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親が施設に入ったり、相続で実家を引き継いだりした際、空き家の扱いに悩む方は少なくありません。空き家は放置すれば老朽化や税負担のリスクが高まりますが、解体するにも費用と手間がかかります。
ここでは、空き家の解体に関わる問題を整理し、解体のメリットや注意点、費用の目安、後悔しないための業者選びのポイントなどについて、わかりやすく解説します。
・空き家を解体することのメリット
・空き家を解体することのデメリット
・後悔しないために空き家を解体するときに押さえておきたいポイント
空き家は解体するのが安心
空き家を放置すると、時間が経つにつれてさまざまなリスクを生み出します。建物の老朽化による安全・衛生面のリスクに加え、税金が上がるなどのペナルティにも注意が必要です。
まずは、空き家を残しておくことで生じる具体的なリスクを確認しておきましょう。
倒壊や防犯など安全・衛生面のリスクがある
空き家を放置すると、雨漏りやシロアリ被害が急速に進み、建物の強度が大きく低下します。屋根や外壁が傷んだ状態が続けば倒壊の危険性が高まり、瓦や外壁材が落下して通行人に被害が出ることも少なくありません。
また、管理されていない空き家は雑草が繁茂するため、害虫・ネズミの発生源となって近隣に衛生上の被害が広がることもあります。さらに、人の目が届かない空き家は不法侵入や放火といった犯罪の温床にもなりかねません。
万が一近隣に損害が及んだ場合、所有者が損害賠償責任を問われるケースもあるため、対策が必要です。
「特定空家」に指定されると税金が上がるなどのペナルティがある
適切な管理が行き届いていない空き家は、自治体によって「特定空家」に指定されることがあります。これは2015年に施行された空家等対策特別措置法に基づく制度で、倒壊のおそれや衛生上の危険性があるもの、著しく景観を損ねているものなどが対象です(※1)。
指定を受けた場合、自治体から所有者へ改善の勧告・命令が出されます。それでも改善されなければ、行政代執行として自治体が強制的に解体・修繕を行い、その費用を所有者に請求することができます。つまり、自分の意図しないタイミングで建物を取り壊されたうえ、費用まで負担させられるという二重のリスクが生じるのです。
加えて、税負担の問題も見逃せません。住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が最大6分の1に軽減されています。しかし「特定空き家」に指定されて勧告を受けると、この特例が適用外となり、固定資産税が前年度に比べて大幅に跳ね上がる可能性があります。
空き家を解体するメリット
空き家の解体にはさまざまなメリットがあります。費用や手間といった現実的な負担の軽減だけでなく、土地の資産価値を可能な限り活かすという観点からも、解体が有効な選択肢となる場合があります。
維持管理の手間や維持費用から解放される
誰も住んでいない空き家であっても、草刈りや清掃、庭木の剪定、建物の修繕、害虫・害獣対策、火災保険料といった維持費は毎年発生し続けます。とくに遠方に住んでいる場合、現地へ足を運ぶための交通費や移動時間の負担は小さくありません。郵便物の整理や不法投棄への対応なども積み重なっていきます。空き家を解体して更地にすると、こうした物理的・経済的な負担から一気に解放されます。
さらに見落とされがちなのが精神的な解放感です。「あの家をどうしよう」と頭の片隅で抱え続けていた重荷がなくなる点も、メリットの一つと言えるでしょう。
更地にすることで土地が売却しやすくなる
老朽化した建物が残ったままの「古家付き土地」は、買主にとって購入後の解体費用や手間が追加で発生するため、敬遠されたり値引き交渉の材料にされたりするケースが少なくありません。更地にすることで新築用地や駐車場、資材置き場など土地の活用用途が広がり、より多くの購入希望者を集めやすくなります。
また、解体時に測量や境界確定、地中埋設物の確認なども合わせて行っておくと、土地の状況が明確に伝わり、売却交渉がスムーズに進むでしょう。引き渡し条件が整っている土地は買主からの信頼も得やすく、結果的に早期かつ高値での売却につながる可能性があります。
空き家を解体する際の注意点
空き家の解体にはさまざまなメリットがありますが、注意点もいくつか存在します。費用面や近隣への影響、解体後の税負担などについて事前に知っておけば、後悔のない判断ができるでしょう。
多額の解体費用がかかる
空き家の解体工事にはまとまった費用がかかります。建物の構造や規模によって異なります。木造住宅の場合は1坪あたり3万〜5万円が目安となり、30坪の家であれば90万〜150万円程度が相場です。鉄骨造や鉄筋コンクリート造になると、200万〜300万円以上になるケースも珍しくありません。
さらに、残置物の撤去や地中埋設物の処理、隣地との境界に配慮した養生、そしてアスベスト(石綿)の検査や除去といった付帯工事が加わることにより、相場よりも100万円以上高くなることもあります。とくにコロナ禍以降は、人件費や資材費の高騰により費用が上振れしやすい傾向にあるため、必ず複数の業者から相見積もりを取って比較しましょう。
解体業者への一括見積もりを検討している人は、複数社に一括で見積もり依頼ができる「クラッソーネ」をご利用ください。見積もりだけでなく、価格相談から契約までをまとめてサポート可能です。
解体工事による近隣トラブルが起きることがある
空き家の解体工事中は、騒音・粉塵・工事車両の頻繁な出入りが避けられません。これらが原因で近隣住民から苦情が入り、関係性がこじれてしまうケースも見られます。
トラブルを未然に防ぐため、工事前に近隣住民へ直接あいさつに出向き、工事期間や内容を丁寧に説明しておきましょう。施主自身でのあいさつに加え、近隣対応まで誠実に取り組んでくれる業者を選ぶことが、円滑な工事進行にもつながります。
固定資産税が高くなるリスクがある
すでに解説したとおり、住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が最大6分の1に軽減されます。建物を解体して更地にしたまま課税期間(毎年1月1日から12月31日まで)をまたぐと、この特例が外れてしまいます。
空き家の解体を検討するときは、工事費用や工事期間に加え、工事完了日が年をまたぐのであれば税負担がどのくらいふえるのか確かめておきましょう。
また、解体後に土地をどう活用するか、売却するかといった出口戦略まであわせて計画を立てておくと安心です。不安な場合は税理士や不動産の専門家に相談してみるのもよいでしょう。
解体しても売却が難しい土地もある
空き家は「解体して更地にすれば必ず売れる」というわけではありません。土地によっては「再建築不可物件」に該当し、新しい建物を建てられないため、かえって売れにくくなることがあります。
再建築不可物件の例には、道路に接していない土地(接道義務を果たしていない土地)や、前面道路の幅が建築基準法の基準(原則4m以上)を満たしていない土地などがあります。こうした土地では、解体費用を負担したうえで固定資産税だけを払い続けるという状況に陥りかねません。
場合によっては、古い建物が残っている状態のほうが買主のニーズに合うこともあります。一度解体したら元には戻せないという点を念頭に置き、慎重に判断することが大切です。
空き家の解体で後悔しないために押さえておくべきポイント
空き家の解体は、一度行ったら取り消せない判断です。費用面・法的リスク・将来の土地活用など、複数の観点を持ち、慎重に考えましょう。ここでは、解体前に必ず確認しておきたいポイントを紹介します。
空き家を解体するべきケースを見極める
そもそも、空き家は必ずしも解体したほうが良いとは言い切れません。建物の状態や立地条件、将来の利用計画によって、解体した方が良い場合とそうでない場合があります。判断基準を正しく理解したうえで、自分の状況に照らし合わせて検討しましょう。
解体しない方が良いケース
空き家で悩んでいるときは、建物を活かせる可能性がないか、幅広く探ってみましょう。以下のような状況に当てはまる場合は、解体を急がず慎重に検討することをおすすめします。
- 空き家を活用できる見込みがある
建物の状態が良好でリフォームすれば住宅や民泊、店として貸し出せる状態の場合、家賃収入を得ながら固定資産税負担を軽減できる - 住宅用地の特例を維持したい
解体して更地にすると住宅用地の特例が外れるため、固定資産税の負担がふえる場合がある - 将来的に住む予定がある
数年以内に自分や家族が住む可能性がある場合、空き家を残してリフォームする方が価格が抑えられるケースもある - 歴史的価値がある:
古くても歴史的な価値がある地域の場合、古民家として残すことで活用の幅が広がることがある
解体した方が良いケース
一方、空き家の行く末を考えると、早めの解体が合理的なケースもあります。以下のような状況では、早めに解体を検討する方がリスクを抑えられるでしょう。
- 老朽化が進み倒壊のリスクがある
修繕不可能なほど劣化している場合は、放置することがリスクとなる。倒壊した場合損害賠償責任に問われるおそれもある - 特定空き家に指定されるリスクがある
自治体から改善指導や勧告を受けている場合、放置を続けることで特定空き家に指定されるリスクがある。罰金や行政代執行の対象にもなる - 更地の方が売却しやすい立地
需要の高いエリアの場合、更地にした方が売却しやすいケースがある - 管理費に多額のコストや時間がかかっている
管理するための時間やコストが多くかかっている場合、解体費用を一括で払った方が安価となる
クラッソーネでは、空き家を解体するかどうか悩んでいる方のご相談にのることもできます。お悩みがある方はぜひ一度ご相談ください。
自治体の補助金・助成金や解体ローンを活用する
空き家の解体費用はまとまった金額になりますが、必ずしも全額を自己資金でまかなう必要はありません。費用負担を軽減する方法としては、自治体の補助金・助成金や、解体ローンの活用が挙げられます。
自治体によっては、老朽化した空き家の解体を対象とした補助制度を設けているところがあり、条件を満たせば費用の一部を補助してもらえます。ただし、予算の上限に達すると受付が終了する場合や、工事着手前に申請が必要なケースも多いため、早めに居住地の自治体窓口に確認しておきましょう。
まとまった資金の用意が難しいときは、解体費用を分割で返済できる解体ローンという選択肢もあります。金利や返済条件は金融機関によって異なるため、無理のない返済計画を立て、複数の機関で返済シミュレーションを行ってみましょう。
適切な業者選びを行う
空き家の解体工事は高額な費用が伴うだけでなく、近隣トラブルや安全管理など多くのリスクが伴います。単に価格が安い業者を選ぶのではなく、以下のようなポイントを総合的に見て判断することが重要です。
- 解体実績と専門性
- 見積もり内容と細かい費用内訳
- 許可や保険加入状況
- 近隣対応や安全管理について
- 口コミや評価
とくに、建設業許可や解体工事業登録の有無は必ず確認しておきたいポイントです。また、担当者が質問に対して丁寧かつ的確に答えてくれるかどうかも、工事中の対応力を見極めるうえで重要な指標になります。複数社から相見積もりを取り、費用の妥当性・見積もりの透明性・コミュニケーションの安心感を総合的に比較したうえで、信頼できる業者を選びましょう。
まとめ
空き家の解体には、維持管理の手間や費用からの解放、売却のしやすさ向上といったメリットがある一方、多額の解体費用や固定資産税の増加、近隣トラブルといった注意点も存在します。
後悔しないためには、「本当に解体した方がよいのか」「建物を残して活用できる可能性はないか」「解体後の土地をどうするのか」まで含めて検討することが大切です。解体を進める場合は、複数社から相見積もりを取り、費用・実績・対応力を比較したうえで、信頼できる業者を選びましょう。
解体を前向きに検討している場合は、解体業者選びから費用の相談まで一括で対応できるクラッソーネを活用するのも一つの方法です。また、すぐに解体するか決めきれない場合や、当面は空き家として管理を続けたい場合は、東京ガスの空き家管理サービス「実家のお守り」も選択肢の一つになります。
空き家の扱いに正解は一つではありません。建物の状態や土地の条件、今後の活用予定に合わせて、無理なく管理・解体・活用の方法を選びましょう。
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