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60代で首都圏から移り住んでわかった静岡市の魅力と移住のコツ<50代、60代の移住マニュアル>

2024.02.09

「地方移住に興味はあるけれど、どのエリアを候補地に選べば良いのか。どのように進めれば良いのか…」。そんな悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。​
本記事では、実際に地方移住をされた方の体験談や、準備しておいてよかったことを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

前回の​​​​静岡市の移住支援担当者へのインタビューに続き、今回は首都圏へのアクセスが良く、自然と街のバランスも取れている自治体、静岡市へ移住した早苗孝一さんにお話を聞きました。

50代、60代で暮らしを見直し、理想のセカンドライフを目指している方に向けて、​​自身も移住経験者である筆者が、​​​​移住を検討する際のポイントをお伝えします。

<インタビューに協力くださった移住者さま>

早苗孝一さん

早苗孝一さん(69歳)
2023年10月に埼玉県さいたま市から静岡県静岡市に移住。持ち家を手放し、現在は賃貸アパート暮らし。仕事では公務員として長年働いたのち、日本茶インストラクターとしてお茶の啓蒙活動に取り組む。その他の趣味は写真撮影や旅行など。

移住のきっかけは趣味の「お茶」

静岡市への移住者・早苗孝一さん
関東圏から静岡市へ引っ越し、移住生活を満喫されている早苗孝一さん

――静岡市にはいつ移住されたのですか。

2023年10月です。以前は埼玉県さいたま市に住んでいて、今回の移住まで、埼玉県以外で暮らしたことはありませんでした。

――当時、お仕事はどんなことをされていましたか。

「日本茶インストラクター」という資格を生かして、埼玉県内の小学校や公共施設などで「美味しい日本茶の淹れ方」を中心として食育活動を行い、各地方の茶生産者の方々と各種イベントに参加させていただくなどして日本茶の普及に努めてきました。

――移住を考え始めた時期を教えてください。

最初に移住を考えたのは、実は30年以上前のことです。その頃は写真を撮るのが趣味だったので、三脚を担いで長野県や山梨県、東北6県を1人でぐるぐる回っていました。写真撮影をもっと楽しめる、自分が本当に住みたい場所はどこだろう、と探していたんです。

しかし、「ここだ」という場所を見つける前に、2人暮らしだった母親の介護のためになかなか自由に動けない状況となり、そのまましばらく移住のことは忘れていました。

――では、静岡市への移住のきっかけは何だったのでしょうか。

2023年3月に、静岡市のお茶仲間と10年ぶりに再会したことです。そのときに「静岡市はとっても良いところだよ」という話をされ、「静岡といえばお茶だ」とパッと頭によぎり、趣味でもあるお茶の産地に住んでみたいと思いまして、移住を検討してみることにしました。

静岡県の茶畑
静岡県は日本一のお茶どころ。静岡市にも多くの茶畑がある

移住までの流れは?住まい探しは?

――2023年3月の検討開始から同年10月の移住まで、かなり短い期間で進められていますね。どんな手順をふまれたのでしょうか。

本当にトントン拍子で決まりました。

まず最初は、静岡市の移住に関する情報が手元にまったくなかったので、東京都・有楽町にあるふるさと回帰支援センターで話を聞きました。そこで静岡市役所の移住コンシェルジュの方を紹介してもらい、支援制度なども案内していただきました。

5月に静岡市役所を訪ねて現地での案内を受けてからは、移住コンシェルジュの方のご尽力により、どんどん具体的なことが決まっていきました。

――実際の暮らしを知るために、ほかにはどんなことをされましたか。

6月と8月に「静岡市お試し住宅」を利用しました。これは情報収集にとても役立ちました。

滞在期間中に、市役所の方の案内で街歩きをしたり、静岡市防災マップ(ハザードマップ)をもとにして住みたい地域を歩いてみたり。「実際にここで暮らせるだろうか」と想像しながら、居住地の候補を絞っていきました。

早苗さんと移住コンシェルジュの淺羽さん
早苗さん(左)と実際に移住をサポートされた「移住コンシェルジュ」の淺羽さん(右)

――実際に静岡市の街を歩いてみて、どう感じましたか。

思っていたよりも街並みがきれいで、清潔感があると感じました。さらに陽気の良い日が多いことに加えて、大きな空と海、おいしい海産物、そしてもちろんお茶があります。「これだけあればばっちり」という感じでした。

――早い段階で静岡市役所の移住支援担当の方と繋がったため具体化が進んだのですね。最後の決め手は何だったのでしょうか。

1人で街を歩き回る中で、以前に日本茶インストラクターの仕事で訪れた場所に偶然たどり着いたんです。そこは「やぶきた」という国産のお茶の原樹がある場所でした。

この再会にご縁を感じたことも、静岡市への移住を決めた理由の一つですね。静岡の地に呼ばれているような気がして、すんなりと移住に踏み切れました。

――お住まいはどのように探されたのでしょう。

移住コンシェルジュの方から案内された不動産会社を通して探しました。埼玉県では大型のマンションで暮らしていましたが、集合住宅独特の閉塞感のようなものもあり、のびのびした生活に憧れていました。「月や星がよく見えるところが良いな」と考えながら探していましたね。

エリアは自分で調べて定めていたので、スムーズに条件に合う賃貸アパートを見つけて入居できました。

――どんな場所にあるお住まいに決められたのですか。

自宅の前はひらけていて見通しが良く、日当たりが良い場所です。静かではありますが、少し歩けば街なので、おいしいお店があちこちにあって便利です。お気に入りのパン屋さんも見つけました。車に乗らないので移動手段は徒歩と自転車ですが、埼玉での生活よりも便利になってしまい、ちょっとドキドキしています。

――想像以上に住みやすい地域だったわけですね。

移住前に自分で街を歩き回ったのが良かったのだと思います。重視したのは、住まいそのものよりも環境だったので。現地を歩いて生活の利便性や交通面の問題を細かく確認していたことが、良い結果に繋がりました。

静岡市の市街地の様子
静岡市は自然が豊かなうえ、市街地は栄えており交通の便も良い

――かなりスムーズに進んだようですが、移住に際して苦労したポイントはありますか。

あえて言うと、さいたま市にあった自宅のマンションの売却でしょうか。8月に地元の不動産会社で売却のための手続きを行ったのですが、「売却が決まるまでに、3か月〜半年はかかりますよ」と言われていました。もしそうなると、静岡市に移住するタイミングにかなりずれが生じてしまいます。

ですが幸運なことに、売却の申し込みをしてから1か月で売却が決まったんです。本当にラッキーでした。

――移住の初期資金についても問題はありませんでしたか。

問題なかったです。ある程度準備はしていましたが、思っていた予算の半分もかかりませんでした。住居購入やリフォームをしないなら、初期資金は100万円〜200万円もあれば問題ない印象です。

移住ライターが解説!住まい・移住資金で苦労しやすいポイントは?
「移住したら古民家に住みたい」「一軒家を購入して広々生活したい」という夢をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
住宅の購入はもちろん、暮らすために必要な最低限のリフォームにも数百万円単位の費用が必要になる場合が多くあります。また持ち家、特に古民家ではメンテナンスのためにも中長期的にまとまった費用がかかってきます。
ご自身で物件を見比べることはもちろん、同じような環境で暮らしている地元の方に具体的な相場感を聞くなどして、ご自身の移住計画に無理がないか、冷静に確認することをおすすめします!

移住後の仕事や人との付き合いは?

――日本茶インストラクターのお仕事は静岡市でもされる予定ですか。

そうですね。今はお休みしていますが、2024年中に動き出そうと考えています。これまでやってきたことを静岡市でも継続してやろうと思っているので、特に仕事の心配はしていません。近くに公民館があるので、そちらと連携して活動をスタートしていきたいと思っています。

まだ知り合いがほとんどいないので手探りにはなりますが、人脈を広げつつ進めていきたいです。

――移住されてまだ数か月ですが、お茶関係のお知り合いはできましたか。

はい、つい半月ほど前に、たまたま見つけて入った和紅茶のお店でのことです。お茶をいただきながらオーナーの方と1時間くらい話し込んでしまいまして。静岡で紅茶を製造されている方との共通の繋がりもあり、お茶が取り持つ縁を感じました。そんなふうに、少しずつお付き合いが広がっていけば良いなと思っています。

静岡市への移住者・早苗さん
移住ライターが解説!移住後の仕事探し・就業で苦労しやすいポイントは?
早苗さんは個人事業主(自営業)でしたが、そうでない方のなかには、移住に合わせて転職をされる方もいるかもしれません。
その場合、地域によっては都市圏と違い、求人数や業種、職種が限られてしまうことも考えられます。
焦らないためにも、移住を決める前に積極的に転職活動も進め、現地の情報を集めることが重要です。
職種などにもよりますが、居住場所を問わないリモートワークでの求人も探してみると良いかもしれません。

静岡市に移住して良かったのは「気候と人の良さ」

――実際に生活してみて感じる静岡市の良さを教えてください。

気候が良いことです。それから暮らしている方の人柄がとってものんびりとしていて、穏やかな表情ですし、ギスギスしていなくて良いなと思いますね。

一番驚いたのは、車のドライバーさんのマナーが良いことです。皆さん優しい笑顔で、徒歩で横断歩道を横切る私に「どうぞどうぞ」と渡らせてくれるんです。気持ちにゆとりがあるんでしょうか。

静岡市に来て私自身も気持ちに余裕が出たせいか、なんと体重が2キロ以上増えました(笑)。名産品のみかんはおいしくて、いつでも家に置いてあります。

――静岡市での生活を楽しまれていますね。

移住して良かったなと思っています。このままこの先も静岡で落ち着くのではないかなと。「こんなに良いところがあるんだな」と、感動しています。

――静岡市に移住してみて、イメージと違ったことはありますか。

先ほどもお話ししましたが、期待していたよりもとても便利な街でした。思っていたほど不便さは感じられません(笑)。

移住ライターが解説!移住でよくあるギャップとは?
暮らしてみないとなかなか実感できず、ギャップを感じやすいのは、「気候」ではないでしょうか。
静岡市のように穏やかな気候の地域であれば問題ないかもしれませんが、寒い地域や雪が多く降る地域、台風に悩まされる地域などでは、想像していなかったことが起こるかもしれません。
冷暖房設備や移動手段など、暮らすために必要なインフラも気候によって変わってくるはずです。
「こんなはずではなかった」とならないように、念入りに確認してくださいね。

移住を経験したからこそわかった、検討するうえで大事なこと

――早苗さんが思う、移住を検討するときに大事なことは何でしょう。

一番大切なのは、「自分がこれからどういうふうに暮らしていくのか」というビジョンだと思います。移住した後も生活は続いていくものですから、はっきりとしたビジョンがないと、将来が不安になったり、生活が楽しめなくなってしまったりする気がします。

静岡市への移住者・早苗さん

――ご自身が移住前の生活の中で、移住を見据えて準備をされていたことはありましたか。

移住を考えると、やっぱり「仕事をどうするか」が頭に浮かびますよね。なので趣味と実益を兼ねた仕事をしようとは考えていました。私の場合はお茶ですね。
たとえば知り合いだと、家具を作っている人もいます。手に職をつけるというか、「何があってもいいように」という気持ちで、何にでも挑戦してみようと、いろいろな体験をするのがいいと思います。

――最後に、早苗さんのように地方移住を考えられている50〜60代の方に伝えたいことはありますか。

ぜひ自分なりの楽しみを見つけて、移住生活をしていただきたいです。楽しいのが一番だと思います。

移住は十人十色。自分に合った移住には情報収集が欠かせない

2回の記事を通して、静岡市役所で移住を支援されている皆さん、実際に静岡市に移住された早苗孝一さんのお話を紹介しました。

どんな地域で、どんな生活をしたいかという理想によって、移住の仕方は十人十色ではありますが、検討を進める際に「生活環境」「住まい」「仕事」「資金」がポイントになるのは共通です。そのためには、しっかりと現地で情報収集することが欠かせません。

そして早苗さんが決め手になったと話された通り、「地域とのご縁」も大事な点。自分の興味関心はもちろん、地域と繋いでくれた方、移住コンシェルジュの方など、人とのご縁も移住における重要な要素だと感じるインタビューでした。


船崎 桜

執筆者

船崎 桜
ライター/地域おこし協力隊

埼玉県出身。大学卒業後、新聞記者として厚生労働省や東日本大震災の取材を6年間経験。IT企業広報を経て、2021年に滋賀県長浜市へ移住。地域おこし協力隊(移住促進PR担当)として、移住者8人のチーム「イカハッチンプロダクション」で雑誌づくりなどに取り組む。暮らしているのは限界集落の築150年超古民家。炭焼きとDIYにも挑戦中。

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