがよいでしょう。

首都圏の中古マンションの買取相場(2022年度)

首都圏の中古マンションの買取相場(2022年度)

マンションの買取価格は、エリアや築年数などによって大きく異なりますが、参考までに2022年度の首都圏のマンション買取相場がどの程度なのか、1平方メートル当たりの単価と平均買取価格、平均面積を見ていきます。

なお、本データは不動産会社が物件情報をやり取りする「東日本レインズ(REINS)」を運営する東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2022年度)(PDF)」をもとにして、買取価格は仲介による売却価格の7割として計算しています。

【首都圏の中古マンション買取相場】

都県/地域 ㎡単価(万円) 平均買取価格(万円) 平均面積(㎡)
東京都 64.07 3,779 58.98
都区部 71.14 4,079 57.34
多摩 35.70 2,381 66.67
埼玉県 28.76 1,948 67.74
千葉県 25.35 1,855 73.17
神奈川県 37.32 2,474 66.28
横浜 川崎 41.20 2,710 65.76
神奈川 他 27.81 1,880 67.58

これを見ると、東京都のマンション価格が突出して高いことがわかります

以下のグラフは国土交通省が公表している不動産価格指数(住宅)です。

出典:「不動産価格指数 令和5年1月・第4四半期分」(令和5年4月28日)(PDF)|国土交通省

グラフからは、戸建住宅などに比べて、マンション価格が突出して上がっていることがわかります。また、2013年からアベノミクスと呼ばれる経済政策により日本銀行が大規模な金融緩和政策を行った影響などがあり、2023年現在に至る10年間、不動産市況は右肩上がりを続けています。

マンション価格は、さまざまな需要が絡み合って決まります。さらに、経済成長、低金利政策のほか、人口動態、建築費上昇などの背景も考慮して、売却する時期を決める必要があります

マンション買取は業者選びが大切

マンション買取は業者選びが大切

マンションの買取価格は業者によって異なることもあるので、自分で相場を把握しておくことは重要です。
買取価格は、仲介で売却する相場より低くなることもあります。売主が納得できるよう、丁寧な対応をしてくれるなど信頼できる業者を選ぶことが大切です。

マンションの買取の際の業者選びについては、次の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。

中田 敏之

監修者

中田 敏之
不動産鑑定士/宅地建物取引士

三菱電機情報ネットワーク株式会社(現在の三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社)でエンジニアとして勤務し、その後一般財団法人日本不動産研究所で不動産鑑定・研究の職務に従事。その後、千葉市で株式会社中田不動産鑑定を開業し、代表取締役に就任。主に首都圏を中心に不動産鑑定・研究業務に従事しています。

会社ホームページ:https://nakata-kantei.net/

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