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蓄電池選びで見るべき5つのポイント・太陽光発電システムと組み合わせる場合の選び方も解説

2025.01.06

近年、災害時の停電対策や電気代の節約、環境に配慮したエネルギーの有効活用として、家庭用蓄電池への注目が高まっています。しかし、「自宅に適した蓄電池の選び方が分からない」「蓄電池を導入したいけれど失敗したくない」といった不安を感じている方も少なくないでしょう。

ここでは、蓄電池の選び方を分かりやすく解説します。蓄電池と太陽光発電システムを組み合わせる場合の注意点もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

蓄電池の選び方

蓄電池は、ご家庭の状況や住宅環境などを踏まえたうえで、以下の5つのポイントに着目して選ぶと良いでしょう。

  • 蓄電容量
  • 停電時の電気の供給方式
  • パワーコンディショナー(以下パワコン)の仕様
  • 設置場所
  • 保証内容

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

蓄電容量

蓄電容量とは、蓄電池にどのくらいの電気を貯めておけるのかを表す指標です。「kWh(キロワットアワー)」の単位で表され、数値が大きいほど、たくさんの電気を貯めることができます。

ただし、蓄電池は一般的に、蓄電容量が多いほど価格が高くなります。そのため、蓄電容量と価格のバランスを考慮して選ぶことが必要です。その際、普段の電力使用量はもちろん、災害時に必要な電気についても考慮すると良いでしょう。

停電時の電気の供給方式

蓄電池の負荷タイプには「特定負荷型」と「全負荷型」の2種類があり、それぞれ停電時の電気の供給方式が異なります。

特定負荷型は、停電が起こったときに特定の部屋や電化製品にしか電気を供給できません。一方、全負荷型は停電時でも家全体に電気が供給されるものの、ちゃんと使えるようにするには家庭内の機器に応じた十分な容量が必要になるのが特徴です。どちらを選ぶべきかは、ご家庭の状況によって異なります。

まず、特定負荷型がおすすめな人は以下の通りです。

  • 家族の人数が少ない、一世帯家族
  • 停電時は最低限の電気だけ使えれば問題ない
  • 設置コストを抑えたい

一方、全負荷型は以下のような人に適しています。

  • 停電時でもいつも通りの生活を送りたい
  • 小さい子どもやペットがいる
  • 家族が多い、二世帯家族

これらも考慮して、最適なタイプの蓄電池を選びましょう。

パワーコンディショナーの仕様

パワーコンディショナー(以下、パワコン)とは、太陽光発電で発電した電気や蓄電池に貯めた電気を、家庭で使用できる電気に変換する機器のことです。パワコンには「単機能型」「ハイブリッド型」「トライブリッド型」の3つの種類があります。それぞれの特徴について、以下の表にまとめました。

パワコンの仕様 詳細
単機能型 ・蓄電池専用のパワコン
・太陽光発電システムと一緒に導入するときは2台のパワコンを使用するため、2台分の設置スペースの確保や修理・交換費用が必要
・2つのパワコンを経由するため電気の変換ロスが多い
ハイブリッド型 ・蓄電池と太陽光発電システムのパワコンが一体となったタイプ
・電気の変換ロスが少ない
・省スペースで設置できる
・修理や交換が1台分で済むので、メンテナンスコストを軽減できる
トライブリッド型 ・蓄電池と太陽光発電システムと電気自動車用の充電設備のパワコンが一体となったタイプ
・電気の変換ロスが少ない
・省スペースで設置できる
・修理や交換が1台分で済むので、メンテナンスコストを軽減できる
・導入費用は高額な傾向にある

太陽光発電システムの設置から15〜20年経過している人が、後付けで蓄電池を導入する場合は、ハイブリッド型蓄電池がとくにおすすめです。パワコンの寿命は15〜20年(※1)なので、そのタイミングでハイブリッド型のパワコンに入れ替えれば、太陽光発電システム側のパワコンの修理・交換費用を抑えられるからです。

これらの特徴を踏まえると、それぞれのパワコンの使用に適したケースは以下の通りです。

単機能型 ・蓄電池単体で設置する場合
・太陽光発電システムを設置して日が浅い場合
ハイブリッド型 ・これから蓄電池と太陽光発電システムを設置する場合
・太陽光発電システムの設置から15~20年経過している場合
トライブリッド型 ・電気自動車を所有している、購入予定のある場合

ただし、ハイブリッド型のパワコンと太陽光発電システムの相性が悪いと、故障の原因になりかねないため、注意しましょう。また、太陽光パネルと別メーカーのパワコンを設置すると、保証対象外となるケースもあるので、設置業者に相談しておくことが重要です。

設置場所

家庭用蓄電池には、屋内用・屋外用・屋内外兼用の3タイプがあります。また、同タイプであっても、サイズや必要なスペースは機種ごとに異なります。設置場所に問題なく置ける機種を選びましょう。

たとえば、以下のような人は屋内用、もしくは屋内外兼用のものを選ぶのが望ましいです。

  • 住宅の外観に影響を与えたくない
  • 外に設置できるスペースがない
  • 外に日差しや強風、積雪の影響を避けられる場所がない

ただし、屋外や屋内に置きたいという希望があっても、必ずしもその通りに設置できるとは限りません。設置業者と相談しながら、適切な機種や設置場所を決めましょう。

保証内容

蓄電池には10〜15年の保証期間が付いていることが多いです。保証期間が過ぎたあとに故障した場合は、有償で修理をすることになります。保証内容や期間はメーカーや購入先によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

なお、蓄電池の保証内容には、機器の保証と蓄電容量の保証の2つがあります。これらの違いは以下の通りです。

機器の保証 保証期間内に機器本体に製造上の不具合が発生したときに無料で修理対応する
蓄電容量の保証 保証期間内に蓄電池容量が規定値まで低下したときに無料で修理対応する

それぞれ保証対象となる事項が異なるので注意しましょう。

蓄電池と太陽光発電システムと組み合わせて選ぶ際のポイント


蓄電池の購入を検討している方のなかには、太陽光発電システムとの組み合わせを前提としている人も多いでしょう。蓄電池は、太陽光発電システムと組み合わせて使うことで、さらに効果的に電気を活用できます。

ここからは、蓄電池と太陽光発電システムを組み合わせて選ぶ際のポイントを見ていきましょう。

FIT卒業前であれば変更届が必要かを確認する

FIT制度(固定価格買取制度)を利用している場合は蓄電池を導入する際に手続きが必要で、導入するタイミングによって必要な手続きが異なります。

FIT制度の適用期間中であれば、「変更認定申請」を行い認定を受けることが必要です。一方で、FIT制度の固定価格買取期間が満了し、廃止届出が受理されるまでの間に導入する場合は、「事前変更届出」を提出するだけで済みます。

「太陽光発電システムの出力」と「余剰電力量」に合わせて選ぶ

蓄電池と太陽光発電システムを組み合わせる際は、「太陽光発電システムの出力」と「余剰電力量」に適した蓄電池を選びましょう。太陽光発電システムの出力とは、どのくらいの量の電気を発電できるのかを示すものです。余剰電力とは、発電した電気のうち家庭で使わずに余った電気のことで、蓄電池に貯めたり売電に回したりできます。

たとえば、余剰電力が蓄電容量を超える場合、余った電気は売電に回すしかありません。しかし、近年は売電価格が下がっているため、金銭的なメリットは少なくなってしまいます。

そのため、発電量や余剰電力に合わせた適切な蓄電池を選ぶことで、電気代を削減するほうが得策と言えるでしょう。

機器同士の相性で選ぶ

蓄電池と太陽光発電システムには、相性の良し悪しがあります。とくに、太陽光発電システムをすでに設置済みのご家庭で、蓄電池を後付けで導入する際は互換性があることを必ず確認しましょう。

互換性がないと性能を十分に発揮できなかったり、故障したりすることもあるため、設置前に業者に相談することをおすすめします。

蓄電池の選び方に迷ったらプロに相談しよう

蓄電池を選ぶ際は、以下の5つのポイントを考慮することが大切です。

  • 蓄電容量
  • 停電時の電気の供給方式
  • パワコンの仕様
  • 設置場所
  • 保証内容

蓄電池は、容量や仕様によって本体価格が大きく変動します。また、太陽光発電システムと組み合わせて使う場合は、「太陽光発電システムの出力と余剰電力量に合わせて選ぶ」ことと、「機種同士の互換性を取る」ことが重要です。

この記事で解説してきたように、蓄電池はご自身の住宅環境やニーズを踏まえ、複合的な視点を持って選ぶ必要があります。そのため、どの蓄電池を選ぶべきか悩んでしまう方も多いでしょう。

そこで、東京ガスとその連携企業では、蓄電池の導入目的やご家庭のライフスタイル、ご希望に沿ったご提案をさせていただきます。無料での訪問相談を受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

執筆
東京ガス株式会社 みらいほぷらっと事務局

TOKYO GAS

東京ガスは、ガス・電気にとどまらず、ひとりひとりの暮らしによりそった多様なサービスを長年提供してきました。「みらいほぷらっと」はセカンドライフ応援メディアとして、これからもライフステージの切り替わりにおいて有益な情報を発信していきます。

(※1)出典元:太陽光発電について|資源エネルギー庁

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