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老後を見据えた住み替えで理想のセカンドライフを!住み替え先の選択肢と動き始めるタイミング

2023.07.24

子どもの独立や定年退職を意識してセカンドライフについて具体的に考えるようになったとき、今の住まいにずっと住むのか、より良い老後の生活を求めて住み替えるのか、どのような選択をすべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。老後の生活を快適にするためには、できるだけ早いうちから老後に備えて住環境を整えておくことが大切です。

本記事では、老後を見据えた住み替え先の選択肢を提示するとともに、気になる資金面についても解説します。

50代から老後の住まいを具体的に考え始めよう

50代から老後の住まいを具体的に考え始めよう

充実したセカンドライフを送るために、考えなければならない重要な要素の一つに「住まい」の問題があります。実態としては、60代くらいから具体的に考え始める方が多い傾向にありますが、住み替え先を検討し始めるベストなタイミングとして50代から動くことがおすすめです。その理由として、以下のものがあげられます。

老後の生活スタイルの見通しが立てやすい

50代では、一般的に家族構成などの周囲の環境がある程度定まるため、それ以降について世帯人数などの劇的な変化が少なく、将来の見通しを立てやすい時期です。そのため、子どもの独立や親の介護・同居のことを考慮して適切な広さや間取り、場所のプランが立てやすいというメリットがあります。

住み替え時にローンを組む場合、審査が比較的通りやすい

住宅ローンは「借入時」か「完済時」、あるいは両者の年齢制限が定められており、多くのローン商品が借入時は70歳まで、完済時は80歳までとされています。60代でも借入は可能ですが、その場合の借入期間は多くの場合が20年未満です。

借入期間が短いほど月々の返済額は増え、それに伴いローン審査も厳しくなる傾向にあります。住み替え先を新しく購入する場合、50代であれば完遂時の年齢まで30年近く余裕があることから、60代に比べローンという手段を取りやすくなります。

定年退職前に動くと資金(就労)面で融通を利かせやすい

50代であれば、まだまだ現役で働いている方も多いでしょう。定年時の退職金も見込めるため、返済期間中に老後資金の目処を立てたうえでローンの繰り上げ返済や一括返済も検討できます。変動金利の場合は、金利を見て融通を利かせることも可能です。また、ローンなどの資金計画に基づき、自分がいつまで働くべきか見定めやすくなります。

体力のあるうちに準備を整えておくと安心できる

歳を重ねると、たびたび体の不調を実感することもあるでしょう。加えて住環境の変化は、心身に相当な影響を与えます。世帯の状況によっては、子どもの独立や親の介護・同居、定年退職、住み替え、場合によっては相続の対応に追われることもあるかもしれません。

これらすべてを一度に迎えるとなると、体力、精神ともにすり減らす要因にもなりかねません。住み替えを視野に入れているのであれば、できるだけ早いうちに進めていくことをおすすめします。

老後に向けた住み替え先の選択肢は?

老後に向けた住み替え先の選択肢は?

老後を見据えたとき、住み替え先にはどのような選択肢があるでしょうか。ここでは、住み替え先の選択肢を解説します。

ダウンサイズした住居

子どもが独立して部屋やスペースが余っている場合は、これまで住んでいた家から部屋数や平米数を減らすダウンサイジングと呼ばれる住み替えが検討できます。住まいは、基本的に広ければ広いほど価格が高いもの。ダウンサイズすることにより月々の支払いを減らし、掃除やメンテナンスの負担も軽くなるため、現在の住まいが広すぎると感じている場合には選択肢として考えてみてもいいでしょう。

シニア向け住宅(高齢者向け住宅)

老後を見据えた住まいの選択肢の1つとして、シニア向け住宅(高齢者向け住宅)があげられます。シニア向け住宅には、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅(サ高住)、シニア向け分譲マンションなどがあります。介護付き有料老人ホームは60歳以上もしくは65歳以上と年齢が定められているものがありますが、サービス付き高齢者住宅、シニア向けマンションは、要支援や要介護の状態の方だけでなく、自立した生活を送っている方でも入居できる集合住宅です。

将来的には老人ホームのような介護サービスを受けられ、元気なうちは一般的な住宅のように住むことができます。若いうちから将来にも備えられるとあって、住み替え先として近年人気が高まっています。介護サービスなどの対応は、施設ごとに異なるため、気になるエリアのシニア向け住宅を早めから調べ始めるのもよいでしょう。

賃貸住宅

高齢者向けではない、一般的な賃貸住宅も選択肢の1つになってくるでしょう。賃貸住宅のメリットは、住み替え時にかかる費用が最小限に抑えられることです。将来的に、改めて転居することも容易なため、ライフスタイルの変化にあわせて住まいを見直したい方に適しています。

ただし、賃貸住宅の場合は建物の老朽化を理由として、オーナーから賃貸借契約の解約の申入れもあり得ることを考慮に入れておく必要があります。賃貸住宅に住み替える際は、いつまで居住するかの期間のイメージも持っておくとよいでしょう。

子ども・孫と同居/近居

近年、老後を見据えた住まいとして、子どもや孫との同居や近居を選択する人も少なくありません。核家族化が進んではいるものの、共働き世帯が増えた今、改めて同居や近居が注目されています。

同居や近居の良いところは、双方にメリットがあること。親世代は子や孫の成長が見られることに喜びを感じやすく、また病気や怪我をした際には若い世代に助けてもらえます。対して子や孫世代は、家事や子育ての協力を得られ、生活が楽になるという面があります。

こういった双方のメリットは、互いの価値観をすり合わせることにより、よりスムーズに得られますので、早いうちから話し合いを始めておくのも大切です。

地方への移住

老後を「第二の人生」と捉え、思い切って地方やこれまで住んだことのないエリアへの移住も一つの選択肢かもしれません。人生100年とすれば、50代はまだまだ人生の折り返し地点です。多くの企業でテレワークが可能となった今、移住へのハードルは下がったといえるでしょう。

建て替え/リフォーム

住み替えとはいえませんが、今の住まいを建て替えたり、リフォームしたりすることで、長く、安心して住み続けることができます。バリアフリーな設備を一新すれば、今とこれからのライフスタイルに合った住まいに生まれ変わるでしょう。

住み替え先、みんなはどう考えている?「持ち家or賃貸」「マンションor戸建て」

住み替え先、みんなはどう考えている?「持ち家or賃貸」「マンションor戸建て」

「老後を見据えて住み替えよう」と決意しても、持ち家がいいのか賃貸がいいのか、はたまた、マンションがいいのかそれとも戸建てがいいのか悩んでしまうものです。ここでは、シニア世代や住み替えを検討している人たちにはどのような傾向があるのかみていきます。

「持ち家」の希望割合が高い

不動産流通経営協会の『シニアの住宅に関する実態調査(2019)』(注)によれば、シニアが希望する住み替え先として持ち家の比率が賃貸住宅より高いという結果が出ています。さらに持ち家を希望する方は、マンションより戸建てを希望している割合が高くなっています。一方、賃貸を希望する方はマンションやアパートを希望する割合が高く、全体で見ると戸建よりマンションを希望している方が多いようです。

注…アンケート対象は45歳以上

65歳以上で老後の住まいを意識する傾向に

同調査では、シニア向け分譲マンションやサービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームの希望割合が65歳以上から大きく上がることが示されています。これは60歳から入居できるシニア向け住宅が増えることも一因としてありますが、純粋にニーズが高まる年齢でもあります。

一般的に65歳は、定年退職をする方も多いことから、老後の暮らしを具体的に考え始める時期。公益社団法人生命保険文化センターの調査でも、実際に老後資金を使い始めようと考える年齢は平均で66.8歳とされており、経済的な側面からも老後を意識するタイミングであるといえるでしょう。

同じ物件種別への住み替えを希望するケースが多い

国土交通省の『令和4年度住宅市場動向調査報告書』によれば、住み替え先として、今の住まいと同じ物件種別を希望するケースが多いようです。たとえば、現在、注文住宅に住んでいる世帯は注文住宅を、分譲マンションに住んでいる世帯は分譲マンションへの住み替えを希望するケースが多くなっています。

この結果から、これまで住んでいた物件と同じ物件種別を好む人が多いことがうかがえます。同じ物件種別のなかで住み替えを検討することは、現在の住まいと比較して考えることができるため具体的な希望条件を設定しやすく、住み替え後も大きな乖離が生まれにくいメリットがあります。

以下の記事では、老後を見据えて住み替え先を選ぶときのポイントをくわしくお伝えしています。あわせてチェックしてみてください。

50代以降の住み替え、資金はどう捻出する?ローンは組める?

50代以降の住み替え、資金はどう捻出する?ローンは組める?

老後を見据えて住み替えを検討するにしても、不安なのはやはり資金のことではないでしょうか。住み替えをするうえでどのように資金を捻出すれば良いのか、注意点とともに解説します。

居住中の不動産の売却資金を活用する

今の住まいを売却した資金で住み替えられれば、費用負担は売買や賃貸にかかる諸費用や税金、引越し費用だけですみます。今の住まいの資産価値や住み替え後の住宅次第では、老後資金の捻出も可能でしょう。

しかし、今の住まいの状況によっては「タイミングよく売れない」「築年数が古くてなかなか売れない」といったことも起こりえます。住み替えに伴う不動産売却で大事なのは、売買や入居のタイミングを合わせられるかどうか。売却時には、売り方の工夫をしながら、売れるタイミングを調整する工夫も重要になります。

住宅ローンを利用する

今の住まいを売却したとしても、住み替え先を購入する場合は新たにローンを組むケースも少なくありません。ローンを組んで新居を購入する場合は、次のような住み替え特有のローンを知っておくとよいでしょう。

住み替えローン

住み替えローンとは、買い替え前の住まいのローン残債と新居のローンをまとめられる融資です。たとえば、今の住まいのローン残債が500万円、新居購入時のローンが3,000万円だとすれば、まとめて3,500万円の融資を受けられます。
ただし、住み替えローンでは新居の資産価値を上回る融資を受けるため、一般的な住宅ローンと比較して審査が厳しい傾向にあります。一般的な住宅ローン審査に十分通る年収や勤続年数、信用があったとしても審査に通らない可能性がある点は考慮しておきましょう。

つなぎ融資

つなぎ融資は、住まいの買い替えのタイムラグを補うためのローンです。具体的には、新居の購入を先行する買い替えにおいて、新居の融資実行から今の住まいを売却し、引き渡すまでのつなぎとなる資金を融資してもらえます。
一方で、注意も必要です。50代以降でもローンの借り入れは可能と先に説明しましたが、返済期間によっては、審査は厳しくなります。

次のような状況にあれば、ローン審査に通らない可能性があります。

  • 勤続年数が短い
  • 融資希望額に対して収入が少ない
  • 融資希望額に対して購入物件の担保評価が低い
  • ほかの借り入れが多い
  • 信用情報に延滞履歴がある

退職金・預金を活用する

出典:家計調査報告(家計収支編)2022年(PDF)|総務省

総務省の『家計調査報告(家計収支編)2022年』によれば、65歳以上の夫婦無職世帯の実収入は月額約25万円で、平均的な支出との差額は約2万円程度の赤字とされています。退職金や預金を住み替え費用に充てることもできますが、不足する老後の生活資金を補うために残しておくことも検討すべきでしょう。

場合によっては、手元にある程度の資金を残したままローンを組んだほうが、老後の生活の負担を軽減できることもあります。手元資金を住み替え費用に充てる場合は、老後にかかる生活費などを見据えたうえで使える額を設定することが大切です。

将来を見据えた住み替えのポイントは「できるだけ早く」「綿密な計画を練る」

将来を見据えた住み替えのポイントは「できるだけ早く」「綿密な計画を練る」

今回ご紹介した選択肢のなかに、ご自身の希望に合うものは見つかりましたか?できるだけ早いうちから情報収集し、将来に向けて具体的に計画を立てて動くことで、老後の生活や環境をより良い状態に整えていくことができます。住み替えにより老後の生活を快適にしていくとともに、老後資金についてもしっかりと計画を立て、不安のない充実したセカンドライフを送る準備をしていきましょう。

中田 敏之

監修者

中田 敏之
不動産鑑定士/宅地建物取引士三菱電機情報ネットワーク株式会社(現在の三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社)でエンジニアとして勤務し、その後一般財団法人日本不動産研究所で不動産鑑定・研究の職務に従事。その後、千葉市で株式会社中田不動産鑑定を開業し、代表取締役に就任。主に首都圏を中心に不動産鑑定・研究業務に従事しています。会社ホームページ:https://nakata-kantei.net/

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