発電機と蓄電池の違いを5つのポイントで比較!どちらを選ぶべきかも解説

2024.09.04

停電時や災害時に備えて、発電機や蓄電池の設置を検討しているものの、違いが分からずに悩んでしまう方もいることでしょう。

発電機と蓄電池は、役割や停電時の有用性、普段使いのしやすさなど、さまざまな点で異なります。

そこで今回の記事では、発電機と蓄電池の違いを詳しく解説します。それぞれのメリット・デメリットや、選び方のポイントについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

発電機と蓄電池の違い

発電機と蓄電池は、いずれも電気の供給源として活用できる設備という点では共通していますが、役割や停電時の有用性、普段使いのしやすさ、コスト、使用時の騒音などが異なります。

以下は、両者の違いを表にまとめたものです。

違い 発電機 蓄電池
役割 電気を生み出すこと 電気を貯めること
停電時の有用性 燃料があれば電気を生み出し供給することが可能 ・電力会社の供給が停止しなければ、電気を購入して蓄え、供給することが可能
・太陽光発電と併用すれば、電気の自給自足が可能
普段使いのしやすさ 基本的には燃料を使用する者が多いため屋外の使用が原則であり、コンセントを使用して電気を供給するため、バーベキューやキャンプなどのアウトドアで利用しやすい 分電盤を通して電気が供給されるため、日常の電気として使用できる
コスト 一度に安定して供給できる電力の大きさによって価格が変わり、5万円~60万円 一般家庭に設置されることの多い蓄電容量(5~7kWh)の価格は93.5~130.9万円
使用時の騒音・危険性 ・稼働中は騒音が発生する
・燃料を使用するものは、正しく使用しなければ一酸化炭素中毒の危険性がある
・静音性に優れている
・定期的な点検やメンテナンスをしなければ発火のリスクが高まる

それぞれの違いについて見ていきましょう。

役割

発電機と蓄電池は、いずれも電気を供給できる設備ですが、役割がそれぞれ異なります。発電機の役割は「電気を生み出すこと」で、蓄電池の役割は「電気を貯めること」です。

発電機は、一般的にガソリンやカセットボンベなどを燃料にして電気を発電します。コンセントなしで電気を生み出せるため、おもに以下のような用途で活用されています。

  • コンセントの届かない屋内イベントの屋台や照明、キャンプでの使用
  • 非常時/停電時の電源確保

蓄電池は、電力会社から購入した電気や太陽光発電システムで発電した電気を貯められる機器です。貯めておいた電気は、以下のような用途に活用できます。

  • 電気使用量の削減
    • 蓄電池単体:電気料金の安い時間帯に電力会社から電気を購入して貯めておき、電気料金の高い時間帯に貯めておいた電気を使う
    • 太陽光発電システムとの併用:日中は発電した電気を使い、余った電気(余暇電力)を蓄電池に貯め、夜間などの発電量が期待できない時間帯に蓄電池に貯めておいた電気を使う
  • 非常時/停電時のバックアップ電源

停電時の有用性

停電時の有用性についても違いがあります。燃料を使用する発電機の場合は発電量に限りがありますが、蓄電池であれば太陽光発電と併用することで復旧まで継続的に電力をまかなうことが可能です。

発電機はガソリンやカセットボンベなどの燃料がある限り電力を生み出し続けられます。ただし、大規模災害発生時には製油所やガソリンスタンドの被災、流通のストップなどによりガソリンやカセットボンベそのものが手に入らなくなる可能性があることに注意が必要です。

実際に、2011年3月11日に発生した東日本大震災では、東北地域で唯一の製油所と太平洋側の油槽所が地震と津波によって機能停止に陥り、東北地方ではガソリン不足に悩まされることになりました。(※1)

「災害時や停電時も発電機を使えるように、ガソリンやカセットボンベをあらかじめ備蓄しておけば良いのでは?」と考える方も多いかもしれません。しかし、ガソリンやカセットボンベには使用期限があり、長期間保存すると品質が劣化するため、安全に保管できる量にも限界があります。

さらに、使用せずに劣化してしまった燃料を処分する必要が出てくれば、費用や手間も発生する可能性があります。そのため、発電機の燃料としてガソリンやカセットボンベを長期保存するのは現実的ではないと言えるでしょう。

一方の蓄電池は電気を貯める機器のため、蓄電池そのものは電気を生み出すことはできません。停電や災害が発生し電力供給が止まった際に蓄電池から電気を供給するには、あらかじめ蓄電池への充電が必要です。さらに、貯めておいた電力を使い切ってしまうと、蓄電池は使用できなくなります。

ただし、蓄電池は太陽光発電システムと併用することで、電力供給がストップしても電気の自給自足が可能となります。太陽光発電システムは、太陽光がある限り電力を発電できます。昼間は太陽光発電システムで電気を発電し、太陽光のない夜間などは蓄電池に貯めておいた電気を使用することで、電力の復旧まで停電の中でも電気を使い続けられます。

東京ガスと提携企業では、東京都にお住いの方を対象に(対象エリアは順次拡大予定)太陽光発電と蓄電池の導入サポートサービスを提供しています。導入後のサポートの充実度も、エネルギー企業ならではです。

普段使いのしやすさ

発電機は日常的な使用には不向きですが、蓄電池は日常生活でも活用することができます。

発電機は、電気の発電にガソリンやカセットボンベなどの燃料が必要です。定期的にガソリンやカセットボンベを使うサイクルがあればよいですが、そうでない場合は購入資金が無駄になるだけでなく、処分の手間や費用も発生してしまいます。

処分せずに家庭内で使用する電気の供給源を発電機に切り替えて燃料を消費する手もありますが、そのためにコンセントを付け替えるのは手間でしょう。

趣味でバーベキューやキャンプを行うなど、屋外で発電機を頻繁に使用する機会があるのならば発電機は日常的にも役に立つと言えますが、普段使いをしない家庭では不向きと言えるでしょう。

その点、蓄電池であれば、貯めておいた電気は普段の生活でも活用可能です。たとえば電気料金が安い時間に電力会社から電気を購入し、電気料金が高い時間に使用するという方法を用いれば、電気代を抑えられます。

また、太陽光発電システムを設置している場合は、昼間は太陽光発電システムによってつくった電気を蓄電池に貯めておき、夜間に使用することで、同じく電気代の削減が可能です。

とくに太陽光発電システムは再生可能エネルギーであるため、太陽光があれば継続して電気を発電できます。電力会社から電気を購入して蓄電池に貯めて消費するよりも、高い節電や省エネ効果が得られるでしょう。

コスト

発電機と蓄電池は、いずれも導入時の初期コスト(イニシャルコスト)と、実際に使用する際の運用コスト(ランニングコスト)の両方が発生します。前提として発電機、蓄電池ともに、コストを左右する要素としては以下のようなものが挙げられます。

  • 製造メーカー
  • 発電/蓄電できる容量
  • 搭載されている機能 など

発電機は、一度に発電・供給できる電力の大きさによって価格が変動します。相場の目安は5万円~60万円です。別途、燃料の購入にも費用が発生します。

蓄電池は蓄電容量(貯められる電気の容量)によって費用が変動します。システム本体と工事費を含んだ費用の相場は1kWhあたり18.7万円(※2)です。一般家庭に設置される蓄電池の容量は5~7kWhのため、93.5~130.9万円が相場となります。

発電機と蓄電池を比較すると、蓄電池のほうが初期コストは高くなります。ただし、蓄電池は前述通り貯めた電気を使用する時間を工夫することで、電気代の節約が可能です。電気代は月々必ず発生するため、蓄電池は長い目で見れば節約につながります。

さらに初期費用はかかりますが、蓄電池と太陽光発電を併用すれば発電と蓄電をバランスよくおこない、光熱費の削減に大きく役立ちます。長期的な視点で節約につながることに加えて、災害発生時に電気が使用できるといった付加価値も見逃せません。

自治体によっては太陽光発電や蓄電池設置に対する補助金制度を設けている場合があります。

使用時の危険性・騒音

発電機も蓄電池も正しく使えば安全です。ただし、燃料を使う発電機は運転音が大きく、蓄電池は比較的静かという違いがあります。

発電機は発電中に排出されるガスに一酸化炭素が含まれているため、屋内など十分に換気が行えない場所では使用できません。屋内での使用は一酸化炭素中毒による死亡事例も出ているため、正しく使用する必要があります。

このため原則として屋外の使用となりますが、発電機は運転音が大きく、夜間の使用や住宅地が密集している場所では、周辺の住宅に迷惑になるリスクがあります。

一方、蓄電池の運転音は比較的静かで使用中に気になることはないでしょう。電気を貯めたり、供給したりするときにも発電機のように有害物質を排出することはありません。

ただし、蓄電池も適切な使用や点検が行われていないと、発火などのリスクはあります。義務付けられている定期点検を必ず実施するとともに、異変がある場合は使用を中止し点検を依頼するなどの対応を行い、安全に使用しましょう。

発電機と蓄電池どちらを選ぶべき?


発電機と蓄電池、どちらを選ぶべきか迷っている方のためにメリット・デメリットをまとめました。

メリット デメリット
発電機

・電気をつくることができる

・キャンプなどの趣味で使用している場合、日常使いの延長線上で災害/停電時の備えとして活用できる

・初期費用が比較的安い

・燃料の適切な保管が必要

・長期間の停電には対応できない可能性がある

・屋内などの換気が不十分な場所では使用できない

・運転音が大きめ

蓄電池

・日常的に電気代を節約できる

・太陽光発電と組み合わせることで、長期間の災害/停電時も電気を使用できたり、電気の自給自足ができたりする

・運転音が静か

・蓄電池単体では長期間の停電には向いていない

・初期費用が比較的高い

メリット・デメリットを踏まえると、発電機・蓄電池それぞれに向いている人は以下の通りです。

<発電機がおすすめな人>

  • 予算を抑えて非常用電源を確保したい
  • キャンプ・アウトドアなどの趣味で使用したい

<蓄電池がおすすめな人>

  • 太陽光発電と併用し長期的な停電にも対応できるよう備えておきたい
  • 日常生活での電気代の節約をしたい

発電機はキャンプやアウトドア環境で活躍するアイテムですが、災害時の備蓄としては向いていません。蓄電池なら災害時に電気を使える備蓄としても、日常生活での省エネとしても役立ちます。

発電機と蓄電池の違いを知りご自身に適したものを選ぼう

発電機と蓄電池の違いと、それぞれのおすすめな人について解説しました。発電機と蓄電池は、役割や停電時の有用性、費用などが異なります。

この記事で紹介した違いを踏まえて、導入する目的に応じたものを選べば、停電や災害時、復旧まで電力を確保できる住まいの確保や月々の電気代の削減にもつながるでしょう。

太陽光発電と蓄電池の設置をご検討なら、ぜひ東京ガスにご相談ください。無料訪問相談の申込は、24時間365日受け付けております。安心の導入後サポートもご提供しております。

(※1:出典元)巨大災害時のガソリン不足に対する戦略とその社会経済評価:東日本大震災における実証分析
(※2:出典元)定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ|MRI 株式会社三菱総合研究所

森野ミヤ子

執筆者

森野ミヤ子

二児の母。子供の消防車好きと被災地への転勤をきっかけに防災や減災に興味を持ち、防災士資格を取得。 DMATなど関連機関、防災関連商品やサービスの記事作成・監修を行う。

ホームページ:https://note.com/marisubmarine

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