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防災用の水はどれくらい必要?飲料水や生活用水を備える方法を解説

2025.01.20

水は、災害時の備蓄品のなかでも重要なものの一つです。地震や台風などの災害時には断水が発生する可能性があるため、復旧までの期間を乗り切れるよう、飲料水と生活用水をそれぞれ確保しておく必要があります。

ここでは、災害時に必要な水の量や、水を備蓄する方法、水を備蓄するにあたって知っておきたいことなどを紹介します。

防災用の水はどれくらい必要?

防災対策として必要な水の備蓄は、飲料用(調理に使う水を含む)で1人あたり1日3リットルが目安です(※1)。少なくとも3日分、一人につき計9リットルを用意しましょう。ただし、大規模災害が発生した場合は復旧まで時間がかかりやすいため、1週間分(1人あたり27リットル)の備蓄があるとより安心です。

また、飲料水とは別に生活用水の備蓄も欠かせません。これは手を洗ったり、トイレを流したりするために使用する水です。

ペットと暮らしている場合には、ペット用の飲み水も確保しておきましょう。一般的にペット用の救援物資は届くまでに時間がかかるため、人間のものよりも多めの5~7日分を用意しておくと安心です(※2)。

防災用に飲料水や生活用水を備える方法

以下では、防災対策に水を備蓄する方法について、飲料水の場合と生活用水の場合に分け、それぞれ解説します。

飲料水の備え方

災害時の備えとして飲料水を備える主な方法は、次の3つです

  • ペットボトルを購入する
  • ウォーターサーバーを取り入れる
  • 水道水を溜めておく

以下では、それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。ライフスタイルや保管スペースなど、自身やご家庭の事情に合った備え方を選びましょう。

ペットボトルを購入する

スーパーなどでペットボトルの水を購入すれば、飲料水を手軽に確保できます。

ペットボトルの水を備蓄する場合は、賞味期限に注意しましょう。防災備蓄品として販売されているものは賞味期限が長く設定されているものの、いざ災害が発生したときに、賞味期限が切れていて飲めないという事態は回避したいものです。

普段からペットボトルの水を飲んでいるのであれば、賞味期限が近いものから日常生活で消費し、消費した分を買い足すローリングストックという方法をおすすめします。

また、まとめ買いが面倒と感じる場合は、買い物のついでに1本ずつ購入するなど、少しずつ備えていく方法もあります。「いつか備えよう」と先延ばしにするより、コツコツと備えることが大切です。

ウォーターサーバーを取り入れる

ウォーターサーバーを導入することで、常に新鮮な飲料水を確保できるうえ、日常生活の中で自然にローリングストックを実践できます。普段から飲料水を飲む方におすすめの方法です。

ただし、災害時の備蓄として考えるのであれば、停電時でも使えるかどうかを確認して選ぶことが重要です。ウォーターサーバーの仕様によっては電気がないと水を出せなくなるものもあります。

水道水を溜めておく

大きな容器に水道水を溜めておく方法もあります。水道水には消毒効果のある塩素が含まれているため、常温で3日程度、冷蔵庫では7~10日程度の保存が可能です(※3)(※4)。

この方法では、いかに水を清潔な状態に保てるかがポイントです。

<備えとして水道水を保存する方法>(※3)(※4)

  1. 密閉できる保存用容器を用意
  2. 手をよく洗う
  3. 容器とフタを台所用中性洗剤などで洗い流す
  4. 空気に触れることを防ぐために水道水を容器の口いっぱいまで注ぎ、フタをしっかりと締める
  5. 直射日光の当たらない暗い場所に保管する

<備えとして水道水を保存する際のポイント>(※5)

  • 雑菌の繁殖を防ぐために、保存用容器は水道水の備蓄専用にし、そのほかの方法では使用しない
  • 浄水器を通すことで塩素まで除去してしまうケースがあるので、保存する際は浄水器を通さない
  • 朝一番の水道水は残留塩素の濃度が低くなっていることがあるので、最初のバケツ1杯程度の水は保存用に使わない

生活用水の備え方

生活用水は手洗いやトイレなどに使用する水であり、飲料水とは別に備蓄しておく必要があります。飲料水を用意していても、生活用水がないために苦労したケースは少なくありません(※6)。

手軽に始められる方法としては、普段から浴槽にお湯を張っておくことが挙げられます。その場合、地震によって水が溢れることを防ぐために、浴槽の蓋は閉めておくようにしましょう。
また、水道水をポリタンクに溜めておく、雨水タンクを設置する、賞味期限が切れた飲料水を使用するといった方法も効果的です。

防災用に水を用意する際に知っておきたいこと

一般家庭で防災用に水を備蓄する際、気になるのが期限とスペースです。

とくに、飲料水は保存できる期間に限りがあるため、定期的な交換が欠かせません。また、家庭によっては、水の備蓄が生活空間を圧迫してしまうケースもあるでしょう。

ここでは、防災用に水を備蓄する際の、期限とスペースに関するポイントをそれぞれ紹介します。

飲料水は賞味期限が切れたら飲めなくなる?

市販のペットボトルの水に記載されている賞味期限は、おいしく飲むことが可能な期限です。そのため、未開封の状態であれば、賞味期限が切れても直ちに飲めなくなるわけではありません(※7)。

ただし、保存状態によっては品質が劣化する可能性があるため、できるだけ新しいものと交換するよう心がけましょう。賞味期限を目安にして交換サイクルを決めておき、古いものから日常生活で消費していくローリングストックがおすすめです。

まとめて置いておくスペースがない場合はどうしたらいい?

水の備蓄は必ずしも一箇所にまとめて置いておく必要はありません。1階や2階、キッチンとリビングなどに分けて保管すると良いでしょう。

保存場所を分散すれば、家庭内のデッドスペースを活用した効率的な備蓄が可能になるうえに、災害時に取り出せなくなるリスクの回避にもつながります。

万が一に備えて水を用意しましょう

生活に欠かせない水の備蓄は、防災対策として極めて重要です。家族構成に応じて、適切な量の水を用意しておきましょう。

飲料水であれば、1人1日あたり3リットルを少なくとも3日分、可能であれば1週間分が目安です。ペットがいる場合は、ペット用の飲料水も多めに確保しましょう。また、手洗いやトイレなどに使う生活用水の準備も欠かせません。

備蓄する方法は、ペットボトル水、ウォーターサーバー、水道水などさまざまですが、消費期限を気にせず常備するローリングストックという考え方がポイントです。少しずつでも良いので、日頃から防災の準備を進めていきましょう。

はるいく

執筆者

はるいく

医療機関→公務員→医療機関という経歴のWebライターです。
公務員での医療災害対策業務に従事した経験を活かして、医療機関では防災対策を担当。
医療機関のリスクマネジメント、ISO9001内部監査員も担当しています。
現在は元公務員×医療従事者×Webライターとして活動中。

(※1)出典元:https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html
(※2)出典元:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2506/ippan.pdf
(※3)出典元:https://www.water-kawaguchi.jp/suido/1001655/1001529/1001531.html
(※4)出典元:https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/files/items/18992/File/kurashi-r6-06.pdf
(※5)出典元:https://www.city.nabari.lg.jp/s050/030/010/030/091/20160921162558.html
(※6)出典元:https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/daishinsai/2.html
(※7)出典元:https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/2001/02.html

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