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還暦となる60歳が、「高齢者」と呼ばれる時代は、もはや過去のものです。「生まれた歴に還る」という言葉の通り、還暦は終わりではなく、新たなチャレンジのためのライフステージなのかもしれません。
シリーズ「フェーズ60の選択」は、インタビューを通じて、それぞれの方が「60代でどんな選択をしたのか」にスポットライトを当てます。是非、ご自身のセカンドライフでの「選択」に役立ててください。
今回は、「働く」をテーマとして、派遣会社である㈱高齢社を通してホーム清掃・洗濯スタッフとして働き続けられているヒノさんを紹介します。
(ヒノさんは2023/11/23 羽鳥慎一のモーニングショー「働く高齢者」の特集に出演されました)
業務のやりがいは?
インタビュアー:早速ですが、現在の業務内容を教えて下さい
ヒノさん:高齢社 という派遣会社に登録し、派遣先の特別養護老人ホームで清掃・洗濯スタッフとして働いています。
インタビュアー:業務内容について、どのように感じられていますか。やりがいなどもあれば教えていください。
ヒノさん:清掃の業務は性分に合っていると思います。頑固な汚れを見ると俄然やる気がでます。落ちた時が本当に気持ちいいんです。
あとこれは業務ではないですが、業務の合間に入居者さんに何気ないことを話しかけることは心がけています。入居者さんは、私と同年代の方が多く価値観や冗談が通じるものがあります。喜んでもらえて笑顔を見ると、自己満かもしれませんがやりがいを感じます。
(写真:ホームのエントランス、隅々までヒノさんこだわりの清掃が行き届いている)
今の業務にたどり着くまで
インタビュアー:この業務につかれる前には色々なお仕事を経験されたと伺いました。
ヒノさん:もともとは服飾関係の自営業をしていました。
でも洋服の作業は細かいものが見えなくなると、仕事を断らなくてはならなくなる、
同時期に、離婚や自分の病気などが起こってかなり参った状態になりました。
運が良かったのは、いろいろな人が「こんな仕事あるよ」と声をかけてくれたこと。
紹介などを頼りながらちょこちょこいろんな仕事をしました。それこそ、スナックの経営もしました。
インタビュアー:何と!そんな多彩な経験をしてきた中で、今のお仕事に就かれた経緯を教えてください。
ヒノさん:服飾と、今の仕事、全く違うようで経歴が役立つことがあります。
例えば、ブティックで働いていたときは相手の服装、挙動などを注意深く観察することを心がけていましたが、入居者さまの様子に気づくのはもちろん、洗濯物の持ち主の特定にまで役に立っています。
インタビュアー:大変なことはありますか?
ヒノさん:今の年齢で新しいことを覚えるのは大変。今の仕事先は施設長をはじめ、周囲の皆さまが
いい人ばかりで、わからないことも聞きながら問題なく進められている。
また、突き詰めたい性分ではあるため、ホームでの掃除も研究しながらより良いやり方を探しています。
年齢を重ねて働くことについて
インタビュアー:ヒノさんにとって「働く」とはどういう位置づけですか?
ヒノさん:働かなくていいなら働かないかもしれない。でも、生活がかかっているので働きます。
そして、働かなかったらボケちゃうので子供に迷惑をかけてしまう。
人によっては「元気だから働けるのよ」という人もいますが、自分自身は働くから元気なのだと思っています。
年齢にしては若い!とよく言われるのはうれしい部分です。
(写真:ヒノさんが働かれているホーム)
インタビュアー:「年を重ねたうえで働く」ことを検討している50-60代の『若手』に対して伝えたいことはありますか?
ヒノさん:自分は服飾の仕事が続けられないような状態になった時、「何をしよう」と思いました。
やっぱり、安定した収入がないと不安になります。
でも、今思うと、その不安の状態でもいろんなことに飛びついて挑戦したことが良かった。切り替えるべき時には切り替えないといけない。
働かなくてもいい資産があるならよいが、働く必要があるなら考えておいたほうが良い。特に、若い時なら新しい職場に対応できても、年を重ねると慣れ親しんだ職場が良かったりします。そういう観点でも、自分の性分に合った職場を探し始めておくとよいと思っています。
インタビューまとめ
インタビューにご協力いただいたヒノさんは、姿勢のすっと伸びたユーモアたっぷりの素敵な女性でした。服飾という天職から、様々な挑戦をされて、掃除洗濯という天職にたどりつけたのは、ご本人のバイタリティであると感じました。
ヒノさんが派遣スタッフとして登録されている高齢社は、以下の記事でも紹介していますので、是非閲覧をしてみてください。そのほかの働かれている方のご紹介もしています。
インタビュー協力:高齢社