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2023.06.20
目次
家を売るとき、一般的によく知られているのは仲介による売却ですが、ほかにも買取という売却方法があることをご存知ですか？買取は、仲介での売却と比べて何が違うのでしょうか。
買取のメリット・デメリットも含めて、不動産買取の基礎知識について解説します。また、最後に、実際に不動産の買取をしている担当者に聞いた不動産買取のポイントも掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
不動産買取とは
不動産の買取とは、マンションや一戸建てなど、所有する不動産を直接買取業者に買い取ってもらう方法です。買取業者は買い取った物件にリフォームなどを行って、買取価格よりも高い価格で新しい買主に売却して利益を得ます。
買取と仲介はどう違う？
買取と仲介が大きく違う点は、業者の介入の仕方です。買取は、買取業者が直接物件を買い取りますが、仲介は仲介業者が売主の依頼を受けて、買主を見つけるための販売活動を行います。つまり買取では仲介と異なり、買主を探すための販売活動は不要です。価格面などの条件さえ買取業者と折り合えば、そのまま売買契約を結ぶことができるので、素早く現金化が可能となります。
一方、仲介では買主を見つけるために、チラシの配布やインターネットでの情報開示、内覧の受付などの販売活動が必須です。販売活動の期間は平均して3か月程度と言われていますが、買主がすぐに見つからない場合もあり、ときには売却まで1年以上かかるケースもあります。
ただし、仲介では売主が売却価格を決められるので、相場に近い金額での売り出しが可能です。ご自身の状況や希望によって、より適した売却方法を選ぶとよいでしょう。
不動産買取のメリット
仲介と比べて、不動産買取のメリットとは何でしょうか。詳しく見ていきましょう。
短期間で売れる
買取の最大のメリットは、手続きがシンプルなため短期間で現金化できることです。買取業者が買主となるため、基本的には買主が見つからないというリスクはありません。仲介のような販売活動を行う必要がなく、買取価格にさえ納得できればすぐに売買契約が結べます。急ぐ事情がある場合は、買取を選択するとよいでしょう。
まわりの人に知られず売却できる
仲介では物件の広告を出したり、ポータルサイトで物件情報を公開したりするため、売り出し中であることが周囲に知られてしまいます。一方の買取は、買取業者とのやり取りのみで完了するので、まわりに売却を知られる可能性はほとんどありません。また、一般の買主が内覧に訪れることもないため、プライバシーが守られます。
仲介手数料がかからない
買取業者との直接取引である買取には仲介業務が入らないので、仲介手数料は発生しません。売却に関わる費用のなかでもとくに大きな金額になる仲介手数料を抑えられるのは、買取の大きなメリットと言えるでしょう。
手間がかからない
仲介の場合、内覧の希望があればその都度対応しなければなりません。スケジュールの調整や、室内の掃除・片づけと、準備に追われることが多くなります。そのうえ、内覧は1度では終わらないことがほとんどです。買取は、訪問査定の際に業者が内覧や外観調査に訪れるだけなので、余計な手間や準備に追われることがありません。
契約不適合責任が免除される
契約不適合責任とは、物件を引き渡したあとに見つかった不具合や欠陥について、売主が責任を負うというものです。契約不適合責任は不動産に詳しくない買主を保護するための制度ですが、売主が個人で買主がプロの業者の場合、基本的には双方の合意により契約不適合責任を免除する特約を設定できます。その場合、売却後にもし不具合が発覚しても、修繕費用を請求されることは原則ありません。ただし、虚偽の情報が発覚した場合、業者との信頼関係が損なわれ、取引が不利になる可能性があるため、売主は誠実に物件の重要事項や不具合を開示することが望ましいです。
不動産買取のデメリット
次に買取のデメリットについても見ていきましょう。
売却価格が安い
買取での売却価格は、仲介による売却価格の相場よりも安くなることが一般的です。理由としては、買取業者がリフォームやリノベーションを前提とし、それらの費用がかかることや契約不適合責任が免除されることから、物件の欠陥部分や不具合に関する修繕リスクも考慮された価格が設定されるためです。
上記の理由から、買取価格は一般的に売却価格相場の7〜8割程度になることが多いようです。また、買取業者は独自の査定基準で価格を決定するため、価格交渉の余地が仲介に比べて少なくなります。
買取できない物件もある
買取業者は、買い取った物件をリフォームして再販売するのが目的なので、リフォームをしても売れないと判断される物件は買取りできないことがあります。
買取を断られるケースとして多いものは、欠陥住宅です。築年数が古いだけならたいていは買取可能ですが、一戸建てで土台や構造に問題があるもの、マンションなら建物自体に欠陥があるものなどが該当します。
また、耐震基準を満たしていないもの、車庫スペースがない、道路が狭くて車が入れない、権利関係が複雑、事故物件といったケースも買取を断られる可能性が高くなることを覚えておきましょう。
不動産買取に向いている物件とは
仲介で買主が見つかるのを待つよりも、最初から買取を検討したほうが適している場合もあります。たとえば売却を急ぐ事情があるときは、短期間で売却が完了する買取のメリットを利用するとよいでしょう。たとえば、相続税の支払い期限が迫っている場合や、転勤で住み替えを急いでいる場合などです。
また、築年数が古く、修理や修繕が必要な物件は、売却のためにリフォームやハウスクリーニングを自己負担で施すより、買取を検討したほうがいいでしょう。ほかにも立地条件や間取りが悪いなどの理由で仲介では不人気な物件も、買取のほうが早く売却できる可能性はあります。
不動産買取の流れ
不動産の買取は、仲介に比べると比較的手間も少なくシンプルであり、マンションと一戸建てで大きな違いはありません。
買取業者へ査定依頼～査定額の提示
最初に買取業者に査定の依頼をします。
最初は、売却を希望しているマンション（築年数、所在、専有面積、間取りなど）や一戸建て（築年数、所在、建物面積、敷地面積、間取りなど）の基礎的な情報をもとに簡易査定（机上査定）、次に買取業者が実際に物件を見て行う訪問査定が行われます。訪問査定では、マンションの場合は管理状況や共用部分の状態など、一戸建ての場合は土地の状況や建物の構造、周辺環境などの確認が行われます。訪問査定が終わったら、査定額が提示されます。
売買契約を結ぶ
価格や引き渡しの条件で合意できれば売買契約を結びます。契約を結んだ時点で、買取価格の10％ほどが手付金として業者から支払われるのが一般的です。売買契約を結んだら、売主は引き渡し日までに引越しを済ませましょう。
決済・引き渡し
手付金を除く残代金は売主と買取業者との間で定めた決済日に支払われ、所有権が移転します。当日は鍵を業者に渡して、引き渡しの完了です。
確定申告
売却により利益を得た場合には譲渡所得税が発生するので、忘れずに確定申告を行いましょう。
買取を利用した際の詳しい流れは以下で解説しています。ステップごとの注意点なども記載しているので、チェックしてみてください。
不動産買取業者を選ぶポイント
大きな金額が動く不動産の売却では、信頼できる業者を選ぶことが大切です。提示された査定額が納得できる金額かどうかだけではなく、査定の根拠を明確に説明してくれる業者か、知識が豊富で対応に柔軟性があるかもしっかりと確認しましょう。買取業者の今までの取引実績も参考に、一戸建てに強い業者なのか、マンションの扱いが得意な業者なのかを調べてみるのも大切です。
所有する不動産を適正な価格で買い取ってもらうためにも、信頼のおける業者かどうか十分に考えて選びましょう。
【東京ガスグループの買取担当者に聞いた】不動産買取業者を選ぶときに確認したいポイント
不動産の買取を行う東京ガスグループの買取担当者に、不動産買取業者を選ぶときのポイントを伺いました。
不用品回収のサービスに対応している買取業者が便利です
今まで溜めた生活品の処分は、根気も費用もかかります。買取業者によっては、相談すれば対応してくれるところもあるので、不用品回収までしてもらえるか試しに相談してみてもいいでしょう。
お客さまの事情に寄り添って提案してくれる担当者および買取業者に依頼しましょう
不動産買取の知識や経験が豊富な営業担当者であれば、しっかりとお客さまのお話に耳を傾けてくれます。とくに財務状況の安定した会社は、お客さまの事情に寄り添いキャッシュ一括で買い取ってくれるなど、お客さまが望まれたかたちでの対応を考えてくれるでしょう。
監修者
中田 敏之三菱電機情報ネットワーク株式会社（現在の三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社）でエンジニアとして勤務し、その後一般財団法人日本不動産研究所で不動産鑑定・研究の職務に従事。その後、千葉市で株式会社中田不動産鑑定を開業し、代表取締役に就任。主に首都圏を中心に不動産鑑定・研究業務に従事しています。
会社ホームページ：https://nakata-kantei.net/
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