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住み替え時にかかる税金とは?利用できる特例を知って、ライフプラン設計の一助に

2023.10.30

子どもの独立や自身の定年退職など、ライフスタイルの変化をきっかけに住み替えを検討している方もいるでしょう。

マイホームを買い替える場合は売却時と購入時にそれぞれ税金が発生するため、負担も大きくなります。住み替えの資金計画を立てる際は、事前に税金の種類や負担を軽減する方法を理解することが大切です。

この記事では、住み替えを検討する方に向けて、順番に売却時、購入時にかかる税金の種類や利用できる特例、控除制度を解説します。

マイホームの売却時にかかる税金

マイホームを売却する際にかかる税金には、大きく「必ず支払う税金」と「状況によって軽減される税金」、「繰り延べとしてその時点で支払う必要がなくなる税金」に分類できます。それぞれの違いを理解しておきましょう。

必ず支払う税金

必ず支払う税金は、「印紙税」と「登録免許税」の2つです。

印紙税

印紙税とは、不動産売買やローンの契約書、領収証などの文書に課税される税金です。マイホームの売却では、不動産売買契約書に収入印紙を貼付することで必要な税額を納めます。

不動産売買でかかる印紙税額は以下の通りです。

出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

注…不動産の譲渡に関する契約書のうち、その契約書に記載された契約金額が10万円以下のもの(契約金額の記載のないものを含みます。)は、軽減措置の対象となりません(税率200円)。また、契約書に記載された契約金額が1万円未満のものは非課税となります。

印紙税は通常、標準の税率が適用されます。しかし、2024年3月31日までに結ばれる不動産売買契約書には、軽減税率が適用されます。

登録免許税

登録免許税とは、土地や建物の登記手続きの際にかかる税金です。不動産の所有権を売主から買主に移転する「所有権移転登記」の登録免許税は、買主が負担するのが一般的です。

ローンを組んで購入した住宅を売却する場合は、売主で「抵当権抹消登記」を行います。登記の抹消に関する登録免許税は原則不動産1個につき1,000円であるため、土地と建物で2,000円を基本的には売主が負担します。

支払う可能性がある税金

マイホームの売却価格によっては、以下の税金を支払う必要があります。

譲渡所得税

譲渡所得税とは、土地や建物などの資産を売却して譲渡所得(売却益)が出た場合にかかる税金です。かかる税金として、所得税及び復興特別所得税、住民税があります。

税額は、譲渡所得に税率をかけて計算します。土地や建物を売却したときの譲渡所得の計算式は以下の通りです。

譲渡所得=売却価格-(住宅の取得費+譲渡費用)-特別控除額

住宅の建物の取得費は、購入代金または建築代金などの合計額から所有期間中の減価償却相当額を差し引いた金額となります。また、譲渡費用には、仲介手数料や印紙税などが含まれます。

税率は、マイホームの所有期間によって変わってきます。売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下であれば「短期譲渡所得」、5年超の場合は「長期譲渡所得」に該当し、税率はそれぞれ以下の通りです。

<譲渡所得税の税率>

注…ほかに2037年まで所得税額×2.1%=復興特別所得税がかかります。
注…10年超所有軽減税率については、細かく条件が定められています。詳しくは、国税庁のHPをご確認ください。またこの後の「マイホームの売却時に利用可能な特例」のうち「軽減税率の特例」でも解説します。

譲渡所得税は売却した翌年3月15日までに確定申告書を提出し、税額を納める必要があります。

マイホームの売却時に利用可能な特例

マイホームの売却時には、一定の要件を満たすと利用できる税務上の特例があります。税負担の軽減が期待できるため、積極的に活用すると良いでしょう。

3,000万円の特別控除の特例

マイホームを売却する際に、一定の要件を満たすと所有期間に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。譲渡所得が3,000万円以下の場合、本特例が適用されると譲渡所得税はかかりません。

主な適用要件は、以下の3つです。

  • 自分が住んでいたマイホームを売却すること
  • 売却した年の前年および前々年に本特例(ただし被相続人の空き家を売ったときの特例を除く)やほかの特例を受けていないこと
  • 売却先が親子や夫婦など特別な関係でないこと

3,000万円の特別控除の特例を受けるには、「譲渡所得の内訳書」などの書類を添えて確定申告をする必要があります。

軽減税率の特例

マイホームを売却する際、一定の要件に当てはまると長期譲渡所得の税額が軽減される特例です。物件の所有期間が10年超の場合に適用されます。

また、長期譲渡所得金額が6,000万円を超えるかどうかで税率は変わります。所得税の税額の計算式は以下の通りです。

長期譲渡所得金額(A) 税額
6,000万円以下 A×10%
6,000万円超 (A-6,000万円)×15%+600万円

注…ほかに2037年まで所得税額×2.1%=復興特別所得税がかかります。

本特例の主な適用要件は、以下の4つです。

  • 自分が住んでいたマイホームを売却すること
  • 売却した年の1月1日において住宅の土地と建物の所有期間がともに10年を超えていること
  • 売却した年の前年および前々年に本特例や他の特例を受けていないこと
  • 売却先が親子や夫婦など特別な関係でないこと

先ほど紹介した「3,000万円の特別控除」とは併用できます。軽減税率の特例を受けるには、売却時の翌年3月15日までに確定申告が必要です。

特定居住用財産の買い替え特例

マイホームを買い替えた場合に、一定の要件を満たすと譲渡益への課税を繰り延べられる特例です。

繰り延べとは、課税のタイミングを将来に先延ばしにすることを意味します。特例の適用を受けることによって、新たに購入したマイホームを将来売却するときまで課税が繰り延べられるため、買い替え時の税負担を抑えられます。

ただし、税金が減額されるわけではなく、あくまでも課税の繰り延べである点に注意が必要です。

買い替え特例の適用を受けるには、「売却した年の1月1日において住宅の土地と建物の所有期間がともに10年を超えている」「売却代金が1億円以下」など、さまざまな要件を満たしたうえで翌年3月15日までに確定申告が必要です。また、「3,000万円の特別控除」「軽減税率の特例」などとの併用は認められません。

売却で損失が出た場合

マイホームを買い替えた場合、住んでいた家の売却で損失が生じた場合は損益通算や繰越控除が可能です。

損益通算とは、損失をその年の他の所得(給与所得、事業所得など)から控除することです。課税所得が減るため、所得税や住民税の負担が軽減されます。損益通算をしても控除しきれなかった損失は、翌年以後3年間にわたって繰り越して控除できます。

損益通算や繰越控除の適用を受けるには、一定の書類を添えて翌年3月15日までに確定申告が必要です。適用要件が複雑であるため、利用できるかどうか判断できない場合は税理士などの専門家に相談すると良いでしょう。

マイホームの購入時にかかる税金

新しい住居を購入するときは、さまざまな税金がかかります。「必ず支払う税金」と「状況に応じて支払う税金」があるため、税金の種類と内容を把握しておきましょう。

印紙税

不動産売買やローンの契約書、領収証などの文書に課税される税金です。売却時だけでなく、購入時の契約書にも税額分の収入印紙を貼付する必要があります。

登録免許税

「所有権保存登記(新築住宅)」や「所有権移転登記(中古住宅)」など、購入する不動産の登記手続きにかかる税金です。固定資産税評価額に税率をかけて税額を計算します。税率は以下の通りです。

<土地の場合>

登記の種類 本則税率 特例税率
所有権移転登記
(売買・贈与)
2.0% 1.5%(注)

注…2026年3月31日までの間に登記を受ける場合(ただし売買の場合のみ)。

<建物の場合>

登記の種類 本則税率 特例税率
所有権保存登記 0.4% 0.15%
所有権移転登記
(売買・贈与)
2.0% 0.3%

「床面積が50㎡以上」など、一定の要件を満たす住宅については2024年3月31日まで特例税率が適用されます。

不動産取得税

不動産の購入や贈与などで不動産を取得したときに課税される税金です。取得から半年~1年半程度で都道府県から納税通知書が届くため、金融機関で納付します。

税額は「固定資産税評価額×4%」です。ただし、住宅用の土地と建物の取得については、2024年3月31日まで税率が3%に軽減されています。このほか、取得した住宅が一定要件を満たせば、税負担が軽減される制度があります。

贈与税(相続税)

新居を贈与で取得したり、新居購入の際に資金援助を受けたりした場合、贈与を受けた人には贈与税がかかります。

贈与税額は、「1年間に贈与を受けた財産の価額-基礎控除額110万円」に税率をかけて計算します。直系尊属(父母や祖父母など)からの贈与より、直系尊属以外の人からの贈与のほうが税率は高く、税負担が増える点に注意が必要です。

相続によって住居を取得した場合は相続税の課税対象となり、贈与税とは税額の計算方法が変わってきます。

不動産の贈与税や相続税は仕組みが複雑なので、税理士などの専門家に相談するといいでしょう。

消費税

仲介で中古住宅を購入するなど、売主が個人であれば消費税は課税されません。しかし、不動産会社からマイホームを購入する場合、土地部分の消費税は非課税ですが、建物部分には消費税がかかります。

マイホーム購入時に利用できる特例

住宅ローンを利用してマイホームを購入する場合は、以下の特例を活用することで金銭的な負担が軽減されます。

住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高を元に計算した金額を所得税(一部、翌年の住民税)から控除される制度です。2023年以降に居住を開始した場合については、「年末残高×0.7%」が控除されます。新築住宅は最大13年間、中古住宅は最大10年間控除されます。

借入限度額は、入居期間や住宅の環境性能などによって異なります。長期優良住宅や低炭素住宅は、他の住宅に比べて借入限度額の上限が高く設定されています。

2024年1月以降に建築確認を受ける新築住宅については、省エネ基準に適合することが適用要件となる点に注意しましょう。

住宅ローン控除は年末調整で控除を受けられますが、初年度のみ確定申告が必要です。

なお、売却時の特例である「3,000万円の特別控除」「軽減税率の特例」「特定居住用財産の買い替え特例」と住宅ローン控除は併用できません。マイホームを買い替える場合は、どちらの適用を受けるほうが有利かを検討しておく必要があるでしょう。

住み替えの負担を減らすために、税務上の特例を有効活用しよう

住み替えの資金計画を立てる際は、マイホームの売却価格と購入価格のほかに、税金や特例なども考慮する必要があります。

また、あらかじめ税金や特例を理解することで、住み替え時の税負担を減らすための対策が可能になります。

この記事を参考に、しっかりした資金計画を立て、住み替えを安心して進められるようにしましょう。

鈴木まゆ子

監修者

鈴木まゆ子
税理士・税務ライター

2009年税理士試験に官報合格、2012年税理士登録。KaikeiZine、朝日新聞「相続会議」、ソリマチ「みんなの経営応援通信」、マイナビ税理士などWEBを中心に700超の税務・会計記事を執筆。最近の著書に「誰でも簡単 インボイス制度がわかる本 (MSムック)」。

実績:鈴木まゆ子 - foriio

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