• トップ
  • 住まいの記事
  • 査定価格に影響する3つのポイントとは?マンション査定の流れと注意点を解説!

査定価格に影響する3つのポイントとは?マンション査定の流れと注意点を解説!

2023.08.21

マンション売却において、どうしても気になるのが「いったいいくらで売れるのか」ということ。さまざまな方法で相場を知ることができても、より実際の売却価格に近い金額を早い段階で知っておきたいというのが本音でしょう。

そこで、大切なのが「査定」です。査定では、実際に売却対象となるマンションの売却価格を算出します。

しかし、「不動産会社に査定を依頼する」という第一歩に不安を感じる方も少なくありません。「査定をお願いしたら、その不動産会社に売らなければならないのではないか」「すぐに営業の方が来て、話が進んでしまうのではないか」。そんな不安もあるでしょう。

まずは査定の種類や流れを知ることが大切です。ここではマンション査定の基本的な流れと、スムーズに進めるための注意点、査定価格(査定額)に影響する3つのポイントについて解説します。

自分のマンションの価値を知る「マンション査定」とは

自分のマンションの価値を知る「マンション査定」とは

「査定」とは、マンションを売却するにあたって、不動産会社などに所有する物件の売却価格を算出してもらうことを言います。査定には簡易査定(机上査定)訪問査定の2種類があり、それぞれ方法が異なります。

査定の申込みは一括査定サイトなどを利用して、インターネット上から複数の不動産会社へ依頼する方法のほか、特定の不動産会社へ直接連絡して依頼する方法があります。なお、マンション査定は仲介、買取どちらの場合も基本的に同じ流れで行われます。

以下に2種類の査定の内容を解説します。

簡易査定(机上査定)

不動産の種類や立地、周辺環境、築年数などの基本情報を基に、売却価格の目安を算出する方法です。書類の提出は少なく、不動産会社にもよりますが一般的に申し込み当日~3日程度で査定結果がわかります。

しかし、簡易査定の価格は周辺相場、過去の取引実績などをもとに算出した数値であり、実際の物件や特性(リフォームの有無、日当たりなど)などは考慮されていません。そのため、簡易査定の結果は、実際の売却額とずれることも多く、あくまで参考程度だと考えたほうが良いでしょう。

訪問査定

不動産会社や不動産鑑定士が物件に訪れて、内外装の状態や周辺環境を確認して、売却価格を算出する方法です。査定結果は一般的に1週間から10日程度を要しますが、簡易査定よりも正確な査定価格が算出できます。

マンションを売却することが既に決まっているのなら、訪問査定を早めに行うと良いでしょう。マンション売却価格と乖離が少なくなるので、より詳細な資金計画を立てることができます。

マンション査定の流れ

マンション査定の流れ

次に、一般的なマンション査定を行う流れを解説します。

STEP1:簡易査定(机上査定)を依頼

まずは、不動産会社に簡易査定を依頼します。簡易査定はインターネットなどから簡単に依頼できます。簡易査定の価格は訪問査定のような正確さはありませんが、自分の物件がどの程度の価格なのか、おおまかな目安は把握できるので、相場を掴むための方法として有効です。

STEP2:不動産会社に訪問査定を依頼

簡易査定である程度の相場を把握できたら、より正確な価格を算出するため、不動産会社へ訪問査定の依頼をしましょう。仲介の場合は訪問査定で算出された売却価格が実際の売却価格に大きく影響します。簡易査定で印象が良かった、あるいは査定価格が高かった会社も含めて複数社依頼したうえで比較検討しましょう。

査定をお願いする会社を選ぶ際には、過去のマンション売却の実績の豊富さを確認することも大切です。

STEP3:訪問査定の実施

訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に物件を調査します。調査の際には担当者からの質問にできるだけ正確に答えられるように準備しておく必要があります。

たとえば、雨漏りの発生や設備の不具合の有無、リフォーム・修繕の実施履歴などが査定結果に影響する質問もあるので、前もって確認しておきましょう。なお、正確な査定にあたり、訪問査定依頼先には「登記簿謄本(登記事項証明書)」「固定資産税納税通知書」「間取り図」などの提出書類が複数あるため、事前の準備も必要です。なにを事前に用意しておくかについては、不動産会社に確認しておくか、場合によっては資料を送っておけば査定がスムーズに進む可能性があります。

STEP4:査定結果の提示

訪問査定の結果がわかるまで、大体1週間から10日程度かかります。査定結果やその根拠は不動産会社の担当者に説明してもらうほうが良いでしょう。複数の会社に査定を依頼していれば、会社によっての注目点が異なるため、査定価格にも差が出ます。会社ごとに得意分野もありますので、比較してみましょう。

仲介の場合は、その査定価格を参考に、売主が価格を決定し、不動産会社を通じて購入希望者を募ります。買取査定の場合は、不動産会社が提示した価格で買い取ることとなるため、それ以上の変動はありません。

査定価格に影響する3つの条件

査定価格に影響する3つの条件
査定価格に影響する条件を大きく3つに分けて解説します。

条件1:マンションの状態

ひとつ目の条件はマンション全体の状態です。マンションの築年数、構造、導入している設備、セキュリティ、共用部分の状態などが影響します。

とくに築年数は売却価格に大きな影響を与えます。たとえば以下のグラフで首都圏の中古マンションの築年数ごとの売却価格の推移をみると、築年数が経過するにつれ、徐々に価格が下落していることがわかります。もちろん、地域や立地条件、リフォームや設備更新、維持管理の状態などによって異なるため一概には言えませんが、築年数が20年を超えたあたりから、平均価格の下がり方が加速する傾向にあります。

東日本不動産流通機構「レインズ」「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」
出典:東日本不動産流通機構「レインズ」「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」

また、構造面も査定価格に影響します。マンションで用いられる構造は「鉄筋コンクリート造(RC造)」「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)」「鉄骨造(S造)」の3種類で、構造の種類によって建物の耐震性や耐火性、強度などに違いが生じます。一般的にもっとも資産価値の高い構造はSRC造、続いてRC造、S造の順番です。

これに加えて、維持管理の状態、築年数、立地、周辺環境など、ほかの多くの要素を総合的に考慮し、最終的な査定価格が決まります。

条件2:部屋の状態

二つ目の条件は部屋の状態です。なかでも査定価格に大きな影響を与えるのが、日当たりと間取りです。日当たりがもっとも良い南向きの部屋は高く評価され、反対に日当たりが悪い北向きの部屋は査定価格が低くなる傾向にあります。

間取りは基本的に広いほうが評価されますが、地域によっては4LDKよりも2LDKや3LDKの需要が高いことがあります。4LDKは広い分、価格も高くなりやすいほか、部屋数が多くても有効活用できないことも。そのため、同じマンションでも坪単価では2LDKや3LDKが4LDKを上回る可能性もあります。

また、仲介業者を通して売却する場合は、室内の破損・汚損状況も程度によっては査定に影響します。壁紙やフローリングの状態も影響するので、高く売却するためには修繕や清掃を適時行い、部屋を綺麗に保つことが大切です。一方買取で売却する場合は、買取業者が自らリフォームや修繕を行うため、こうした対応は不要です。

条件3:立地・周辺環境

三つ目は立地・周辺環境です。これはマンションの売却価格を決定するうえでもっとも重要な要素だといえるでしょう。

とくに最寄り駅への距離が近いことや、周辺に生活利便施設(コンビニやスーパー、学校、銀行、病院など)があることは、マンションの購入を決めるとき、多くの方が重視するポイントです。

そのため、立地条件の良いマンションは多少築年数が経過していても、査定価格が高くなりやすい傾向があります。

マンション査定の注意点

マンション査定の注意点
マンション査定を依頼する際の注意点を解説します。

売却相場を確認する

マンションの査定を依頼するときは、提示された査定結果が適正かどうか、自分である程度の判断ができるように、事前に売却相場を調べておくことが大切です。

マンションの価格相場を調べるにはさまざまな方法がありますが、簡単に調べたい場合は不動産ポータルサイトで同じ地域の類似物件の価格を調べる方法がおすすめです。不動産会社の店舗に貼ってある物件情報も参考になりますし、折込チラシも重要な情報源です。類似物件が見つかったら面積が異なる場合は、販売価格を専有面積で割り、平米当たりの単価を求めて計算すると価格のおおよその目安がわかります。

また、公示地価、基準地価、路線価といった公的な評価指標を用いる方法や、不動産取引価格情報検索(レインズ・マーケット・インフォメーション)」で取引事例を調べる方法もあります。

詳しい相場の調べ方については、下記記事も併せてご覧ください。

複数社に査定依頼する

マンションの簡易査定をする場合は、会社によって査定価格に差が出るため、正確な額を把握するうえで2、3社の査定結果を確認することをおすすめします。

最近では一括査定サイトなど、インターネット上で手続きをするだけでより多くの不動産会社から査定結果を受けられるサービスも増えています。しかし、あまり多くの会社に簡易査定をお願いしても対応しきれない事態にもなりかねません。

また、不動産会社にも得意、不得意があります。たとえばマンション専門、戸建て専門といった特定の種類の建物を専門分野としている会社があるので、会社のホームページなどから過去の実績などを見て判断するようにしましょう。

個人の判断でリフォームはしない

仲介での売却では、築年数が経過したマンションでも、部屋をリフォームすれば新築のような状態にできるため、査定価格が上がる場合もあります。しかし、個人の判断でリフォームするのはおすすめできません。

リフォームには大きな資金を必要としますが、どれだけの費用対効果が得られるかは、専門家でないと判断が難しいためです。もしリフォームを検討する場合は、事前に不動産会社や工務店などに相談するようにしましょう。

なお、買取業者に直接買取をしてもらう場合は、業者でリフォームや修繕を行うことが前提です。リフォームをしても買取価格には影響しないので、注意しましょう。

マンション訪問査定の注意点

マンション訪問査定の注意点
訪問査定のときには、簡易査定の注意点であげた内容とあわせて以下のポイントにも注意しましょう。訪問査定では、査定後の注意点も記載しています。

部屋を掃除する

訪問査定のときには、ある程度部屋を掃除しておくことをおすすめします。ただし、マンションの査定価格は立地や周辺環境、築年数など、ほとんどは所有者の努力で変えられない要素によって決まるため、著しく汚れているわけでなければそこまで気を遣う必要はありません。

査定の担当者が隅々まで部屋をチェックしやすいレベルであれば、手早く正確な査定を行ってもらえるメリットもあります。

設備の不調や破損箇所を把握する

設備の不調や破損箇所があると、査定価格が低くなる場合があります。しかし、こうした不具合は訪問査定を行っても、査定の担当者が気づかない可能性があるので、自分で状況を把握して説明することが大切です。

もし不具合に気づかないまま訪問査定が行われると、実際の売却価格と乖離が出てしまうリスクがあります。

【査定後】査定価格の根拠を確認する

査定価格が掲示されたら、その根拠を確認するようにしましょう。とくに周辺相場と大きな乖離がある場合は、何らかの理由があると考えられます。また、根拠を尋ねることで、不動産会社の対応力(知識量や誠実さ、相性など)を確認することもできるでしょう。

納得のいくマンション売却をするうえでは、信頼できる不動産会社に依頼できるかどうかも大切です。

まずはマンション査定をしてみましょう

まずはマンション査定をしてみましょう
ご自身が納得のいくかたちでマンション売却を進めるには、査定を上手に活用することが重要です。

しかし、「査定をお願いしたら、その会社で売却しなければならないのではないか」「不動産会社から電話がかかってきて大変そう」。査定に対し、このような印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。

そうはいっても、大きな金額が動くマンションの取引ですから、慎重になるのは当たり前。事前に不動産会社へ複数社に査定をお願いしていることを伝えたり、営業電話をかけてほしくないことを伝えたりしてもいいのです。

確かな会社であれば、そうした気持ちにも寄り添ったうえできっと要望を聞いてくれます。まずは査定を通してご自身のマンションの価値を確認し、信頼のできる不動産会社を探してみてはいかがでしょうか。

不動産会社の見極め方については、下記記事もあわせてご覧ください。

中田 敏之

監修者

中田 敏之
不動産鑑定士/宅地建物取引士

三菱電機情報ネットワーク株式会社(現在の三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社)でエンジニアとして勤務し、その後一般財団法人日本不動産研究所で不動産鑑定・研究の職務に従事。その後、千葉市で株式会社中田不動産鑑定を開業し、代表取締役に就任。主に首都圏を中心に不動産鑑定・研究業務に従事しています。

会社ホームページ:https://nakata-kantei.net/

※この記事に含まれる情報の利用は、お客さまの責任において行ってください。 本記事の情報は記事公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。詳しくは、「サイトポリシー」をご覧ください。
※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。
※個別事案については、専門家へのご相談をお勧めします。

  • この記事をシェアする
  • Facebookアイコン
  • LINEアイコン
  • Twitterアイコン
マンション無料買取査定!

東京ガスなら提携の買取会社から
最短1日でお電話で 査定価格を
ご連絡します。

今すぐ査定を申し込む
買取サービスについて詳しく見る

関連記事を読む