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長い老後の生活を考えるにあたり、資産運用を検討している方も多いでしょう。資産運用では「増やす」ことも大切ですが、同じくらい「守る」ことも意識する必要があります。
この記事では、老後の資産運用に関する基礎知識や、準備しておくべきこと、具体的な方法、注意点などについて解説します。
・老後における資産運用の基本
・老後の資産運用で今からできること
・老後の資産運用方法と注意点
老後の資産運用の基本的な考え方
老後の資産運用では、保有している資金を自身に最適な方法で活用することが重要です。そこで意識しておきたい考え方として、以下の3つが挙げられます。
- 資産寿命を延ばすことを意識する
- 守りを固めながら資産を増やす
- 運用できる資産ごとに運用方法を決める
一つずつ見ていきましょう。
資産寿命を延ばすことを意識する
老後の資産運用では、「資産寿命」を意識することが重要です。資産寿命とは、保有している資産が底をつくまでの期間を指します。
平均寿命が延び、「人生100年時代」といわれる現在では、長生きによって資産が尽きる「長生きリスク」にも備える必要があります。そのため、資産運用によって資産寿命を延ばすことが大切です。
老後は厚生年金や国民年金といった公的年金が主な収入源になるのが一般的です。公的年金だけでは資金が不足する場合は、預貯金を取り崩して生活することになるでしょう。しかし、不足分を単に取り崩すだけでは、想定より早く資金が尽きてしまう可能性があります。運用によって利回りを得ながら計画的に取り崩すことで、運用しない場合と比べて資産寿命を延ばすことが可能です。
たとえば、手元資金が1,000万円ある場合、毎月5万円ずつ取り崩す場合で考えてみましょう。
| 運用の有無・年利 | 資産寿命 |
| 運用なし | 約16年8か月 |
| 年利3%で運用 | 約23年5か月 |
| 年利5%で運用 | 35年超 |
運用なしの場合、資産寿命は約16年8か月で尽きますが、年利3%で運用できれば約23年5か月となり、7年ほど延長することが可能です。さらに、年利5%の運用が実現すると、35年超の延長が可能で、100歳以上長生きしても資産は尽きない可能性があります。
守りを固めながら資産を増やす
老後の資産運用は、増やすことだけでなく「守り」を固めることも大切です。リタイア後は現役時代と比べて収入が限られるケースが多いため、運用に失敗した場合のリカバリーが難しくなります。その分、リスク許容度が低くなることを認識しておきましょう。
最低限の目標として、積極的に資産を大きく増やすよりも、インフレ(物価上昇)によってお金の実質的な価値が目減りしないような運用を心がけると良いでしょう。
たとえば、以下のような点に留意するのがポイントです。
- 退職金を一つの金融商品に一括で投資するようなハイリスクな行動は避ける
- 医療費や介護費用など確実に必要となる資金は、大きなリスクにさらさない
- 株式や債券などにバランス良く「分散投資」をして、大失敗を避ける
運用できる資産ごとに運用方法を決める
闇雲に長期運用を続けるのではなく、必要な金額を必要な期間だけ運用しましょう。何のために、いつまでに、いくらの利益を上げたいのか、「投資金額」「投資期間」「目標利回り」というゴールを明確にしてから運用を始めることがポイントです。
たとえば、「3年後の旅行資金のため」「5年後のバリアフリーリフォームのため」といったゴールを設けると、必要な期間運用が把握しやすいです。目的が曖昧なまま運用すると、過度なリスクを取ってしまうなど、ギャンブル的な投資につながる恐れがあります。
また、自身の「健康寿命」も参考に、いつまで運用を続けるかの目安を立てると良いでしょう。
老後の資産運用に向けて準備しておくこと
老後の資産運用を成功させるには、入念な準備が欠かせません。具体的な準備項目としては、以下が挙げられます。
- 現状と将来の「収支」を具体的にシミュレーションする
- 手元にある資産を色分けして整理する
一つずつ見ていきましょう。
現状と将来の「収支」を具体的にシミュレーションする
まず、退職後の収入と支出を予想して整理します。老後に「毎月いくら不足するのか」「現在のペースで貯蓄を取り崩すと何年で資産が尽きるのか」をシミュレーションしましょう。
とくに、老後資金について漠然とした不安を感じている場合は、具体的な数字に落とし込み、可視化するのがおすすめです。
なお、総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」(※1)によると、65歳以上の無職世帯の1か月に必要な生活費は、夫婦のみの世帯で26万3,979円、単身世帯では14万8,445円です。
また、老後の基本生活費に加え、次のような出費が生じることも考えられます。
- 健康状態による「医療・介護費」
- 持ち家のリフォームや住み替えなどの「住居費」
- 子・孫への「資金援助」
必要な資金を網羅的に洗い出し、将来の年金見込額や退職金などの収支と照らし合わせて整理しましょう。
手元にある資産を色分けして整理する
将来必要になる金額の目安が把握できたら、運用計画を立てるために手元の資産を整理しましょう。
- すぐに使うお金
- 近い将来に使う予定のお金
- 当面使う予定のないお金
上記のように、大まかに3つに分けるのがおすすめです。
【生活防衛資金】すぐに使うお金
生活防衛資金として、いざというときにすぐに使える資金を確保します。病気やケガのための医療費など予期せぬ支出に対応できるよう、現金や普通預金で備えましょう。
現役世代や再雇用で収入がある場合は、生活費の3〜6か月分、年金収入のみの世帯や自営業の場合は生活費の1年分以上を目安に確保しておくと安心です。
【予定資金】近い将来に使う予定のお金
今後3〜5年以内など近い将来に使い道が決まっている金額は、予定資金として別に管理するのがおすすめです。たとえば、以下のようなものが該当します。
- 自宅のリフォーム費用
- 車の買い替え
- 旅行などの趣味にかかる費用
- 冠婚葬祭費
- お孫さんへのお祝い金
このような使途が明確に決まっている資金は、定期預金など安全性の高い運用先で管理するのが適しているでしょう。
【余裕資金】当面使う予定のないお金
手元の資産から生活防衛資金と予定資金を差し引いて残った資金は、余裕資金として管理しましょう。当面の生活に直接影響を及ぼさない資金であるため、インフレ対策や資金寿命を延ばすことを目的とした、中長期的な資産運用への活用がおすすめです。ただし、高い利益を得ることを重視するあまり、ハイリスクな取引にならないよう注意が必要です。
しかし、余裕資金が十分に確保できないケースも考えられます。その場合、老後の資産運用のために資金を調達する手段として、老後の住み替えとセットで考える方法もあります。たとえば、マンションの持ち家があるなら、東京ガスリノベーションでマンションを売却し、老後の住み替えとともに資産運用資金を調達するのも一つの選択肢です。
東京ガスリノベーションは、仲介手数料がかからず、最短7日で売却が可能です。老後に適したリノベーション済みマンションの販売も行っているため、スムーズな住み替えもできます。
老後の住み替えを考えている方は、まずは東京ガスリノベーションの無料査定を受けてみましょう。
老後の資産運用の方法
老後の資産運用では、複数の金融商品を組み合わせてリスク分散を図ることが不可欠です。ここでは、代表的な金融商品として、以下の5点を紹介します。
- NISA
- 債券投資
- 投資信託
- 株式投資
- 貯蓄型保険
それぞれの役割とリスクを正しく理解し、自分に合った運用方法を選択しましょう。
NISA
NISAは2014年からスタートした「少額投資非課税制度」で、2024年1月から新制度になったことで、より活用の幅が広がっています。通常、投資信託で得られた利益には税金がかかりますが、NISA口座内で得られた利益は非課税になるのが大きなメリットです。
NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、2つの枠を合わせれば年間360万円の積み立てが可能です。売却時期は自分で決められるため、老後の生活状況に合わせた柔軟な資産運用が期待できます。
NISAは、貯蓄をベースにしつつ、インフレに負けない程度のリターンを目指して運用したい方におすすめの方法です。
債券投資
債券投資は、発行体(国や企業)が破綻しない限り、満期になれば額面金額を受け取れる金融商品です。金融機関の預貯金よりも利率が高い傾向にあり、株式に比べて価格の変動が緩やかな点が特徴です。
満期まで保有すれば原則として元本割れがないため、資産を守りながら運用したい方に向いている方法です。とくに、安全な資産運用方法を検討するなら、個人向け国債がおすすめです。
また、債券は購入時に適用利率や満期日が決まっているものが多く、保有期間中に得られる利息や、満期時に戻ってくる金額があらかじめ把握できる点がメリットです。「いつ」「いくら入ってくるか」が明確にわかるため、老後の生活設計や収支シミュレーションをしやすいです。
投資信託
投資信託は、投資先の銘柄選びや購入・売却のタイミングといった判断を、投資の専門家に任せる資産運用方法です。そのため、投資信託が初めての方や不安な方でも取り組みやすい方法と言えます。
投資先の商品は多岐にわたり、主に以下が挙げられます。
- 株式
- 債券
- 不動産投資信託(REIT)
投資信託は、多くの投資家から集めたお金をまとめて運用する仕組みであり、月々1,000円からといった少額投資が可能です。また、世界中の株式や債券に分散して投資することでリスクを軽減できます。
NISAを利用した投資信託も可能ですが、元本割れリスクもあるため、投資先の選出は慎重に行う必要があります。
株式投資
株式投資は、企業が発行する株式を購入し、株主となって利益を得る資産運用方法です。
株式投資で得られる利益は、主に以下の3つです。
- 配当金
- 株式の売買差益
- 株主優待
企業の業績が良好であれば配当金が受け取れるため、老後の生活費に充てられる可能性があります。また、株価が上がったタイミングで売却すると、売却益が得られる可能性もあります。
ただし株式投資は、株価が下がれば紙切れ同然といわれるほど、リスク&リターンの幅が大きい運用方法です。株価を読み取る力がなければ売買差益を狙うことは難しいでしょう。
また、損失を避けるための売却タイミングを把握したり、企業の情報だけでなく経済・市場の動きなどを理解したりする必要もあります。
こうした特徴があることから、株式投資は一定の投資経験を持っている方におすすめの資産運用方法だと言えます。
貯蓄型保険
貯蓄型保険は、満期保険金や解約返戻金が受け取れる「保障」と「積立」が一体化した保険商品です。
老後の資産運用に適した貯蓄型保険の種類は、以下の通りです。
- 終身保険:解約時点で一生涯の死亡保障は消滅するが、現金化が可能
- 養老保険:途中解約でも解約返戻金が発生し、満期まで継続すれば満期保険金が受け取れる
円建ての貯蓄型保険は、国内の株式や投資信託、債券などで保険料が運用される仕組みです。大きな利益は期待できないものの為替の影響を受けないため、早期解約しない限り元本割れのリスクは少ないという特長があります。
一方、外貨による運用で高い利率が期待できる貯蓄型保険として、外貨建て保険や変額保険が挙げられます。円建てに比べて高いリターンが期待できる一方、為替変動の影響を受けやすいです。そのため、解約返戻金や満期保険金の受取時の為替状況で、利益率に大きな差が生じます。
貯蓄型保険を選ぶ際には、運用に充てられる資金や得たい利益に応じて、円建てか外貨建てかを検討すると良いでしょう。
老後に向けた資産運用のポイントと注意点
老後の資産運用は、増やすことと同じく「守りながら取り組む」という視点が欠かせません。以下のポイントを意識しながら、バランスの取れた運用計画を立て、資産寿命を伸ばしましょう。
- リスクの高い商品や毎月分配の投資信託には注意する
- 資産を増やすことだけに目を向けない
一つずつ解説します。
リスクの高い商品や毎月分配の投資信託には注意する
老後の資産運用では、先の長い老後を見据え、リスクの高い商品を選ぶことは避けましょう。リスクの高い商品は、成功すれば魅力的なリターンを得られるケースも多いですが、小さな選択ミスが大きな負担になる可能性が高いです。
たとえば、老後の投資信託で避けたいものとして「仕組債」や「毎月分配型」があります。仕組債は、通常の債券よりも高い利回りに特徴がある商品ですが、元本割れリスクが高い傾向にあります。また、毎月分配型の中には、元本の中から分配金を取り崩しているケースもあることに注意が必要です。
いずれの商品も投資初心者には難しい商品であるため、「守って増やす」老後の資産運用には適していないと言えるでしょう。
資産を増やすことだけに目を向けない
老後の資産運用では、資産を増やすことだけに意識を向けるあまり、高いリスクを選ばないことが大切です。
まとまった資金を保有している場合、預貯金よりも投資の方が多くの運用益が得られると考えがちです。しかし、すべてを投資に回すと、損失によって老後資金が大きく目減りしてしまう可能性があります。
また、預貯金を保有していると、「必ず儲かる」といった老後資金を搾取する投資詐欺に騙されやすい傾向にあります。いうまでもなく、投資は必ず儲かると断言できるものではありません。
老後の資産運用で後悔しないためには、ただ資産を増やすのではなく、目的と道筋を立てて信頼できる金融機関を利用することが大切です。
老後に向けた資産運用に関するよくある質問
老後の資産運用を検討する際には、さまざまな疑問が次々と湧いてくるものです。ここでは、老後の資産運用について抱きがちな悩みについて分かりやすく解説します。
老後の資産運用において、やってはいけないことは?
老後の資産運用で最もやってはいけないことは、「目的の定まらない投資」です。目的が明確でないと、適した運用方法が選べないことや、リスク許容度が不明確で感情的な取引となる可能性が高いためです。
また、投資で重要とされる「出口戦略」が描けないリスクもあります。
思いつきやギャンブル感覚で無茶な投資をすると、老後の生活資金を大きく減らしてしまう可能性があります。退職金の一括投資やハイリスクの投資などは避け、安定した資産運用を目指しましょう。
老後の資産運用計画はいつから立てるべき?
老後の資産運用計画は、意識したときから始めるのがおすすめです。
たとえば、希望する資産額に到達させるためには、短期間よりも長期間にわたって取り組んだ方が、積み立てる金額の負担は軽減します。
また、退職金を実際に受け取ってから運用方法を決めるより、早くから投資などの資産運用に慣れておくのも良いでしょう。知識や経験をもとに、より多角的な視点を持ち、時間をかけて退職金の資産運用方法を検討できます。
老後生活に対する疑問や不安がある方は、思い立った今こそ老後の資産運用計画を立てるチャンスです。
まとめ
老後の資産運用を考える際には、資産寿命を延ばすことを意識し、守りを固めながら資産を増やすことが大切です。保有する資産を目的別に分け、それぞれに適した運用方法を決めるのが資産形成を成功させるコツです。
資産運用にはいくつか方法がありますが、それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握し、自身に最適な方法を選択しましょう。
なお、老後の住み替えを検討している場合は、持ち家を売却して資産運用資金を調達するのも選択肢の一つです。
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