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在宅避難は、安全の確保や無理なく生活ができることを前提とした避難方法の一つです。
ここでは、在宅避難に必要なものを網羅的に紹介していきます。災害対策を行う際の参考にしてください。
在宅避難に必要なものリスト
在宅避難に向けて準備が必要なものは、「備蓄品」と「非常用持ち出し袋」の2種類に大別できます。
- 食料品
- 飲料水
- 電源・燃料
- 衛生用品
- そのほかに必要なもの(携帯トイレ・カトラリーなど)
備蓄品については、最低でも以下は用意しておきましょう。そのほか、必要な物資を世帯人数や個々のニーズに応じて追加して行きましょう。
- 食料品
- 飲料水
- 携帯トイレ
在宅避難に必要なものの詳細を見ていきましょう。
備蓄品
備蓄品として準備するべきものとしては、主に以下のとおりです。
- 食料品
- 飲料水・生活用水
- 電源・燃料
- 衛生用品
- そのほかに必要なもの
一つずつ解説していきます。
食料品
災害発生時は、物流が途絶えたり、店舗が損害を受けたりして、食料品が手に入りにくくなる場合があります。このような事態に備えて、十分な量の食料品を備蓄しておきましょう。
備蓄品に向いているのは、長期保存ができ、加熱せずに食べられるものです。具体的には、レトルト食品や乾燥食品、インスタント食品などが挙げられます。
しかし、こういった備蓄食品は、食べる機会がないまま賞味期限が切れてしまうことが少なくありません。そこでおすすめなのが、ローリングストックです。ローリングストックとは、日常の買い物で少し多くの食料品を買っておき、備蓄に充てる方法です。この方法であれば、食べなかった備蓄品を普段の生活のなかで消費しつつ、常に新しい備蓄食品を準備することが可能です。
また、乳幼児や高齢者、嚥下状態が低下している方、慢性疾患や食物アレルギーがある方などは、一般的な備蓄食品での対応が難しいこともあるでしょう。
個別のニーズに応じた食品を備えておくとともに、通常の食品をそれぞれが食べやすいよう加工する方法を事前に調べておくことも大切です。
引用:https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/guidebook/pdf/need_consideration_stockguide-4-5.pdf
飲料水・生活用水
飲み水と調理の使用を考えて、1人あたり1日3Lを最低3日分、できれば7日分を目安に用意しておきましょう。たとえば家族が5人であれば1日15L、3日で45L、7日で105Lが目安となります。
保存スペースの確保が難しい場合は、ウォーターサーバーを組み合わせると便利です。ウォーターサーバーを設置していれば、普段使用する飲料水と兼ねられるため、無理なく備蓄できます。
また、生活用水としてお風呂の水や雨水を溜めておくこともおすすめです。水の確保が難しいときには、飲料水をトイレや手洗いに利用するのは避けたいものです。台風の接近時など、災害の可能性を事前に予測できる場面では、あらかじめ浴槽に水を貯めておくといった対策も効果的です。
電源・燃料
大規模な災害の際には、長期的な停電が発生する可能性があります。2011年の東日本大震災では東北地方の80%が停電、8割の復旧に3日を要し、停電解消には約3か月以上かかりました(※1)。
停電が発生すると以下のような生活や健康、生命に関するリスクや懸念が生じるため、災害時における電源と熱源の確保は欠かせません。
- 情報の収集困難
電源が失われるとテレビやインターネットが使えなくなり、災害情報や救援活動の進捗状況を把握する手段が制限される - 家族や友人との連絡の断絶
携帯電話の充電が切れると家族や友人との連絡が取れなくなり、安否確認が困難になる - 医療機器の使用不可能
電動式の医療機器(人工呼吸器や吸引器など)が停止すると、命に関わる事態になる恐れがある - 冷暖房の使用不可能
冬場の寒さや夏場の暑さで適切な温度管理ができなくなると、体調不良を引き起こしやすくなる。とくに高齢者や乳幼児は、体温の調整が難しいため、健康リスクが増す。
代替電源となりうる機器・設備には、以下のようなものがあります。
<災害時の電気の備えになる機器・設備>
- 電源から独立して使える照明器具
- モバイルバッテリー
- 発電機
- ポータブル電源
- 蓄電池
- 太陽光発電システム+蓄電池
<災害時の電気・ガスの備えになる機器>
- ガスコンロ、ガスボンベ
故障や充電切れを想定して、複数の設備・機器の準備を用意しておくことが大切です。
なかでもおすすめなのは、蓄電池と太陽光発電システムの組み合わせです。昼間は太陽光発電で発電した電気を使い、余った分を蓄電池に貯めておきます。そして夜間には、蓄電池に貯めた電気を使用することが可能です。この方法であれば、停電時でも自宅で発電し、普段どおりに電気を使うことができます。
また、蓄電池と太陽光発電の組み合わせは、電気代が節約できるなど、平時でもメリットがあります。導入を検討されている方は、ぜひ東京ガスにご相談ください。
衛生用品
災害時には水道が止まる場合があります。衛生用品を備蓄しておくことで、余計な水の使用を抑えながら、衛生状態を保つことが可能です。具体的には以下のようなものを揃えておくと良いでしょう。
<身体を清潔に保つための用品>
- ウェットティッシュ
- 消毒用アルコール
- ドライシャンプー(水のいらないシャンプー
とくに、乳幼児、高齢者、女性がいる家庭の場合には、必要となる衛生用品を準備して備えることが重要です。起こり得る事態を想定し、さまざまな可能性に対応することで、非常時でも衛生的に過ごしやすくなります。
そのほかに必要なもの
これまでに紹介したもの以外にも、備蓄しておくと重宝するものは数多くあります。
たとえば、使い捨ての紙皿や、割り箸、ラップ、アルミホイルなどを用意しておくと、食事の際に洗い物が出ず、水の使用を抑えられるでしょう。意外と忘れがちなのが、薬や絆創膏です。持病がある場合は、最低3日分、できれば7日分の薬を備蓄しておきましょう(※2)。
また、ペットがいる家庭では、ペット用の食事やトイレ用品も忘れずに備蓄してください。
非常用持ち出し品
在宅避難を前提に備蓄をしていたとしても、災害の規模や状況によっては、避難所への移動を余儀なくされる場合があります。そういった際にもすぐに避難できるよう、非常用持ち出し品も用意しておきましょう。
非常用持ち出し品は、移動を妨げないよう最低限の量に抑える必要があります。優先順位をつけ、より必要なものをリュックなどにまとめてください。家族の人数や季節に応じた内容の調整を定期的に行うことも大切です。
玄関付近など、持ち出しやすい場所に置いておくことで、万が一のときに素早く行動できます。
【非常用持ち出し品の内容】
- 携行食や非常食などの食料品
- 飲料水
- 携帯トイレ
- 衛生品:歯ブラシ、ウェットティッシュ、生理用品など
- 医療品:常備薬、救急医療品
- 貴重品:現金、印鑑、保険証など
- 衣類:上着、下着、靴下、雨具など
- 防護品:ヘルメット、軍手、懐中電灯
- その他日用品:携帯の充電器、モバイルバッテリー、タオル、ゴミ袋など
在宅避難に必要なものを揃える際に知っておきたいこと
在宅避難は、住み慣れた自宅で避難生活を送れるメリットがあります。
一方で、在宅避難が適切でないケースがあることを理解しておかなければなりません。たとえば、建物の構造や災害の種類、状況によっては、屋内にとどまることが危険な場合があります。
万が一に備えて備蓄や防災用品、電源設備の設置をすることも大切ですが、それによって「備えたから大丈夫」と避難の判断が曖昧になってしまうこともあるでしょう。非常事態には、何よりも命を守る行動を取ることが重要です。
備えを準備すると同時に、どのような状況で自宅を離れるのかの判断基準も決めておきましょう。在宅避難か避難所へ向かうかの判断基準については、以下の記事で解説しています。
災害に備えて在宅避難に必要なものを準備しておこう
在宅避難に必要な備蓄品や非常持ち出し品などについて解説しました。
なかでも、電化製品への依存度が高い現代において、電源の確保はとくに重要です。蓄電池と太陽光発電システムを導入することで、停電が発生しても普段どおりに電気が使えるため、在宅避難を継続できる可能性が大きく向上します。
蓄電池や太陽光発電システムの設置をご検討中の方は、東京ガスへお気軽にご相談ください。豊富な実績から、設置環境や目的にぴったりの製品・サービスをご提案いたします。
(※1:出典元)災害時に備えて食品の家庭備蓄を始めよう|農林水産省
(※2:出典元)災害時のために、持病の薬を備えていますか?【健康ぷらざNo.534】|日本医師会