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還暦となる60歳が、「高齢者」と呼ばれる時代は、もはや過去のものです。「生まれた歴に還る」という言葉の通り、還暦は終わりではなく、新たなチャレンジのためのライフステージなのかもしれません。
シリーズ「フェーズ60の選択」は、インタビューを通じて、それぞれの方が「60代でどんな選択をしたのか」にスポットライトを当てます。是非、ご自身のセカンドライフでの「選択」に役立ててください。
今回は、「働く」をテーマとして、派遣会社である(株)高齢社に登録し、ライフラインを支える事業を営んでいる株式会社カンドーで営業として働き続けられているタニムラさんを紹介します。
営業にかける思い
インタビュアー: タニムラさんは、80歳という御歳でありながら未だに営業の最前線で働かれているとお聞きしました。パワフルなお仕事ぶりの原動力は何なのでしょう。
タニムラさん:営業が好きというのは大きいと思います。色んなお客さまに会え、引き合いが取れた時の喜びがある。お客さまの素直に受け止めてもらえた瞬間がうれしい。
インタビュアー:営業はそういった喜びがある一方で、一般的にはハードな職種といわれています。マイナス面はありますか?
タニムラさん:当然断られることはあるが、断られたお客さまに対する態度ほど、悪くならないように心掛けている。なぜなら、何が何に繋がるかわからないから。
ネガティブになることはある。しかし、まずは自分をゼロの状態に持っていくことにしている。そして新しい気持ちで次のお客さまにいくことを訓練し続けている。
インタビュアー:すごい営業という仕事への情熱ですね!若いころからずっとそうだったのでしょうか。
タニムラさん:若いころはそうでもなかったと記憶しています。でも、いつしかコツを覚えた。コツというは、相手の立場を見てしゃべって、どう言うとどうなるかを想像すること。これは、営業での会話で失敗したときに何が原因かとことん考えることで磨かれる。
大事なのは「うまくいかなかったのはお客さまのせいではなく、自分のせい」と考え、振り返り続けること。
お金をもらっている以上、周りからの期待には応えてやっていきたいと思います。
(タニムラさんが会長をされている異業種交流の団体:ブログの更新を率先するなど、周りの期待に応える姿はプライベートでも同様)
仕事での心がけとは
インタビュアー:期待に応えるために心掛けていることはありますか?
タニムラさん:職場に目標を伝えることと実績を出すことの2つ。「1日にこれだけ回って、これだけ取ってくる」というのは絶対に目標を立てるようにしていて、それが達さなかったら、次の日に挽回するようにしている。
インタビュアー:なかなか、それを実践できる人は現役世代でもいないのではないでしょうか。精神力も使う仕事のされ方だと思いますが、どのくらいの頻度で働かれているのでしょうか。
タニムラさん:1か月に17日働いています。気力と体力と派遣先の企業が評価してくれる限り続けたいです。
(タニムラさんの趣味の全国行脚の計画図:楽しまれながら詳細な計画を立てられてそれを実行されている姿勢は営業にも通じる)
派遣で営業として働くこと
インタビュアー:タニムラさんは派遣会社である㈱高齢社から派遣され、営業をされていると伺いましたが、メリットはありますか?
タニムラさん:正直、この歳になって自分で仕事を探す範囲には限りがある。ハローワークに行ってもやりたい仕事にありつけない。年齢というだけで判断されたり、業種が限られたりすることがある。しかし、㈱高齢社は高齢者専門派遣だからこその、自分の希望に沿う仕事を見つけてきてくれる。
インタビュアー:これまでいくつの派遣先の紹介を受けましたか?
タニムラさん:5つ ほどです。すべて営業の仕事でした。見つけてくれる㈱高齢社には感謝しています。
インタビュアー:最後に、現役世代に向けてアドバイスをお願いいたします。
タニムラさん:ひとそれぞれ「これは」という長所があり、その人自身の引き出しがある。絶対に合った仕事はあると思って、長所を育んだほうがいい。
定年後、「もう組織に入るのがいやだ」という人もいるかもしれないが、人生100年時代、先が長い中、60代で終わるのは絶対にもったいない。
インタビューまとめ
今回、大先輩であるタニムラさんに「未来」の話をお聞きするつもりでインタビューに挑みましたが、それ以上に、今働いているなかで実践すべき多くの示唆をいただきました。人生を通して、営業の技術を磨き続けるタニムラさんは、年を重ねてもずっと働き続ける上での理想像なのではないかと感じました。
タニムラさんが派遣スタッフとして登録されている高齢社は、派遣の以下の記事でも紹介していますので、是非閲覧をしてみてください。そのほかの働かれている方のご紹介もしています。
インタビュー協力:高齢社