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近年、60歳以上のシニアが働き続けることが増えてきました。長寿化に伴い、健康な状態で働くことができるシニアも増えていますが、体調に合わせて働くためには「健康管理」「労働環境」「スキルアップ」「ワークライフバランス」「コミュニケーション」のいずれも欠かせないと言われています。ここでは、5つのポイントについて詳しく説明し、柔軟な働き方の中で「生きがい」をもつことをサポートする株式会社 高齢社を紹介し、長く働ける職場について考えていきます。
シニアが「働き続ける」ために必要な5つのポイントとは
年齢を重ねても長く働き続けるポイントは以下の5つがあります。
【1. 健康管理】
60歳以上が働き続けるためには、まず大事なのは健康管理です。定期的な健康チェックや予防接種、適切な食事、適度な運動で、体調を良好に保ってはじめて、楽しく人とかかわりながら仕事を続けることが可能になります。
【2.労働環境】
60歳以上において、若い頃より体力が低下していることは仕方のないことで、自分のペースに合わせて働くことが重要になります。そのため、例えば、柔軟な勤務時間やリモートワーク、仕事の負荷の調整がされた職場を見つけることで、長く働いていくことが可能になります。
【3. スキルアップ】
シニアとなった時に働き続けるためには、スキルアップとキャリアサポートも重要です。労働環境は常に変化し続けており、現役時代の知識に固執せず、新しいビジネススキルやビジネスマナーの習得をすることで、周囲の役に立ち、「役に立った」という自信にもつなげることが可能となります。
【4. ワークライフバランス】
長く、楽しく働き続けるためには、現役時代よりもワークライフバランスの確保が重要になります。仕事とプライベートの時間のバランスを取り、適度な休息を取ることで、体調を維持し続けることができます。
【5. コミュニケーション】
働き続けるためには、職場内での得られるコミュニケーションも重要です。シニアは多くの経験と知識を持っていますが、同じ働場にいる若い世代もまた、最新の知識を持っています。コミュニケーションを通してこれらを掛け合わせることで、自分にとっても勤め先にとっても得難い成果を生み出せるでしょう。
働き続ける5つのポイントを実現した高齢社とは
それでは、5つのポイントを兼ね備えた働く場とはどんなところなのでしょうか。
ここで紹介する株式会社 高齢社は、「高齢者は戦力である」を経営理念として設立された人材派遣会社です。ここでは60代が「若手」として、上は83歳の大先輩になるまで働き続けています。
そんなシニアがいきいきと働ける職場はどんなところなのでしょうか。社長の村関さんへのインタビューから読み解きます。
高齢社が大切にする幸せな老後を過ごす3つの条件
インタビュアー:高齢社を介して働かれている皆様を拝見すると、本当にニコニコとしながら働いていらっしゃいます。その秘訣があれば教えてください。
村関社長:高齢社の目指すところは、「幸せな老後を過ごす3つの条件」を実現することです。それは、「健康」「人や社会とのつながり」「そこそこのお金」です。この3つは、実は「無理なく働くこと」で実現できるのです。高齢社では、週に3~4日程度の無理のない働き方を提供し、仕事のない日は病院に通ったり、平日ゴルフを楽しんだり、孫にお小遣いをあげたりする余裕を持つことができます。そして、仕事をしているからこそ、人から頼られ、やる気を感じることができるのです。
設立の経緯
インタビュアー:なるほど(笑)「そこそこ」だからこそちょうどいいリズムが生まれるのですね。あまり一般の会社では見られない風土のように感じますが、高齢社はどうして今のような形になったのでしょうか。
村関社長:高齢社の創業者は、東京ガスの子会社の社長をしておりました。この会社は、マンション入居者向けのガス機器の説明業務を担っていたのですが、マンション入居者への説明は土・日が多く、社員でやっていると振替休日が発生したり、人のやりくりに苦労したりしていました。そこで思い浮かんだのが、「経験のある定年した先輩方が暇を持て余している。」「奥さんも、家にずっといられて困っている。」ということでした。そんな経緯で定年を迎えた方たちの業務経験やスキルで、「もう一度活躍してもらおう」と始めたのが高齢社のスタートでした。
その後、多様な業務も取り込み、募集も拡げていくことで、今は約1,200名の方が登録。400名の方が派遣社員として働いています。
どんな仕事があるの?
インタビュアー:現役でもそうですが、仕事の合う合わないや、業務量の適正化などは難しい問題です。高齢社ではどのように「いきいき」と働くための仕組みづくりをしているのでしょうか。
村関社長:その人のスキルや経歴に合わせ、幅広い業種・職種を提案させていただいています。
企業を紹介する際も、「やりがい」「無理なく働く」「充実のサポート」により働く人にメリットを感じてもらえるよう万全の体制を敷いています。例えば、一つの仕事を2〜3人で行うワークシェアや、定期的に行う安全教育は、無理なく、継続的に働くための仕組みづくりの一環です。
また、派遣者の方には担当の営業スタッフがつき、お一人お一人によりそう伴走者の役割をすることで、安心してお仕事をしていただくようにしています。
インタビュアー:なんでも、担当の営業スタッフごとにオリジナルの伴走をしていらっしゃるとか。
村関社長:営業スタッフには情熱をもって腰を据えて派遣者の方と向き合うよう、常日頃お願いしています。いつも弁当を持って派遣現場にヒアリングに行き、昼ご飯を食べながら派遣者と膝を突き合わせて日ごろの話を伺う営業スタッフもいれば、派遣者だけでなく職場の皆さまとのコミュニケーションを円滑にとり、お困りごとを伺い、派遣者にも職場にも有効な新しい提案ができる土壌を作り上げている者もいます。
皆共通して「派遣者の方こそ会社の一番の『財産』」であることを認識しているからこそ、ここまで本気になれるのです。
高齢社を通じて働かれている方々のインタビュー記事はこちら
そんな高齢社の仲間とは
インタビュアー:高齢社に登録したら、どんな風に働けますか?
村関社長:高齢社の事業の目的は、「一人でも多くの定年を迎えた方々にお仕事を紹介して働いてもらって、幸せを感じていただく」ことです。定年後の生活に不安を抱えている方々に対して、まずは飛び込んで仕事を始めてみることをおすすめしています。高齢社では、どんな仕事でも構わないので、やりがいを感じられる仕事を提供し、シニアの皆さんが再び充実した日々を送れるようサポートしています。
インタビュアー:この記事を読んで、もし高齢社に興味を持って仲間になりたいと思う人に向け、メッセージもお願いします。
村関社長:高齢社は、やる気のある皆さんを歓迎しています。定年後の生活において不安を抱えている方々に対して、高齢社は新たなチャンスとなる仕事の提供をしています。ぜひ一度、飛び込んでみてください。高齢社は、皆さんのやる気とパフォーマンスをお待ちしています。
インタビューを経て
今回のインタビューで関わった人生の大先輩方が「若手ですから」「新入社員なんです」と素敵な笑顔をされていたことが、印象的でした。現役時代のようにガンガン働くのも楽しいものではありますが、皆さんのお話を聞く中で、年を重ねた際に高齢社のように「ほどよく、よいリズムで働くこと」は、長く働くうえでは大切なことであることを実感するとともに、皆さんの笑顔はそんな風土から生まれているのだと納得でした。
定年退職後も働き続けることの重要性が叫ばれる一方、体調に合わせて働き続けられる環境を提供している企業を見つけることは容易ではありません。今回インタビューをした高齢社では社長自らが派遣者の方へアンケートを取り、また、毎月お仕事紹介の案件を社長から直接登録者へメール配信するなど真摯に「年を重ねて、働く決断をした方」に向き合っている職場でした。
高齢化社会のなかで定年後も働くことが重要視され、様々な制度が整ってきてはいますが、一番大事なのは「人と人とが向き合う環境を作る」ことであるということを、今回のインタビューを通して気づかされました。
みらいほぷらっとではセカンドライフでの仕事を応援するための情報を提供しています。是非他の記事も参考にして、未来の仕事や、お金のことを考えてみましょう。
インタビュー協力:高齢社