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定年とは会社員生活のゴールであり、また新たな生活のスタートでもあります。これまでの生活をリセットして新しい環境で暮らしたいと、定年後の移住を検討する方もいるのではないでしょうか。
ここでは、定年後移住のパターンや定年後移住をする際の注意点などについて説明します。
定年後に移住する選択
仕事をしている間は、住む場所もライフスタイルもどうしても会社が中心でした。しかし、定年を迎えるとそのような制約がなくなります。
ずっと働き続けて、せっかく迎えた第二の人生。「故郷に帰りたい」「お気に入りの場所に住みたい」「田舎でのんびり暮らしたい」と、理想の生活を夢みている方もいるでしょう。
人生100年とも言われる時代、定年とは新たな生活のスタートでもあります。定年後はより自分らしい生活を送りたい、定年後移住はそんな思いをかたちにするためのステップとも言えます。
定年後の移住スタイル
定年後の移住というと、都会から田舎へというイメージがありますが、実際はさまざまなスタイルがあります。自分に合った移住スタイルを選ぶことが大切です。
完全移住
完全移住とは、それまで住んでいた住居を引き払って、新しい土地に引越し、生活の拠点を完全に移すことです。心機一転、理想とする土地で生活できる点が大きなメリットです。
住む場所にもよりますが、地方に移住する場合は都市部に比べ住居費や生活費が安く済みますし、広い家に住める場合もあります。
一方で、住む場所によっては医療機関やお店が少なく、生活に不便さを感じる場面もあるかもしれません。慣れるまでは多少のストレスを感じる可能性もあります。
二拠点生活
二拠点生活とは、それまで住んでいた住居も維持しながら、新たに住みたい場所に住居を持ち、2つの場所を行き来しながら生活することです。夫婦で一緒に2つの家を行き来するという生活だけでなく、都会と地方に居を構え、妻は都会で暮らし、夫は地方で農業をする、というケースもあります。
二拠点生活は、それまでの生活のよい部分をキープしながら、新しい生活の楽しさも手にできることがメリットです。デメリットをあげるとしたら、2つの住居の維持費や移動の交通費がかかること、住んでいない間の防犯対策が必要なことなどです。
地方移住
地方移住とは、都会から地方へと移り住むことです。一口に「地方移住」と言っても、都会の住居を処分して完全移住する、地方にセカンドハウスを持って二拠点生活をする、地方の実家と頻繁に行き来するというように、いろいろなスタイルがあります。
何かと慌ただしい都会を離れて、自然が豊かな地域で健康的な暮らしを送れることがメリットです。しかし、車がないと生活が不便といった地域もありますし、移住先の生活ルールや人間関係になじめないというケースもあるので注意が必要です。
海外移住
「いつかは海外で暮らしてみたい」、そんな夢を定年後にかなえる人もいます。日本より物価が安い国で暮らせば、生活のコストを抑えてよりゆとりのある生活をすることも可能です。
しかし、言葉や文化の違いやお金の面などで、国内で移住するよりもハードルが高いことも事実です。移住後に病気になったり介護が必要になったりしたときにどうするかも考えておかなければなりません。海外移住をする際には、国内移住以上にしっかり準備をして臨むことが大切です。
定年後の移住先を決めるポイント
まず、自分が定年後の生活で大切にしたいことを洗い出していきましょう。「自然のなかでゆとりある生活をしたい」「農業をしながら自給自足の生活をしたい」「趣味を充実させたい」「慣れ親しんだ故郷に帰りたい」など、いろいろな希望があるでしょう。その希望に沿った地域をピックアップしていきます。
たとえば、「自然が豊かな田舎で暮らしたい」と思っても、地方の中核都市のほうが暮らしやすく自然にも触れられる場合もあり、不便な田舎だと思っていたら実は新幹線を使えば都会にすぐ出られる地域もあります。移住先を決める際には、さまざまな角度から情報を集めて検討しましょう。
同時に、ピックアップした地域が暮らしやすいかどうかも大切なポイントです。買い物や通院などの日常生活に不便はないか、しっかり検討しましょう。生活するには車が必須という地方もありますが、年齢を重ねて車の運転ができなくなる可能性もありますので、公共交通機関が利用できるかについてもチェックが必要です。また、シニアに対する医療や介護・福祉制度が整っているかどうかもチェックし、どのような福祉サービスがあるか確認しておきましょう。
定年後移住の注意点
定年後の移住を成功させるための注意点について、確認しておきましょう。
資金計画を立てる
まず、資金面で不安のないようにしっかり準備しておくことは重要です。移住先で家を購入して引っ越すとなると、お金がかかります。
都会よりも地方で暮らすほうが生活費は安くなるのが一般的ですが、住む場所によっては車が複数台必要だったり、寒さが厳しい地方で光熱費がかかったりする場合も考えられます。また、移住したあとの病気や介護のリスクに対しても備えておかなければなりません。
定年後に必要な資金やライフプランの作り方に関しては、下記記事をチェックしましょう。
移住先の事前調査|移住後の生活
移住先を決める際には、時間をかけてしっかり調べ、イメージや旅行の印象だけで決めることは避けましょう。移住先の候補を見つけたら、すぐに引越すのではなく、お試しで短期間住んでみることをおすすめします。できれば四季を通してどのような気候かを経験しておくとよいでしょう。
移住後は、移住先のコミュニティに自分から入ろうとする姿勢が大切です。地方に移住すると、生活習慣や考え方の違いに戸惑うこともあるかもしれません。しかし、これまでの自分の価値観ややり方にこだわるのではなく、新しい環境を積極的に受け入れて楽しんでいくことが充実したセカンドライフにつながります。
定年後移住を成功させるための3つのポイント
ポイント1:移住支援制度を確認する
自治体によっては、移住希望者に対してさまざまな支援制度を設けており、実際に引越す前にお試し移住ができたり、地域の空き家を紹介してもらえたりします。
また、田舎に移住して農業を始めたいと思っている人に対して、農業の研修や農業を開始してからのサポートを行っている自治体もあります。移住先を探す際には、移住支援制度があるかどうかを確認しましょう。
ポイント2:家族に相談する
定年後に移住したいと考えたときには、家族としっかり相談しながら進めることが大切です。とくに配偶者とは、お互いにこれからどのような生活を送りたいのかをじっくりと話し合い、両者が納得したうえで移住を進めましょう。
また、子どもにも自分たちの考えをきちんと伝え、移住先での生活スタイルや将来の見通しについても共有しておきましょう。
ポイント3:家をどうするか決めておく
移住する場合には、現在住んでいる家やマンションのことも考えなければなりません。完全移住の場合は、家を手放す、賃貸にするといった選択肢が考えられます。
ゆくゆくは子どもに相続したい、万が一移住先の生活がうまくいかなかったときのために保有しておきたいと思う方もいるでしょう。しかし、老後の生活を考えると、生活はできるだけコンパクトにしておくことがおすすめです。
家やマンションは保有しているだけでコストも手間もかかりますが、売却すればそのお金を新生活の資金として使えます。定年後に移住する場合は、家をどうするかについても家族と相談しながら慎重に判断することが大切です。
下記の記事で不動産買取に関する基本的な情報をまとめているので、興味のある方はこちらもチェックしてみてください。
定年後移住で充実したセカンドライフを
仕事や子どもの教育環境などに縛られない定年後の生活は、自分が住みたい場所で、自分が本当に送りたかった生活に踏み出すチャンスです。定年後移住を成功させるためには、しっかり情報収集をして、家族ともじっくり話し合いながら進めることが大切です。自分に合った移住先を見つけて、充実したセカンドライフを送りましょう。
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