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還暦となる60歳が、「高齢者」と呼ばれる時代は、もはや過去のものです。「生まれた歴に還る」という言葉の通り、還暦は終わりではなく、新たなチャレンジのためのライフステージなのかもしれません。
シリーズ「フェーズ60の選択」は、インタビューを通じて、それぞれの方が「60代でどんな選択をしたのか」にスポットライトを当てます。是非、ご自身のセカンドライフでの「選択」に役立ててください。
今回は、「働く」をテーマとして、派遣会社である㈱高齢社を通して経理業務として働かれているスズキさんを紹介します。
専業主婦から企業での仕事へ
インタビュアー:鈴木さんは専業主婦をされていて、50代で働くのを再開したのだと伺いました。
スズキさん:はい。時代もあり、妊娠して退職後は専業主婦として子育てに専念していました。子供はすぐに大きくなるので、小さい頃にしっかり関われたのは良かったです。
ただ、やはり妊娠前に勤めていた会社が好きで、何か機会があればまた関わりのある仕事をしたいと思っていました。
子育てがひと段落した時期に、偶然今の会社に関連するパートの求人を見かけて、思わず応募をしてしまいました。
インタビュアー:すごい会社愛ですね!どんな仕事だったのですか?
スズキさん:会社で管理されている施設の植栽管理でした。もともとガーデニングが好きでしたし、いい人たちが多かったので、楽しかったです。
インタビュアー:そこから、どのように高齢社からの派遣の仕事に変わられたのですか?
スズキさん:植栽管理の事業自体が縮小されることになってしまったのですが、働き続けたいという強い希望がありました。
それまでは専業主婦が長く、働くのは体力的に無理と思い込んでいましたが、パートを通して「結構いける」という自信がついたのだと思います。それで、フルタイムで働きたいと思い、同僚から今の会社への派遣に伝手のある高齢社 の紹介をしてもらいました。
その時に初めて高齢社のことは知りました。
インタビュアー:高齢社での派遣はどのように始まったのでしょうか。
スズキさん;初回の面接でなんと2時間も話し込んでしまいました(笑)
高齢社の受け入れは60歳からなのですが、その時私は60歳になる直前で、誕生日の後すぐに同じ会社で働き始められました。そこで、最初は営業部門で働き、その後現在の業務についています。
インタビュアー:今の会社はなぜそこまで気に入っているのですか?
スズキさん:アットホームで温かい人が多いのがいい。最初に入った時にとても楽しかったという経験も大きいかもしれない。
派遣の仕事への不安
インタビュアー:派遣される前に、不安など感じられた部分を教えてください。
スズキさん:パソコンを扱うことにすごく不安がありました。念のためパソコン教室にも通いました。
インタビュアー:実際はどうでしたか?
スズキさん:やはりわからないことはかなりありましたが、職場の人たちが教えてくださいました。温かく教えてもらえるので、頑張ろうという気になります。
インタビュアー:体力的な部分ではどうですか?
スズキさん:通勤時間が長く、残業もあるので疲れる時もあります。ただ、体がもつうちは頑張りたいと思います。でも、周りで私より年齢が上でも働いている人を見ると、まだ頑張れると思えます。体がきついときでも、行かなきゃいけないところがあるのは幸せだって感じます。
働く意義は?
インタビュアー:スズキさんにとって、働くとはどういうことでしょうか。
スズキさん:私にとって働く意義は、お金はもちろん重要ですが、社会参加ができるということです。IT化をはじめ、会社の仕事はどんどん変わっていきます。だから、自分はそれについていかなければならなくなる。ついていった結果、それが習得できる。
また、若い人としゃべって刺激をもらえるのもいい点です。本当にうれしかったのはこの年になって新しく、旅行を一緒にするほどのお友達ができたことです。
家にずっといるよりも、働くから規則正しい生活で元気になれているのだと思います。高齢社が掲げる「元気だから働くのではなく、働くから元気になる」はその通りだなと実感します。
インタビュアー:高齢社の派遣として働き始められて、変わった部分があったら教えてください。
スズキさん:今やっている経理は、初めての世界でどうしたらよいかわかりませんでした。ただ、任されたからには、ちゃんとやりたいと思ってしまう。一生懸命やらないのもイヤ、付いていけないのもイヤになってしまう。もしかしたら、負けず嫌いのかもしれません。
この年になって改めて、こんな人間だったのだなと気づきました。
インタビュアー:年を重ねた今について、スズキさんはどのように感じられますか?
スズキさん:子供が巣立って、自分の時間ができました。
自己実現として仕事もできていますし、長年やっている趣味のフラダンスも舞台に立つなどさらに力を入れていきたいと思っています。
年を重ねるということは諦めるということではないのだと思います。そりゃあ、若い時よりは体力がないかもしれませんが、経験値は絶対に生かせると思います。
私は、子育ての経験で強くなりました。それは仕事をするうえで役に立っているのだと思います。
インタビューまとめ
会社から「良い環境」と「スキルアップになる業務」を受け取り、そこで努力することでその人自身が輝くというのは、人材を活用するうえで最良の循環なのではないでしょうか。
スズキさんは年齢と経験を重ねられることで、自らその循環を作り出されているのだと感じました。笑顔とエネルギーにあふれたスズキさんのような人に愛される仕事が増えることが、年齢に関係ない活躍が増えるための重要な要素であると実感しました。
スズキさんが派遣スタッフとして登録されている高齢社は、派遣の以下の記事でも紹介していますので、是非閲覧をしてみてください。そのほかの働かれている方のご紹介もしています。
インタビュー協力:高齢社