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「マンション査定では何をチェックされるの?」
「有利な条件で売却するためのポイントは?」
マンションの売却を検討するにあたって、上記のような疑問を抱く方も多いでしょう。
そこでこの記事では、マンション査定の注意点について、依頼時、訪問時、査定後の各タイミングごとの注意点を解説していきます。
■この記事でわかること
- マンション査定の依頼時の注意点がわかる
- マンション査定の訪問時の注意点がわかる時の注意点がわかる
- マンション査定後の注意点がわかる
マンション査定の依頼時における注意点
マンションの査定時における注意点は、大きく分けて4つあります。
- 目的にあった査定方法を選ぶ
- 複数の不動産会社に依頼する
- 不動産会社に検討状況を伝える
- 相場や見られるポイントを把握しておく
それぞれ解説します。
目的にあった査定方法を選ぶ
マンション査定の方法には、簡易査定(机上査定)、AI査定、訪問査定(本査定)の3種類があります。下表は、それぞれの方法の特徴をまとめたものです。
査定の種類 | 所要時間 | 査定精度 | 特徴 |
---|---|---|---|
簡易査定 (机上査定※) |
◯ | ◯ | ・マンションの情報や近隣の取引事例をもとに机上で査定をする方法 ・不動産会社の担当者に会わずに査定結果がわかる |
AI査定 | ◎ | ◯ | ・マンションの情報をもとに、AIが自動的に査定をする方法 ・査定精度が簡易査定よりやや劣る |
訪問査定 (本査定) |
△ | ◎ | ・不動産会社の担当者が実際に室内を見て査定をする方法 ・プロ目線で不動産のプラスポイントがわかる ・営業担当者との日程調整が必要 |
※簡易査定は、机上査定のほか卓上査定とも言われます
現状、そこまで正確な査定金額が必要でない場合や個人情報を入力したくない場合は、簡易査定やAI査定が適しています。
しかし、実際に売却する際は訪問査定が必要になるため、なるべく早く売却に取りかかりたい場合は、はじめから訪問査定を依頼するのがおすすめです。それぞれの違いを理解したうえで、目的に沿った査定方法を選びましょう。
複数の不動産会社に依頼する
マンション査定は複数の不動産会社に依頼するのがおすすめです。1社だけに査定を依頼してしまうと、相場が分からず、その査定額が正確なものなのか判断できないためです。
マンション売却の方法には、不動産会社が買主を探す「仲介」と、不動産会社が買主になる「買取」の2種類があります。
「仲介」を行う不動産会社のなかには、依頼を受けるために、相場よりも高い査定額を提示する会社も存在しています。しかし仲介において、査定額は実際の売却価格ではなく、「これくらいの金額で売却できそう」という評価にすぎません。実際に割高な価格で売り出したところで買主を見つけることは難しく、結果的に値下げを余儀なくされたり、売却までに時間がかかったりして、損をしてしまうケースもあります。
そのため、仲介でのマンション売却を成功させるためには、相場の範囲内に収まる査定額かどうかが、不動産会社を選ぶポイントのひとつになるのです。複数の不動産会社から査定結果を提示してもらうことで、大まかな相場価格を判断できます。
ただし、仲介ではなく、不動産会社が買主となる「買取」を検討する際は、査定額がそのまま売却価格となります。少しでも高い価格を提示してくれる会社があれば、価格の理由を伺い、判断軸にしましょう。
不動産会社に検討状況を伝える
査定を依頼する際は、不動産会社に現在の状況を伝えるのが大切です。理由は以下の2つです。
- 売却スケジュールにあわせた提案が受けられる
- 不動産会社へのマナー
不動産会社による査定は、単に不動産の価値を算出したものではありません。3ヶ月以内に確実に売らなければならない場合と、半年〜1年以内に売れれば良い場合の価格設定は異なります。売却の目的を達成するための提案を受けるためにも、検討状況の共有が大切です。
また査定の結果、現在は売却を進めないと判断した場合は、その旨を伝えておきましょう。不動産会社にとっては、無料の査定であっても事業の一環であるため、検討状況はしっかりと伝えておくのがマナーです。検討状況を伝えないと、問い合わせのメールや電話が繰り返し寄せられる可能性があります。
相場や見られるポイントを把握する
マンションの査定を依頼する際は、事前に相場や見られるポイントを把握しておきましょう。
近隣の相場を把握することで、査定価格が相場と乖離していないかを判断できます。悪質な不動産会社を見抜けるため、不利な条件で売却する事態を避けられるでしょう。
相場を調べるおすすめの方法は以下のとおりです。
- 不動産ポータルサイトで調べる
- レインズマーケットインフォメーションで調べる
- 土地総合情報システムで調べる
- 路線価・固定資産税評価額から調べる
路線価は財産評価基準書|国税庁、固定資産税評価額は管轄の役所(東京23区の場合は都税事務所)で発行してもらえます。
なお、査定時にチェックされるポイントは以下のとおりです。
- 築年数
- リフォーム履歴
- 間取り
- 日当たり
- 部屋の位置
- 管理状況
- 周辺環境
- 立地
- 駐車場の充実度 など
リフォームをしたことがある方は、いつどのようなリフォームをしたかがわかる書類を用意することで、査定結果に反映されます。
マンションの訪問査定・本査定における注意点
マンションの訪問査定(本査定)における注意点は、以下のとおりです。
- 査定に必要な書類をできる限りそろえておく
- 最低限の掃除・片付けをする
- 故障箇所や不具合箇所をまとめておく
それぞれ解説します。
査定に必要な書類をできる限りそろえておく
査定に必要な書類をそろえておくことで、より正確な査定価格が算出できます。
具体的には以下のような書類です。
- 登記事項証明書
- 登記済権利証
- 間取り図
- リフォーム書類(リフォームをした場合)
- マンション管理規約
- 長期修繕計画書
- 総会の議事録
- マンション管理に係る重要事項調査報告書 など
とくに重要なのが、総会の議事録や重要事項調査報告書、長期修繕計画書などのマンションの管理に関する書類です。
これらがあると大規模修繕工事の有無やマンション内でのトラブル、管理費や修繕積立金の額など、さまざまなことがわかります。
「マンションは管理を買え」という言葉があるほど、管理状況は購入判断において重要なポイントです。管理状況が明確な不動産ほど、査定結果にも妥当性が生まれ、買主から選ばれやすくなります。
最低限の掃除・片付けをする
査定を依頼する際は、最低限の掃除・片付けは行いましょう。部屋が散らかっていたり汚れていたりしても査定額に大きく影響することはありませんが、営業担当社に与える心証は良くありません。
また、売却活動を開始し、実際に購入検討者が内覧に来る際には、掃除・片付けを徹底しましょう。購入判断において、第一印象は大きな影響を与えます。
部屋が汚れているとリフォームが必要と判断され、価格交渉を受ける恐れもあります。掃除や換気を徹底して、良い印象を与えられるようにしましょう。
故障箇所や不具合箇所をまとめておく
故障箇所や不具合箇所は、事前に不動産会社の担当者に共有しておく必要があります。
マンションの売買契約時には、現在のマンションの状態や設備の状況を示す「物件状況等報告書」や「設備表」を作成しますが、引き渡し後にこれらに記載されていない不備などが見つかった場合、「契約不適合責任」に問われる恐れがあるためです。
代金が減額されたり、損害賠償請求を請求されたりすることがないよう、故障箇所や不具合箇所は必ず共有しておきましょう。
マンション査定後の注意点
マンション査定後の注意点は以下のとおりです。
- 査定の根拠をしっかり把握する
- 無理のある資金計画で進めない
- 適切な売り出し価格を設定する
- これまでの内容を元に信頼できる不動産会社を選ぶ
それぞれ見ていきましょう。
査定の根拠をしっかり把握する
マンションの査定価格は、不動産会社によって異なります。
売却を依頼する不動産会社を選ぶ際、査定価格が高い不動産会社に魅力を感じるかもしれませんが、価格だけで決めるのはおすすめできません。前述のとおり、マンション査定の査定額は実際の売却価格ではなく、売却見込み価格にすぎないためです。
不動産会社のなかには、売却依頼を受けるために実際の価格よりも高く提示する悪質な会社も存在します。このような会社に依頼すると、売却期間の長期化や値下げにより、売却の目的が達成できない恐れもあります。
不動産会社を選ぶ際は、価格だけでなく価格の根拠や各社のサービス内容、営業担当者との相性を踏まえて判断しましょう。
無理のある資金計画で進めない
マンション売却は資金計画が重要です。マンションの売却を検討している方は、マンションを売却する目的があるはずです。買い替えや老後資産の確保など、目的を達成できるだけの資金が手元に残るかをしっかりと試算しましょう。
とくに現在住宅ローンが残っている方は、売却時に住宅ローンを完済しなければいけません。マンションの売却価格がローンの残債を下回ると自己資金による手出しが発生します。
売却にかかる諸費用やローン、税金を踏まえて、いくら手元に残るのかを試算しましょう。
適切な売り出し価格を設定する
売り出し価格とは、マンションを売却する際に設定する価格です。
売り出し価格を決めるのは売主であるため、「査定価格=売り出し価格」ではありません。不動産会社から提示された査定価格と、資金計画をもとに売り出し価格を設定しましょう。
売り出し価格を低く設定し過ぎると高値売却の機会損失になりますし、高く設定し過ぎると売れ残ってしまう恐れがあるため、相場を意識した価格設定が大切です。
これまでの内容をもとに信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産会社選びは、マンション売却の成否を左右する要素です。不動産会社によって独自のサービスは異なりますし、抱えている購入検討者の数や層も異なります。
できる限りスムーズに売却するためにも、ご自身のマンションを検討している顧客がいるかどうかをヒアリングしてみるのがおすすめです。
最終的にはこれまでの内容をもとに、信頼できる不動産会社を選びましょう。
まとめ
マンション査定の種類や注意点について解説しました。
マンション査定には、簡易査定(机上査定)とAI査定、訪問査定の3つの方法があるため、検討状況に応じて使い分けるのがおすすめです。
また、相場価格を把握するためにも、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。相場に合った価格で販売に出すことで、スムーズな売却が期待できます。
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