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「空き家を解体したいけれど、どんな流れで進むのかわからない…」
そんな不安を抱えている方は少なくありません。
解体工事は頻繁に経験するものではないため、
手順を理解しないまま進めると、余計なトラブルや費用が発生することもあります。
この記事では、初めて空き家の解体を検討する方でも安心して進められるよう、
工事開始までの流れ、作業工程、気をつけたいポイント を総合的にまとめました。
1. 解体工事の全体像とスケジュール感を把握する
解体工事は、思っている以上に準備が必要です。
最初の見積もり依頼から完了まで、概ね3か月前後 はみておきましょう。
一般的には、次のような流れで進みます。
① 解体業者の選定・見積もり
② 各種届け出やライフライン停止の手配
③ 事前準備(足場・養生・外構撤去など)
④ 解体工事
⑤ 整地・完了確認
⑥ 滅失登記の申請
特に4月・12月は依頼が集中するため、早めに動き出すのが鉄則です。
2. 手順①:解体業者の選び方と見積もり依頼のポイント
業者選びは「複数社比較」が必須
解体業者は多数ありますが、価格差・作業品質には明確な違いがあります。
1社だけに依頼すると、相場感が掴めません。
・ネット検索
・知人からの紹介
・過去依頼した業者への再依頼
など方法はさまざまですが、最低2~3社に見積もりを依頼するのが基本。
極端に安い見積もりには注意
解体費には
・人件費
・重機費
・産廃処理費
など一定の原価があります。
相場より極端に安い業者は、
後から追加請求をする・不法投棄を行うリスクがあるため注意しましょう。
3. 手順①の続き:現地調査と見積り確定
業者が現地確認を行い、以下をチェックします。
・建物の広さ・構造
・道路状況(重機搬入可否)
・アスベストの有無
・周辺環境
道路幅の不足や搬入不可の場合、手作業が増え追加費用が発生するケースもあります。
また、2006年以前の建物はアスベストの可能性があるため、
事前調査の結果で費用が変わる点を理解しておきましょう。
4. 手順①の締め:契約書の確認は必ず行う
見積もりに納得したら契約をします。
口約束のみで工事を始める業者もいますが、後のトラブル原因になります。
・工期
・費用
・追加料金の条件
・廃棄物の扱い
など、契約内容は細かくチェックすることが重要です。
5. 手順②:各種申請とライフラインの停止
行政への届け出(業者が代理で行う)
解体工事には、次のような届け出が必要です。
・建設リサイクル法の届出(80㎡以上)
・騒音・振動関連の届出
・道路使用許可
・歩道占用許可
また、廃棄物の流れを示す「マニフェスト」の確認も必要です。
ライフライン停止(依頼主が行う)
・電気
・ガス
・電話
・インターネット
・セキュリティ
などは、依頼主側で停止の手続きを行います。
特に「解体のため撤去が必要」と伝えるとスムーズです。
※水道は解体作業に必要なので止めません。
6. 手順③:着工前の準備
主に次の作業を行います。
・外構の撤去(必要な場合)
・足場・養生シート設置
・防音パネルなど環境配慮措置
工事前の準備段階で、近隣への挨拶も行います。
業者と一緒に回るのが一般的です。
7. 手順④:解体工事の実施
解体は次の順番で進みます。
① 内装・屋根の手作業での撤去
分別作業もこの段階で行います。(建設リサイクル法で義務化)
② 建物本体の解体
重機で建物を取り壊します。
粉じんが出やすいので散水しながら行います。
③ 基礎の撤去
地中部分を掘り出す作業で、騒音が大きくなりがちです。
この時点で地中埋設物(浄化槽・瓦礫・井戸など)が見つかると追加費用が発生します。
8. 手順⑤:整地と引き渡し
建物を撤去したら、地面を整え工事完了です。
・産廃処理の最終確認
・道路・敷地の清掃
・依頼主立ち会いの最終チェック
が行われます。
問題なければ引き渡しとなり、近隣へのお礼も早めに済ませておきましょう。
9. 最後の手続き:建物滅失登記
解体後、1か月以内に法務局で滅失登記が必要です。
委任する場合は土地家屋調査士が対応します(3〜4万円程度)。
また、解体後は土地の固定資産税が上がる可能性があるため、
早めに土地活用の方針を考えておくことが大切です。
まとめ
空き家の解体は、見積もり段階から完了まで多くの手順があります。
工事の流れを理解しておくことで、予定外の費用やトラブルを防ぎ、
スムーズに解体工事を進めることができます。
「何をいつまでにやるか」を意識しながら、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
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