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これから老後の準備を始めるのであれば、日々の長い時間を過ごす住宅を整えることは老後収支を改善するために欠かせないものとなります。
老後の生活を豊かで安心なものにするため、この記事では、東京ガスで住宅の設備に向き合ってきた専門家である石黒さんにインタビューし、太陽光発電と蓄電池がもつ経済メリットなど老後資金計画との関係を解き明かします。
老後で考えるべき住宅像とは
インタビュアー: 現代社会において、老後の生活設計は重要なテーマの一つです。太陽光発電と蓄電池の設置が、老後の生活にどのような影響を与えると考えますか?
石黒: 定年退職などにより自宅滞在時間が増えることで、老後は日中の電気使用量が増えることで光熱費がかさむ傾向にあります。実際に、環境省の調査でも年代が上の世代ほど一人当たりの電力消費量が多いことが分かります。増えてしまう理由としては、使用時間が増えることが主に挙げられます。
そのような状況において、太陽光発電と蓄電池のセットが有効になります。
まず第一に、太陽光発電は日中に太陽光から電力を生成し、その電力を自宅で直接利用することで、契約電力と全体使用量をダブルで引き下げ、電気代の節約につながります。また、余った電力を売電することにより、収入源を確保することもできます。これにより、老後の経済的な安定性を高めることができます。
導入をしたくなったらどんな点に注意すればいい?
インタビュアー: 太陽光発電と蓄電池の導入をしたいとなった際、どのような点に注意したほうがいいですか?これまで関わられた事例なども踏まえて教えてください。
石黒:まず「太陽光発電が有効に働くか?」を検討してから、蓄電池とセットにするかを検討することをお勧めします。
太陽光発電の設置には、自宅の屋根の条件や立地を考慮し、最適なシステムを選択することが必要です。次に、自身のライフスタイルや電力使用量に合わせた容量を選ぶことが重要です。初期投資は必要ですが、長期的な視点で見ると、電気代の節約や売電収入、災害時の安心感など、その価値は非常に大きいです。専門家と相談しながら、自身のニーズに最適なプランを立てることをお勧めします。
インタビュアー: 太陽光発電を設置する際、蓄電池は設置したほうがいいのですか?
石黒: 蓄電池を設置しておいた方が、よりメリットを高められます。日中に太陽光発電で電力を生成し、使用しきれなかった太陽光発電の電力を蓄電池に蓄えることで、夜間や雨天時でも自家発電した電力を使用して電気代の節約がより可能になります。
防災性だけじゃない、多数のメリット
インタビュアー: 太陽光発電の設置は、経済性のほかにもメリットがあるのですか?
石黒: 太陽光発電は、光熱費の削減はもちろん、持続可能なエネルギー源の一つとして、環境にプラスの効果を生み出します。次世代に豊かな環境を残していく責任ある行動を選んでいくうえでも、重要な意味を持つものです。
また、蓄電池とセットとすることで有事の電源の確保にもつながります。大規模災害のリスクを抱える日本においては、これは重要な意味を持ちます。
注1)太陽光発電の試算条件:太陽光発電設備容量4kw、太陽光発電1kWあたりの発電量1000kWh/年としたときの東京ガス試算。CO2排出係数は「地球温暖化対策計画」(2021年10月改定)2030年の火力平均係数見通し0.60kg-CO2/kWhを使用
注2)林野庁ホームページ「関東森林管理局/森林の二酸化炭素吸収力」 より、50年生のスギの木が1年間平均で1本当たり約14kgの二酸化炭素を吸収するとして試算。
まとめ
インタビュアー: 太陽光発電と蓄電池の導入を考えている人々に向けて、エネルギーの専門家としてメッセージをお願いします。
石黒: 太陽光発電と蓄電池の導入は、ただ単に電気代を節約するだけではなく、老後の生活をより安心で、豊かなものに変える大きな一歩です。未来の自分と家族のために、今から始める準備として是非おすすめをします。私たちはエネルギー会社として、太陽光発電や蓄電池のご相談を通じて、豊かで安心した老後の生活を実現する手助けをしていければと思います。