【2024年度最新版】太陽光発電の売電価格はいくら?

2024.10.28

太陽光発電システムの導入を検討する際、多くの方が気になるのが売電価格でしょう。売電による収入は、初期投資の回収や長期的な利益を考えるうえで重要な要素です。

ここでは、FIT(固定価格買取制度)適用中の太陽光発電の売電価格についてお伝えします。また、過去の価格推移や今後の動向なども解説するので、太陽光発電システムの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。


太陽光発電の売電価格

FIT適用中における売電価格は、関係省庁や調達価格等算定委員会の意見を踏まえ、経済産業大臣が決定しています。(※1)その際、太陽光発電設備の導入コストや運転維持費、発電効率、市場の動向などが考慮されていますが(※2)、FIT適用中における太陽光発電の売電価格は年々下落しています。

以下では、最新の2024年度と2025年度の売電価格と、FIT適用中の価格推移について、詳しく見ていきましょう。

【最新】2024年度・2025年度の売電価格

FIT適用中の太陽光発電の売電価格は、2023年度の16円/kWh(10kW未満)に引き続き、2024年度も16円/kWhです。しかし、2025年度の売電価格は、前年度から1円下がり、15円/kWh(10kW未満)となります。

以下は、2024年度と2025年度の売電価格をまとめた表です。

10kW未満 10kW以上50kW未満 50kW以上
2024年度 16円 4月~9月:10円
10月~3月:12円
4月~9月:9.5円
10月~3月:12円
2025年度 15円 11.5円 11.5円

(※3)(※4)

適用期間は年度ごとに変わらず、10kW未満は10年間、10kW以上50kW未満・50kW以上は20年間となります。

売電価格の推移

FIT適用中の売電価格は、制度開始の2012年度から年々減少傾向にあり、毎年1~4円ほど減少しています。固定買取価格がスタートした2012年度と2025年度を比較すると、売電価格は27円下がっています。

以下は、10kW未満の設備における売電価格の推移をグラフ化したものです。

(※3)(※4)

また、FIT制度の前身としてスタートしていた「余剰電力買取制度」では、制度開始の2009年度の売電価格は48円でした(※5)。

売電価格の今後の動向

2023年度においては、モジュール価格(太陽光パネルの価格)が低下傾向にあることから、2024年度の売電価格の推定値は25.5万円/kWに据え置きされています。この価格は、2023年の設置コストの平均である28.4/kWよりも低い価格です。(※6)

また、「2030年までに新築住宅の6割に太陽光発電システムを設置」という国の目標(※7)を踏まえると、太陽光発電システムの生産工程の効率化は進むと考えられます。そうなれば、さらなる低価格化もあり得るでしょう。

一方で、人材不足と資機材の高騰によるシステムコストの増大も指摘されています。(※7)今後の動向については、太陽光システムの低廉化と、コストの増大が変動の要素として注視していく必要があります。

売電価格の経済的メリットが少ないなら太陽光発電システムは設置しないほうが良い?

売電価格が下落した現在、売電収入は以前ほど期待できません。

しかし、電気代が高騰しているため、自家消費による電気代の節約が経済的メリットとなります。発電した電気を自家消費することで、電力会社から購入する電気の量を減らせるためです。さらに、蓄電池を設置することで、発電した電気の自家消費率が高まります。

太陽光発電システムだけでは発電した電気を貯めることができないため、家庭で使い切れない余剰電力は売電するしかありません。しかし、併せて蓄電池を使えば、余剰電力を貯めておき、夜間や早朝などの発電量が期待できないときに使用できます。その結果、電力会社からの電気をさらに減らすことができ、より多くの節約が可能になります。

また、太陽光発電システムや蓄電池は災害発生などによる停電時への備えにもなります。これは、金銭的な価値では計りきれない大きなメリットと言えるでしょう。

ご計画の際は、ご家庭で契約している電気プランや使用状況、設置する目的などを踏まえて検討するのがおすすめです。売電に関する疑問など、太陽光発電システムや蓄電池に関するご質問・ご相談はお気軽に東京ガスにご相談ください。

まとめ

太陽光発電の売電価格は、FIT制度開始以来、年々減少傾向にあります。2024年度の売電価格は10kW未満の設備で16円/kWh、2025年度は15円/kWhです。

売電価格の低下により、売電収入は以前より期待できなくなったものの、太陽光発電システムを設置するメリットは十分にあります。現在の電気料金高騰を考えると、発電した電気を自家消費することで大きな節約効果が見込めます。。蓄電池との組み合わせにより、そのメリットは一層期待できるでしょう。さらに、災害などの停電時に非常用電源として使用できるのも魅力的です。

太陽光発電システムの導入を検討する際は、単に売電価格だけでなく、自家消費や長期的な電気代の節約効果、環境への貢献などを総合的に考慮することが重要です。個々の家庭の状況や目的に応じて、専門家のアドバイスを受けながら導入の判断をしましょう。

執筆
東京ガス株式会社 みらいほぷらっと事務局

TOKYO GAS

東京ガスは、ガス・電気にとどまらず、ひとりひとりの暮らしによりそった多様なサービスを長年提供してきました。「みらいほぷらっと」はセカンドライフ応援メディアとして、これからもライフステージの切り替わりにおいて有益な情報を発信していきます。

(※1:出典元)買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー|経済産業省 資源エネルギー庁
(※2:出典元)令和6年度以降の調達価格等に関する意見|調達価格等算定委員会
(※3:出典元)買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー|経済産業省 資源エネルギー庁
(※4:出典元)過去の買取価格・期間等|FIT・FIP制度|なっとく!再生可能エネルギー|経済産業省 資源エネルギー庁
(※5:出典元)住宅用太陽光発電による売電量と設備費回収までの所要年数
(※6:出典元)調達価格等に関する報告|令和6年4月9日
(※7:出典元)太陽光発電の現状と自立化・主力化に向けた課題|第88回調達価格等算定委員会

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